京都・環境ウォッチ

いま京都で起こっている環境問題、自然環境の変化などにかかわって、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

毎日新聞が紹介記事を書いた「温暖化は太陽が原因?」講演会

2008年12月18日 | 地球温暖化
13日、京大で開かれた
NPO法人花山星空ネットワーク主催の講演会に行ってきた。
毎日新聞が「地球温暖化は太陽が原因?
『自然要因説』の本質に迫る」と大きく書いたので、
京大なら客観的な話が聞けるかも、と思い参加したが・・・

しかし、「地球温暖化の太陽原因説」(松田卓也神戸大名誉教授)の話には
がっかりだった。
内容は、この間、巷で吹き荒れている
「地球温暖化という“都合のよい真実”」の類と同じ。
「要するに、真実はわからない」と言いながら
一方で、断片的な話を振りまきながら
「地球温暖化」そのものを否定したと思ったら
「温度上昇と宇宙線の強さの相関関係」を述べたり
前で聞いていた人は
「よくわからん話」と言っていたが
もう少し誠実に語るべきだろう。
「地球は温暖化していない」ということであれば
このテーマで徹底して論じるべきで
百葉箱がクーラーの室外機の傍にあるなどという話で
お茶を濁さないでほしい。
本当に「温暖化していない」なら、
逆にわざわざ、こんな“太陽黒点説”を展開する必要もなかろう。
それにしても
いずれ人類は2050年には滅びるだろう、などと
講演者は余裕たっぷりに述べていたが
こうゆうのは、全く役に立たないなと思った。
今、人類がたいへんな岐路に立たされているのは確かだが
こんな虚無主義の振りまきは本当に役に立たない。
参加していた子どもたちに申し訳ないと思った。

京都市議会で、「気候保護法」制定求める意見書可決

2008年12月16日 | 地球温暖化
本日、京都市議会で
「気候保護法」制定求める意見書が全会一致で可決されました。
名称は、「危険な気候を回避するために『気候保護法』の制定を求める意見書」
これは、「MAKEtheRULEキャンペーン実行委員会」が呼びかけているもので
遅れている日本の地球温暖化防止対策を本格的な軌道に乗せるため
地球温暖化防止を確実に大胆に進める法律と仕組みを作ろうというもの。
今回の意見書では、
「2020年には90年比30%、2050年には90年比80%の大幅削減」にむけ、
「炭素税やキャンプアンドトレイド型の排出量取引等の制度」や
「再生可能エネルギー導入のインセンティブとなるような制度の検討」を含め
本当に排出削減が進むような法律の制定を
政府に強く求めています。

日本政府は、先にポーランドで開かれたCOP14
(気候変動枠組み条約第14回締約国会議)では、
自らの中期目標(2020年目標)も明らかにせず、
世界のNGOから、交渉妨害者としての証の「化石賞」を
繰り返し受賞、残念ながら世界のひんしゅくをかっています。

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以下、京都市議会で上った意見書です。

危険な気候を回避するために『気候保護法』の制定を求める意見書

 今年2008年、京都議定書の第一約束期間が始まったが、我が国の対策は遅々として進まず、二酸化炭素を中心とする温室効果ガスの排出量は、依然として増え続けている。
 一方、気候変動による悪影響が世界各地で年々顕著になっており、このままでは、将来世代に安全・安心な地球環境を引き継げず、私たち自身の生活の安全や経済活動の基盤にも深刻な影響が及びかねない状況にある。
 このような中、今年7月に開催された洞爺湖サミットでは、2050年までに温室効果ガスを半減する必要があることが合意された。そのため先進国は、2007年のバリ合意に沿って、率先して大幅な削減を実現しなければならない。
 とりわけ日本は、今後、気候の安定化のために世界各国と協調した温暖化防止対策を実践することが重要となるのであり、温室効果ガス削減の中長期的目標を設定して、その目標を達成するための施策を包括的かつ総合的に導入・策定し、実践していく必要がある。
 その具体策として、日本が責任を持って対応するためには、まずは京都議定書の6%削減目標を守り、2020年には1990年比30%、2050年には1990年比80%といった大幅な排出削減に向けた経路を法律で定めることが必要である。
 また、排出削減の実効性を担保するための制度として、炭素税やキャップアンドトレード型の排出量取引等の制度を導入することで、炭素に価格を付け、脱温暖化の経済社会を構築するとともに、再生可能エネルギーの導入のインセンティブとなるような制度について検討すべきである。
 よって国におかれましては、上記の内容の実現を約束する法律を制定するよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

吉田山で竹の爪楊枝使用

2008年12月12日 | ナラ枯れ
この秋、吉田山のカシナガ駆除-虫の活動の妨害に
竹製の爪楊枝を試験的に使ってみた。
写真がその逆掘りの図
見ての通りだが、
竹はカシナガにとっていかにも削りにくそうに見える。
木製の爪楊枝の場合は、小さなドリルでくりぬいたように
きれいならせん状の穴が見られるのだが
これはボロボロで、繊維が邪魔したのではと推測する。


泥舟から逃げる人たち

2008年12月10日 | 日本ウォッチ
自民党の泥舟から逃げる人たちで
政界はごった返している。
毎日新聞は、
「自民議員一斉に動く」「反執行部議連メンバー倍増」と
これまで尻込みしていた議員たちが支持率急落を受けて
反執行部議連の会合に馳せ参じている様子を書いている。
動きは、NHKの「篤姫」と重なってなかなか興味深いが
江戸城の無血開城レベルであれば、まだ良いのだろう。
しかし、逃げた鼠が新たな装いだけ凝らして、
民主党政権にちゃっかり間借り、というのだけは止めてほしい。

江戸から明治に、
徳川は破れ、政治権力と莫大な財産も失った。
そして、政治の表舞台からは完全に姿を消した。
今回の泥舟からの逃走
単に、自民党の消失
しかし、同じメンバーが、ガラガラ・ポンされ、
結局、別の名前で出ています、で終ってほしくない。

自民党から脱出しようとする人たちは
自らの議席確保のためではなく
本当に国民のために政治をしようというなら
自民党政治をどう否定するのか、ここをはっきりさせていただきたい。
今、国民が苦しむ「政治の原因」は何か!
本当にそこをどう変えるのか!

