夜半に雑木林の風雨に揺れる音は、
まだ明けぬ梅雨に不安が横たわっている。
早朝から少し涼しい日々と、
薄曇りの陽ざしは、
夏らしい厚い入道雲の青空を思い出す。
谷戸ではすでに朝から蝉の声が聞こえ、
週末に少し早起きして散歩でもする。
このところの日差しを遮る雲は、予想外に連日涼しい日になっている。水分補給をして健康管理をしたいと言いたいが、このところの涼しさは、アイスコーヒーを飲みすぎと思う。そして、雑木林に咲く大輪のひまわりとユリは、どこか淋しさを感じさせる。
早朝の陽ざしに各階のホテルの廊下は、非常口の青白いサインが消えているように見える。白いTシャツ着て誰もいないロビーに行くと、海辺の街は、暑い夏の陽ざしがフロントまで伸びていく。自動ドアが開くとその陽射しは、その街のそよ風が二人に吹いてきた。気まず難しそうにいる彼女と僕は、寝不足のうつらうつらとして眼で、まだ明けきらぬ朝もやの海を見る。