京都・環境ウォッチ

いま京都で起こっている環境問題、自然環境の変化などにかかわって、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

「増山麗奈×中村和雄」トークライブ

2011年10月30日 | 原発ゼロ
若者たちが企画した市民社会フォーラムのシリーズ企画
3.11以後の日本の進路「増山麗奈×中村和雄」トークライブに参加した。
30人ほどの参加だったが
こうした企画、いいと思う。
そして、もっと徹底討論したら面白い。

京都・水と緑をまもる連絡会のオジサンメンバー3人も参加していたが、
私たちが若者の企画で「徹底討論」をやり始めると
たぶん若者たちが参加できなくなるので、
3人とも話さずに我慢していたのだろう。

思ったこと二つ。
①、増山さんの「行政に頼っていてはダメ」発言。自分たちは、自分の力、ネット・友人たちに助けられた。これを大事に進んでいくと一番熱っぽく語った。
この気力、素晴らしいと思う。これ、政治から遠いようで、本当はオジサン世代より、もっと「革命」に近いのかもしれない。この土台の上で、自分たちの営みや努力、友人たちと力を合わせて進もうとするのを、ほんと邪魔している「政治」や「社会構造」をひっくり返し、今度は自分たちを助けるものに変えていく。そこに必ず進むと思う。

②、もう一つ。どうしたら「原発からの撤退」に沢山の市民が歩みを進めるか?
これこそ「徹底討論」の大事なテーマで、この企画を組むことは大事なのでどこかで具体化したいなと思う。

コメント (2)
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脱原発デモ、48%が初参加

2011年10月21日 | 原発ゼロ

私たちのMLに流れていたニュースです。
「6・11脱原発デモ、48%が初参加 ネット・口コミ7割
都留文科大准教授 平林祐子」

京都で9月11日に行ったデモでも同じことを感じました。
デモ後のブログなどで
「シュンジュンしたが初めて参加」「九条の会の友人に声をかけられて、思い切って参加」などの声が出されていました。
街頭で自分(たち)の思いを表明して社会を変えていく、
それを「言ってみよう」「表現してみよう」と友達に声をかけ
自分の思いを、自分たちの思いにしていく
若者たちも、女たちも、男も、高齢者も
それを表現し始めたら、社会が変わると思う。
デモは、ビラもそうだけど
「声を掛けて、どんどん誘ってみる」ステージなのだと
9,11の感想を読みながら、思いました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(以下、バイバイ原発のMLから)
 3・11以降、脱原発を求める運動は全く新しい局面に入っている。脱原発関係のイベントは4月3日から9月末までの間に、全国で1195件。そのうち216件はデモだ(ウェブサイト「脱原発系イベントカレンダー」より)。4月10日の高円寺デモに1万5千人、6月11日は全国で合わせて7万9千人、そして9月19日の明治公園に6万人。 デモで歩いているのは誰なのか。半世紀近くも「少数派」であり続けた、今までの反原発運動と何が違うのか。デモは本当に「推進派にとっては痛くもかゆくもない」ものなのか。

 3・11から3カ月後の6・11、6カ月後の9・11に東京都心で行われた複数の大規模デモ(パレード)の参加者を対象に調査を行った(両日とも、3カ所のデモ前の集会における面接調査。回収数は6月は467、9月は449)。三つの特徴を挙げよう。

    ◇

 第一に、デモ参加者の多くは、これまで運動に参加したことがなかった人びとである。デモ参加は初めてという人が、6・11には実に48%、9月でも35%を占めた。初参加者は4割から5割が30代以下とデモ経験者に比べて若い。

 第二に、利用されているメディアがまさに今日的である。デモを知った情報源のトップ3は、インターネット、ツイッター、知人からの口コミで、これらで約7割を占め、チラシや新聞・TV等の伝統的メディアは合わせてわずか5%程度にとどまる。

 第三に、3・11以降の脱原発運動は社会の多様な層に広がっている。6月、9月とも、都内の三つのデモ(パレード)について調査したが、参加者の性別や年齢層、運動参加経験等は互いに大きく異なった。既存の反原発運動が動員力を発揮するいっぽう、新しい人々がそれぞれの個性を活(い)かして街頭行動を展開している。

