「レント」は、芸術家の卵達の愛と
友情、そして生と死を描いた物語である。
ミミという女の子が登場するので
わかった人もいると思うが、ベースは
有名なプッチーニのオペラ、「ラ・ボエーム」
である。(オペラではミミは肺結核)
しかし、「レント」は、エイズ、ドラッグ、
同性愛・・・などを扱っていて、その分
ヘビーである。
エンジェルが死ぬシーンでは、泣けるし、
最後にミミが倒れて、ロジャーが抱きしめ
るところも号泣だった。
でも彼らは訴え続ける。「今が大切」なのだと。
「NO DAY BUT TODAY」がこの映画の
テーマになっている。
最後が少し救いのある終わり方になって
いるのは、そのためだ。
前編ロック調で綴られる音楽もどれも
素晴らしい。
ロジャーやマイク、エンジェル役など
主要な役6人は舞台の初演版の
メンバーを揃えている。加齢はしかたないが、
製作者のこの映画への思い入れの強さが
伝わってくる。
エンドロールが流れて・・・本当の最後の最後。
「ありがとう、ジョナサン・ラーソン」の言葉に
また泣かされる。
感動しているのは私だけかな、と思ったら、
帰りのエレベーターの中で、若い数人の
男女が「泣けたわ~」と言っていた。
脚本も音楽も、本当によく出来た作品なので
多くの人に見てもらえたらと思う。