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自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

多田富雄さんの意見 ①

2009年09月29日 | Weblog
(昨年6月の徒然想から再掲)
 世界的な免疫学者で能楽作家でもある多田富雄さんの後期高齢者医療制度についての意見。(この制度は政権交代で廃止されるそうだが、それはそれとして多田さんの医療と介護に関する意見は未だ傾聴に値すると思われる。)
 
 私はこの制度は、憲法違反ではないかと思っています。というのも、私のような障害をもっている者は、「障害認定撤回届」を提出しない限り、75歳どころか65歳から「後期高齢者」に強制的に組み込まれる。これは「法の下での平等」を規定した憲法14条に違反しています。
 あれは4月5日でした。
 心臓検査のために通っている東京医大病院で、「まだ74歳だから」といって国民健康保険証を出しましたが、後期高齢者保険証でしか診てもらえませんでした。是が非でも、後期高齢者保険制度に入れようという意思が、ここまで徹底しているのか、と驚きました。
 日本はいつから、こんな冷酷な国になってしまったのでしょう。
 私は専門バカで、社会のことなど何も分りませんでした。しかし、病気で入院しているときぼんやり感じていたことが、突然はっきりと見えてきました。
 昭和が終わるころ、バブル経済に浮かれながら、人心は冷え切っていました。まもなく不良債権処理のため、リストラも強行されたのです。そのころから、この国は市場原理主義の病に侵されたように思えます。
 病が一挙に悪化したのは小泉、安倍政権の時代。競争原理、自己責任、経済優先で、美しく優しかった日本は、急に冷たい、ぎすぎすした国になってしまったように思います。その病状のひとつが、強引な医療費の削減に表れたのです。
 先進医療が発達し、超高齢化社会に突入したというのに、社会保障費を増やすどころか、毎年2200億円ずつ削っていったのです。
 障害者になってみると、日本の民主主義の欠陥がよく分ります。(続く)

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (マライカ)
2009-09-29 22:11:43
この文章だけでは「後期高齢者保健制度」が国民健康保険制度と比べてどのように不利なのかよくわかりませんが、歳が若くても障害があれば後期高齢者として扱われる、というのは確かに納得がいきませんね。話の続きを待っています。
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Unknown (理方)
2009-09-29 23:05:38
後期高齢者保健制度なるものの詳細を知らないんですが、また多田富雄さんの文章にも詳細は出てこないんですが、気がついたことを列挙します。
・ 医学的な見地から言うと75歳で区切るということをバックアップする論文とかそういうものは一切ない。
・給与所得者の扶養家族で今は負担ゼロの方に新たに保険料負担が発生することは低所得者への厳しいペナルティとなる。
・医療費削減のためだけに制度が設計されているため、いろんな診療科にかからなければならない人が医療を適切に受けられなくなる。
・保険料の滞納により、保険証を取り上げられる冷いシステムである。
・75歳以上の人たちはもはや用済みとばかりに、国が率先して“姥捨て山”を作ったかのような印象を受ける。
・75歳以上の高齢者が今後増えることで、保険料値上げと医療内容の劣悪化という「痛み」を促進する仕組みになっている。

まだまだ問題の多い制度で、医療者の側からも批判が出ていました。
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