 新たな参加者がデモの主催までやれてしまう背景には、いくつかの要因がある。2000年代の反貧困、イラク反戦等の運動の積み上げ。デモの音楽やラップ、持ち物、衣装、ウェブサイトまで「表現としてのデモ」という運動文化の浸透。原発批判派の専門家たちを擁するNPO・NGOの定着などだ。

    ◇

 これらすべてを支えているのが、新しいメディアの発達である。ネットを介した情報流通の速さと容易さが、既存組織なしで数百人から数万人の参加者を集めることを可能にした。そして、デモの中継、ツイッターやブログでの発信など、マスメディアに代わって自分たちがメディアの役割を担う「メディア・アクティビズム」が、運動の非常に重要な一部になっている。

 90年代頃(ごろ)から、脱原発運動の目標や役割は政策策定の実務への実質的参加に一定程度シフトした。しかしいまの街頭行動はそれとは違う。3・11が、どういう社会を選ぶのか、という最も根幹的な問いを改めて私たちに突きつけたからだ。今回だけは自分でその問いに答えたいと考えた人々の、最新の技術や文化に支えられた楽しくも真摯(しんし)な意思表明。それが「原発いらない」の一点に絞った街頭行動である。

 7カ月経ったいま、本当の社会的選択を行う回路と感性をこの社会が持てるかどうかが問われている。(都留文科大准教授〈社会学〉)

    ◇

 ひらばやし・ゆうこ 1964年東京都生まれ。東京都立大大学院社会科学専攻科博士課程単位取得退学。富士常葉大助教授を経て2006年から現職。

http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201110190199.html
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原発が「潜在的核抑止力」?

2011年10月19日 | 原発ゼロ
19日の「朝日」
大江健三郎さんが「原発が『潜在的核抑止力』とはー前例なき民主主義無視の論」を書いている。(定義集)
自民党の石破氏や読売新聞社説での
「日本は・・・核兵器の材料になり得るプルトニウムの利用が認められている。こうした現状が、外交的には、潜在的な核抑止力として機能していることも事実だ」(読売社説9.7)などの論を批判して
例のない民主主義の無視だ!と。

「潜在的な核抑止力」を日本が持つことなど、だれが承認したのか!
国民がいつ承認したか!

あまりにも正直な、
原発をなくすことは、”潜在的な核兵器”をなくす事だという彼らの論の思慮の浅さ
「ノンキサ」を批判しながら
「先の論客たちが、その効力を信じる『潜在的』な力を、いつ・どのように『顕在化』させる戦略を考えているかは不明ですが。」と書いている。

福島の被曝の事態を目の当たりにしながら、
彼らは、それを「顕在化」させた時のことを、しっかりと想像しているだろうか?
福島の事態を見つつも
彼らは、その「顕在化」の準備にも怠り無く取り組むのか?
彼らにとって、日本や日本の国土、故郷とかは何なんだろうか。
他国の人々の故郷や国土とは何なんだろうか。
核兵器を使った時、それらは「守れる」のだろうか。
それを想像しないなら、潜在的な”力”などは空虚だ。
また、しっかりと想像しているのであれば、全く”空恐ろしい新聞、自民党”ということになる。
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京都岡崎の景観を壊さないで!京都会館の全面改修は止めて!アピール

2011年10月08日 | 環境
京都の岡崎で、こんな問題が起こっています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日本近代建築の巨匠前川國男の代表作
京都会館の保存をねがうアピール

