エバは民衆からも圧倒的な支持を得る。
しかし、金持ちや貴族から金を取り上げ、貧しい人々に
ばら撒く、彼女の「福祉政策」は、国の財政を破綻させて
しまう。さらに追い討ちをかけるように、その頃、彼女の
体は癌に蝕まれていた。
国を支配し、民衆を操り、でも貧しい人からは、聖母と
崇められたエバ。批判されらがらも、強い向上心と夢を
持って、自分の想いに忠実に生きた。
最後に病気でもう起き上がるのも苦しいのに、
民衆の前に立って、「泣かないで、アルゼンチーナ、
私達はいつも貴方の味方、言いたいことはたった一つ、
それだけなの・・・」と歌う彼女の姿には感動する。
今回、前に観たときより演出や美術がが変わっていて、
前回は、バルコニーの上から下の民衆に向かって
語りかける演出だったが、今回は舞台中央の部分が
前にせり出し、そこで彼女が歌うようになっていた。
つまり、観客を、アルゼンチンの人々に見立てた演出
である。その方が臨場感があって良かった。