目先を変えれば、引き続き議席は確保できるなどという甘い算段を
そう何度も、有権者は許さないだろう。

「温暖化?」を食い物にする?

2008年12月03日 | 地球温暖化
別冊宝島の1507号が
「『温暖化』を食いものにする人々」(08年3月7日発行)という特集を組んだ。
「環境大国・日本が食いものにされる!」
「CO2を減らせば、温暖化は本当に止まるのか?」
「温暖化も、CO2責任説も仮説にすぎない」と仰々しい。

「あとがきにかえて」では、
「そもそも、地球が温暖化していることも、温暖化がCO2などの温室効果ガスによって起こっているとすることも仮説であると同じように、温暖化してないと考えることも、温暖化の原因は太陽であると考えることも仮説なのだ」と珍論を並べている。
珍論などと書いて申し訳ないが、
「地球が温暖化していることも」「温暖化してないと考えることも」
仮説なのだということは、
私は全く意味のないことを言っています、ということと同じではないか。
それでいて、「CO2削減騒動の終着点は原子力発電」「世界を見渡すかぎり、そのエネルギーは原子力発電しかない」と
ここだけは、はっきりしている。

宝島の立場をはっきりしてほしいと思う。
「地球は温暖化している」のか、「温暖化してないと考える」のか
宝島としては「わかりません」なのか。
「温暖化」問題に関して見ると
紙面では、「温暖化している」というデータが圧倒的だ。
6p<IPCC第3次、第4次報告の要約により作成>の2100年までの世界地上気温の上昇予測のグラフ
これはよく見るグラフで、もちろん上昇。その後のシナリオ予測が4パターンで記されている。
12p<出典:NASA-NASAゴダード宇宙研究所が集計した地球の気温の推移>のグラフ
「1950年~1960年の平均気温を0として、気温の変化をグラフ化したもの。このグラフにより、1970年から2000年までに0.5度C上昇したと考えられている」
17p<出典:R.AKeer,サイエンス,307(2005)828-829年輪を用いた過去の1000年間の気温の変化>
「ここでは、複数の研究グループによる過去1000年間の気温の変化を示している。1900年以前は気温の変化が激しく、温暖化と寒冷化を繰り返しており、各グループの結果にもばらつきがあるが、20世紀後半には一様に気温は上昇傾向にある。この結果を見る限りは地球は温暖化しているように見受けられる」
24p<太陽黒点の数と気温の関係><太陽黒点の数と海面水温の関係>
これを「温暖化」論との関係で見ると、明らかに「北半球の平均気温の変化」は1860年から2000年にかけて上昇(図4)、図5でもそれは明白。
宝島で、温暖化への疑念として出されているグラフは、
唯一、15pの<アメリカの田舎の気温の推移-テキサス州ダブリンとアーカンソー州サビアコの1886年から2003年(サビアコは1897年からの比較)>のみ
これを見ると、「宝島」に掲載された資料からは
「地球は温暖化している」。





地球温暖化“懐疑”論

2008年12月02日 | 地球温暖化
地球温暖化懐疑論、「大規模な裏付け研究なし」

本日の毎日新聞が、「質問-なるほドリ」でこの問題を扱っている。
「CO2原因説など否定(の“懐疑論”には)、大規模な裏付け研究なし」と。
環境問題のウソを訴える書籍が、50万部も出版されたそうだが、
温暖化問題に関して言えば、地球温暖化についての危機感の裏返しだろう。
書籍の大量出版と同時に、
大学の講義で
この「地球温暖化の原因は、太陽活動の影響」などの話がされているのは
全くいただけない。
この「論」にあちこちで出会うが
田母神発言の主人公と似通った感情の吐露を見る。

上記の“懐疑論”
太陽の黒点数の推移との関連がよく言われるが、
比較して見ると
“懐疑論”が言うようには、ずっときちんとは対応していないことが解る。
特に80年代以降はそうだ。
なるほドリは、
「気候には未解明な部分がたくさんあります。その中から、一番確からしいことを選び、将来考えられる被害対策に各国が合意し、取り組むことが必要」と、
この間の世界の取り組みの基本を書いている。
気候の運動は100%解明されている、などと言うことでは全くない。
そこにつけこんで、温暖化対策を先延ばし、または回避しようと動く企業などがあれば
それは、いくら“懐疑論”が流されている中でも
国民の強い非難を受けることは、免れないだろう。

11月29日、紅葉がピーク(少し過ぎ)の嵐山・常寂光寺で
地球温暖化防止へ、仕組みとルールをつくろうと
「気候保護法」制定を求める署名運動を行ったが
反響は非常に大きかった。
「法律の内容は?」と質問されてこられる方もいて
たくさんの署名が集まった。
これは、さらに広がり大きな流れになるだろうと、肌で感じた。