 京都市が前川國男の代表作、京都会館を原形をとどめないまでに全面改築しようとしています。  
前川國男は20世紀を代表する建築家ル・コルビュジェにモダニズム建築を学び、日本の気候風土のなかで独自の作風を確立しました。その契機となるのがこの京都会館です。日本の昭和戦後のモダニズム建築の歴史のなかでももっとも重要な作品といっても過言ではありません。1960年度に日本建築学会賞受賞、2003年には国際組織、DOCOMOMO JAPANの日本のモダニズム建築100にも選ばれています。
京都会館の建つ岡崎地区は、東山の裾野から鴨川へと続く静かで伸びやかな一帯です。そこには南禅寺や真如堂、金戒光明寺(黒谷)など、古都を代表する神社仏閣が数多く存在している一方、京都の三大近代化事業の一つ疏水が流れ、疏水を引き込んだ無燐庵はじめ近代庭園の数々があり、平安建都千百年記念事業では、平安神宮が建設され内国勧業博覧会の会場とされるなど京都の近代化の出発点ともなる地区です。
戦前には京都府立図書館や京都市美術館、戦後には京都会館や京都国立近代美術館も開設され、京都の文化センターとして親しまれています。京都会館は戦後復興の象徴として企画され、市民などから資金の拠出もうけて、指名コンペにより、前川國男の設計案が選ばれ1960年に完成しました。
 京都会館の建築のデザイン上の特徴は次の通りです。
第一は水平性を強調した和風のモダニズム建築
上に突出せず水平性の際だつ建築になっています。建物は柱と梁の架構を骨太に表し、大庇やテラスと手摺等により水平性を強調し、日本建築の伝統と風土に応え、庇から上部に出るホールの壁は大型タイルで覆い大寺院の屋根を思わせ、会議室棟をくぐり中庭に歩み入ると仏教伽藍にも似た大らかな感興を覚えます。また大庇のそりなども近代建築に和風のデザインを取り入れています。前川國男は西欧起源のモダニズム建築を、京都の地を得て、この国に見事になじませたのです。
第二は東山の景観と調和した軽やかな外観
東山の裾野の景観と調和する軽やかな山型の屋根をもっています。第一ホールの屋根は、舞台のある疎水側にも客席のある中庭側も傾斜し、高さやボリュームを感じさせないような軽やかな山型の屋根となっており、見上げる場所によりその様相が変わっていきます。大型タイルの色合いや質感も京都岡崎の地との調和を図った質の高いものです。
第三は開放感あふれる空間の構成
建物全体が開放感のある構成となっています。二条通から後退させて並木を植えた広いプロムナードはピロティ(吹き抜けの柱の列)を抜け、落ちついた中庭に通じ、さらにそこから第一ホールのホワイエ(ロビー)へと繋がります。南側の通りからも北側の通りが見通せます。この開放性は人々をやさしく京都会館へと迎え入れ、都市空間における自然な語らいと憩いの場を提供しています。
 この度の京都市の京都会館再整備計画はこれらデザイン上の特徴を根本から破壊するものです。改築案では第一ホール舞台上のフライタワーが水平の庇の上に四角の箱型が異様に突出する計画になっています。高さも30メートルとなり設計者がもっとも腐心した東山裾野の岡崎公園全域との調和が損なわれ、また、第一ホールは二階に入口のある計画案となっており、二条通から見通しのなかにあった第一ホールのホワイエも閉ざされ開放性が損なわれ、観客にとってもよい改築とはいえません。
 日本建築学会からは保存の要望書が提出されるなか、パブリックコメントでも示されていなかった改築案が突然出されてきたことは、多くの建築技術者のみならず、京都会館を利用してきた音楽や舞台関係者、住民からも疑義が出ています。議論が不十分であり不透明なすすめ方となっていることは否めません。京都会館はこれまで青少年の吹奏楽・合唱などの檜舞台として親しまれてきた建物でもあります。音楽や演劇、バレエなど市民の文化活動の場として親しまれてきた、市民文化の殿堂です。利用者・市民・専門家の意見をよく聞けば、このような計画案にはならないはずです。
京都市も当初検討したといわれる外観とりわけ第一ホールの屋根やホワイエの形状を継承することをしっかり前提におき、座席、音響、バリアフリーなど必要な設備の改善を行うのがもっともよい解決法だと考えられます。
 京都市民にとっても、京都の景観や文化財を守りたいと願う全国の人びとにとっても、この度の全面改築案は納得のできないものです。日本近代建築の代表作である京都会館を守り、市民に親しまれてきた文化の殿堂として後世に伝えていくための世論を広くおこしていただくよう心から訴えます。

2011年8月31日






呼びかけ人(第一次)

