「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

 京都・奈良を中心に古刹・名刹や「花の詩」等の紹介。花や風景写真、オリジナルの詩、カラオケ歌唱など掲載しています。

「常照皇寺」(じょうしょうおうじ)

2006年04月25日 21時19分54秒 | 古都逍遥「京都篇」
『何事も うれふとなしに のどかなる 春の雨夜は 物ぞ侘しき』(光厳院)
 和漢儒仏の学問にも通暁し、和歌の優れた詠み人としても知られた光厳院(南北朝期、足利尊氏によって北朝初代上皇〈後伏見天皇の皇子〉となった)の哀れにも侘しい晩年を過ごした山里を訪ねたくなった。 春の終りにしては暑い日ざしの休日、京都洛北、高尾山麓から福井県へと通じる周山街道を、緑の風を切って車を走らせた。途中、川端康成の「古都」を山口百恵の2役で映画化した、そのロケ舞台となった北山杉の山間を通り、七曲の峠を越して京北町へと向かう。京北町はまだ田園地帯、菜の花、蓮華草の絨毯を望みながら北へと進んだ。 常照皇寺は、正しくは「大雄名山万寿常照皇禅寺」といい、光厳院が、1362年頃に開創した臨済宗嵯峨天竜寺派に属する禅寺。後花園天皇が小塩田260石を香華料として献納し、皇家と深い関わりを持つ。 桜の咲く頃は、ひっそりとした山里の寺は芋の子を洗うような賑わいを見せる。というのも、推定樹齢600年といわれ、天然記念物に指定されている「九重桜」が咲き、境内庭園を覆い尽くす。そして左近の桜と、当寺を訪ねた後水尾天皇(江戸期)が、その美しさに魅かれ何度も車を返したと伝えられる「御車返しの桜」があり、桜の名刹として名高い。訪ねた時は牡丹が欄干に寄り添うように咲いていた。

 交通:JR京都駅からJRバス周山行き終点下車、町営バス乗り換え小塩行き山国御陵前下車。全約2時間。
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