「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

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「花の詩」藤の花

2013年06月08日 23時51分16秒 | 花の詩
 「藤浪の 花は盛りに なりにけり
  平城(なら)の京(みやこ)を おもほすや君」(万葉集・大伴四綱)

 藤の花が波打つように盛りになりました。きっとあなたは、奈良の都のことを思って偲んでいることでしょうね。
 大伴四綱は九州大宰府の防人の役人であった。老長官の旅人を慰めて詠んだものである。旅人はこの歌に続いて、わが故郷を思ってこう詠んでいる。

「わが盛り またをちめやも ほとほとに 寧楽(なら)の京を 見ずかなりなむ」
「わが命も 常にあらぬか 昔見し 象(きさ)の小河(おがわ)を 行きて見むため」

 風にふかれて寄りくる浪のうねりを思わせると歌ったこの歌は、その姿の美しさもさることながら、やはり高雅な藤紫の色に魅せられる。

 清少納言は「藤の花は、しなひながく、色こく咲きたる、いとめでたし」、と単純明快に藤の美しさを表現している。
 
 「山吹の清げに  藤のおぼつかなきさましたる総て思い棄てがたきこと多し」、と兼好法師は、春の終りの情趣を綴っている。
 「おぼつかなきさま」というのは、「ぼんやりとした風情」という歌意である。 

 「くたびれて 宿かるころや 藤の花」(芭蕉)

  花言葉 「歓迎」「恋に酔う」「陶酔」
コメント
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