飯田  昭(弁護士)
五十嵐敬喜(弁護士・法政大学教授)
榎田 基明(まちづくりと交通研究室)
片方 信也(日本福祉大学教授)
兼松紘一郎(建築家・ドコモモ・ジャパン幹事長)
川下 晃正(建築家)
小林 良雄(地域建築空間研究所代表)
塩崎 賢明(神戸大学大学院(建築学専攻)教授)
針原 祥次(弁護士)
鈴木 博之(青山学院大学教授 ドコモモ・ジャパン代表)
竹内 真澄(桃山学院大学教授)
土橋  享(映画監督)
中島  晃(弁護士)
中林  浩(神戸松蔭女子学院大学教授)
野田 淳子(シンガーソングライター)
久永 雅敏(新建築家技術者集団京都支部事務局長)
広原 盛明(京都府立大学元学長)
日置 雅晴(弁護士・早稲田大学法科大学院教授)
本多 昭一(京都府立大学名誉教授・新建築家技術者集団代表幹事)
松隈  洋(京都工芸繊維大学教授)
三沢  浩(建築家・新建築家技術者集団代表幹事)
宮城 泰年(本山修験宗総本山・聖護院門跡門主)
宮本 憲一(立命館大学名誉教授・滋賀大学元学長)
室崎 益輝(関西学院大学教授)
森 まゆみ(作家)
森田 一弥(建築家)
山崎 泰孝(建築家)
山田 洋次(映画監督)

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市民大学院で「ナラ枯れ」学習会

2011年10月04日 | ナラ枯れ
友人のKさんに頼まれて
「市民大学院」の大震災復興研究会で「ナラ枯れ問題」の特別報告をしてきた。
研究会の幹事が池上淳先生で、懐かしかった。
先生は覚えてられないだろうが、
一度、京都大学のすぐ近くにあったお宅を訪ねた記憶がある。

先生は始めに「ナラ枯れ問題」と「大震災復興研究会の研究活動」という話をされた。
「大工業文明の制御」と「人間発達の必然性・必要性」という話をうかがいながら
ずっと前に読んだ「人間発達の経済学」のことを思い出した。

池上さんは、行基の話も交えながら
日本人が危機に直面しながら、何度もそれを克服し再生してきた、その根強さの根拠は、
民衆が知識を身につけ、ネットワークを作りながら
自分たちの手に支配者たちの技術やお金、能力を取り戻し、町や社会を作り変えてきたこと
そして、今
この現実に対してそれが求められていること
上からの復興でなく
民間の協力でお金も集めて対処する
その下からの自発的動きをつくることが復興のカギになる、と
「民間の力を基礎に、地域再生の経験を」京都で作りたいとも話され
ここに「ナラ枯れ」と「大震災復興研究会」の関係性があるとのことだった。

やあ、「人間発達の経済学」の頃とおんなじ
なかなか、情熱的な話だった。
あの頃と大きく変化したのはインターネットの広がり
市民が知識を身につけ、調査も研究もしながら
社会づくりや社会改革にかかわっていく「市民大学院」の意味も受け止めながら、
それは、さらに大きく広げていく可能性があるとも思っている。
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「京都会館」問題で、ローム株式会社に質問状

2011年10月01日 | 環境
9月27日に
ローム株式会社に対して、以下の質問状を
中島晃弁護士などと一緒に届けてきました。 
提出団体は、「京都・まちづくり市民会議」と  
「岡崎公園と疏水を考える会」です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・                                                         
「京都会館整備」に関する公開質問状

謹啓
貴社の日頃の文化活動についてのかかわりに敬意を表します。
さて、本年9月13日、京都市は記者会見で「京都会館整備に係るローム株式会社との命名権契約の締結及び京都会館の建築価値継承に係る検討委員会の立ち上げ」を発表しました。
岡崎公園と疏水を考える会は、本年6月15日、貴社澤村諭社長に嘆願書を送り、「『京都会館』の改修にあたっては、外観や様式、高さを変えることなく保存されるよう」にお願いをいたしました。いうまでもなく、京都会館は、京都・岡崎の風土に根ざした「日本を代表するモダニズム建築」です。京都市民が育んできた岡崎の景観と「市民の殿堂」京都会館を次世代にどう継承していくかはきわめて重要な課題です。
貴社の意向が「京都会館再整備」の方向性に大きな影響を与える旨の報道にみるように貴社は「京都会館再整備」と大きく関わっておられます。
こうした点から、私たちは貴社に対して、下記のとおり質問をいたします。ご回答下さいますようよろしくお願い申し上げます。



