A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

お世話になった師匠へ・・・・一人前になった証として

2008-01-28 | MY FAVORITE ALBUM
Magical Trio 1 / James Williams

1978年サンフランシスコを訪れたアートプレーキー率いるジャズメッセンジャーズ。そのライブ演奏の模様はConcordレコードで録音され発売された
若手中心のメンバーで、相変わらず元気なブレイキーのドラムが聴ける。
そこでピアノを弾いていたのはデビュー後まもないジェームスウィリアムス。その後もメッセンジャーズでウィントンマルサリスとも一緒にプレーに磨きをかけ、一人前になりメッセンジャーズを巣立っていった。
その頃も、「新人養成所」としてのメッセンジャーズの役割は昔と変わらず続いていた。

それから約10年。ジャズピアノの世界はチックコリアやキースジャレットなどが彼らの築いた世界を確固たるものにしていた。一人前になったウィリアムスのプレーは新しい流れだけに惑わされることなく、古き良き伝統にしっかり根ざして進化を続けていた。
メッセンジャーズに加わった時は弱冠25歳。
30代の中半になり中堅プレーヤーの一人になったウィリアムスは、今回は自己のトリオでアルバムを作ることになった。
ただし、平凡なピアノトリオではなく特別なトリオで。

その為の人選に入り、最初に決まったのがベースのレイブラウン。
ピーターソンの女房役として、その後のモンティーアレキサンダーとの演奏を聴き、レイブラウンとの共演が願いでもあった。
次にドラムには、若い頃にお世話になった師匠のアートブレーキーを。
これが、マジカルトリオが生まれた経緯である。

アートブレーキーにとっても、ピアノトリオでのアルバム作りは71年のモンクとの共演以来16年ぶりとなった。確かにプレイキーの演奏はいつも管楽器が一緒だ。
トリオの演奏となると多少勝手が違うのか、聞き手にとってもブレイキーのイメージがわきにくい。

演奏する曲はウィリアムスの自作の曲が多いが、1曲目のブルースはとりあえず3人の呼吸合わせの小手調べ。コンビネーションは最高だ。
2曲目は、レイブラウンがスタジオでいきなりメロディーを歌ってウイリアムスがそれを覚えた曲とのこと。ベイシー風の音使いの綺麗な曲だ。
オリジナルに混じって、サドジョーンズのミーン・ホワット・ユー・セイも。これはサドの曲の中でも好きな曲だ。こんなところで聴けるとは。
ウィリアムスのピアノが実に表情豊かである。

ブレイキーのドラムは、よくも悪くもブレイキースタイル。スローな曲を含めて、スティックワークに徹している。軽快とはいえないがビートは確実だ。そして、お得意の「ナイアガラ瀑布」はピアノトリオのせいか小瀑布。

先輩達に囲まれて、ウィリアムスの一流の仲間入りを記念した卒業アルバムのような一枚だ。
そして、このアルバムは、新生Emercyレーベル復活の一枚でもある。

1. Hammerin'            Williams 7:35
2. Buhaina, Buhaina         Brown 5:57
3. The Night We Called It a Day   Adair, Dennis 6:28
4. Old Times' Sake [*]        Williams 3:05
5. The Soulful Mr. Timmons     Williams 6:52
6. Love Letters           Heyman, Young 5:10
7. Mean What You Say        Jones 6:01
8. You're Lucky to Me        Blake, Razaf 6:09
9. J's Jam Song           Blakey, Brown, Williams 6:01

Produced by Kiyoshi "Boxman" Koyama
James Williams (p)
Art Blakey (ds)
Ray Brown (b)

Recorded at power station New York , on June 26, 1987



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