出張先のオックスフォードから帰ってきたじゃじゃうまによると、イギリスは暖かかったとのこと。一方、日本は例年以上に寒い。日本海側や北日本では大雪。
是(これ)がまあつひの栖(すみか)か雪五尺
一茶の故郷・信濃柏原から新潟県の高田地方にかけては世界一の豪雪地帯。このことを知ったのは、札幌オリンピックの時に、日本は雪が降らない国だと思っていた外国人が多く、そうではないという記事を読んだ時である。日本は世界屈指の雪国なのだが、それを不思議がる外国人が意外と多い。信濃地方は北緯三十六度四十分。ヨーロッパでいえばアテネやリスボンあたりである。湿帯に位置し、熱帯性の稲を栽培し、人口密度が高く、これだけ雪の降る国はないそうだ。
日本の降雪は、その多くが季節風によるものだというのが特徴。世界の多雪地帯の殆どは大陸西岸の低気圧多発地帯で、暖かければ雨に、冬には雪になる。それに対して、日本海側の降雪は、大陸からの北西の季節風が脊梁山脈を吹き上がる時に、冷却されて雪を降らせる。この時、太平洋側では冬晴れとなり、乾いた空っ風が吹く。たまに降る太平洋側の雪は低気圧によるものだから、気温が上がれば雨となる。このように、脊梁山脈を境に降雪の仕組みが大きく異なることが、日本人の雪に対する抒情の違いも生んできたのかも知れない。
太平洋側で育った僕は雪に何か憧憬を覚える。日本海側の人は雪に負担を感じることもある。日本という国はそれだけ情趣に富んだ国だと言えよう。
地球温暖化が進む中、冷え込みのきつい奈良盆地ではあっても、雪は年々少なくなっている。
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