 貴社は、「ロームグループ行動指針」において、「私たちは、事業を通じての社会貢献とともに、社会を構成する良き企業市民としても、社会の発展充実、健全化に貢献するため、社会貢献活動や文化活動とその支援を積極的に行います」(第2章 私たちと社会との関係)とその立場を明らかにしています。
京都会館は、1960年度に日本建築学会賞を受賞し、2003年にはDOCOMOMO JAPANが日本のモダニズム建築100選に選んだ建築物であり、市民からの資金拠出や声を受けて作られたその建造過程とあわせて京都岡崎に根を下ろした会館となっています。それは、「戦後モダニズムを代表する重要建築物」と評価される、東山の景観と調和したその姿とともに、岡崎になくてはならない文化的建造物となっています。これらに敬意を払い、後世に引き継ぐことは、私たちの世代がなすべき歴史的貢献であり社会的責務だと考えます。
貴社は企業の社会的責任を強く自覚されており、それは当然、最低限の「法令順守」など狭いものではなく、企業市民としてふさわしいより積極的な社会貢献を展望されていると思います。貴社が「文化活動への積極的な支援」を明示するのは、そうした点で大きな意味を持つと評価されます。

その上で第一の質問は、貴社は報道されているように「世界的なオペラやクラシックの公演ができるようホール機能の拡充条件に(京都市と)協議」(京都新聞2月8日)されたかどうか、ということです。命名権の買い取りで50億円も支出する貴社の意向は京都会館再整備の内容に非常に大きく働くものと考えられます。京都市提案の京都会館の建て替え案は歴史的建造物の破壊にほかならないと考えますが、この点について、貴社の責任が大きく問われます。そこで、貴社からホール機能について、どのような拡充条件が京都市との協議で示されたのかを明らかにして下さい。

第二の質問は、京都会館の改修をめぐる貴社の基本的考えについてお尋ねいたします。京都会館改修については日本建築学会から保存の要望書が出されていますが、それに対してどのような対応をされたのかは不明です。一方、昨年秋までの検討の過程でも示されなかった改築案が突然出されるなど、その「改修」のあり方・内容に大きな疑義や批判が広がっています。
日本の戦後のモダニズム建築の中でも重要な作品である京都会館は、東山の景観とも調和し、すでに京都の「歴史的建造物」となりつつあります。この京都会館を、原形とどめないまでに「全面改築」することは、京都の景観と文化財の破壊というべきものです。
貴社は、このような京都会館の「全面改修」についていかがお考えですか?
京都会館のホール機能を拡充するためには、京都会館の高さや外観を大きくかえてしまうことも辞さないお考えですか?お考えをお聞かせ下さい。

第三の質問は、貴社と京都市との間で交わされた契約内容に関してお尋ねいたします。
京都市は「新京都会館について、その時々の時勢に適した、著名な歌劇、音楽、演劇、舞踏等の公演その他の催し物を実施するに相応しい機能水準、並びに評判及び名声を確保し維持するように努める」「努力義務」を50年間に渡って負わされています。その時々の時勢に適合した優れた機能や優れた評判や名声を失ったときにはローム側より契約解除ができるとされています。その点で、その時々の時勢や著名なという判断は重要となりますが、それに対する判断基準は示されていません。そこで、この点に関する判断基準を具体的にお示し下さい。
50年間にわたって、貴社の判断による優れた評判づくりを京都市に担わすことが貴社の音楽活動に対する支援、社会貢献とは思えません。貴社の意向のもとに京都会館を建て替え、管理運営するのでなく、市民の自主的芸術・音楽活動が育つ環境の形成を助けるほうがより社会貢献になるのではないでしょうか。この点についてもお考えをお聞かせ下さい。
また、契約解除に関しては、「基本計画の内容と著しく異なると認められるとき」とありますが、それはどのような場合のことでしょうか、お示し下さい。

貴社は先の「行動指針」で、「私たちは、お客様、お取引先様、株主・投資家の皆様、地域社会の皆様など関係のある方々が必要とされているロームグループの経営全般にわたる情報を適時適切に、また効果的に提供するよう努めます。 また、広く社会から情報を収集し、その意見を真摯に受けとめ、「開かれた企業」としての信頼を得るよう努力します」(2-2.情報開示と広報)と述べられています。
今回の「京都会館整備」は非常に大きな社会的問題となっており、直接的かかわりを持つ貴社が、市民の質問に答え、その考えを伝えることは「開かれた企業」としての責務と考えます。
 ご回答を、できれば文書で10月11日までいただきますよう、お願い致します。

以上
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