京都・環境ウォッチ

いま京都で起こっている環境問題、自然環境の変化などにかかわって、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

「CO2削減へ、京の挑戦か?」-ごみ有料化

2006年09月29日 | ゴミ問題

「朝日新聞(9月29日夕刊-関西地区?)」に
「ごみ有料化 京の挑戦ーCO2削減は、来月から」という記事が掲載されている。
ここで言われているように、ごみの有料化が
はたして、地球温暖化防止への”挑戦”になるのか、考えてみたい。

記事では、
京都市が地球温暖化対策条例を制定・施行させたことを紹介しながら
「市内の温室効果ガス排出量を2010年までに、90年の800万トンから一割削減する
数値目標を決めた。その柱がごみ回収の有料化だ」
と書かれている。

ところが、まずこれが非常に不正確な記述となっている。
いかにも、「ごみ回収の有料化」が二酸化炭素などの削減に繋がる
「柱」であるかのような書き方だ。
京都市の計画では、一部門の施策であり
到底、こんな書き方で記されるような位置付けにはなっていない。

先程、市の「地球温暖化対策課」や「循環企画課」にも電話したが
「うちではそのコメントはしていません。他の課ではないですか?」とのこと
「ご存知の通り、それは、全体の施策の一つです」との答えだった。

そもそも、京都市は、「ゴミ有料化は地球温暖化防止が大目的」と市民説明会でも
繰り返し述べてきた。
ところが、京都市のゴミの削減計画を見ると、
最近までのゴミの減量状況に対して、逆にゴミ有料化後、
ゴミ減量化は、大幅にダウンする計画となっている。
  
  平成12年の京都市のごみ総受入量 818274t
    16年            704446t 
    22年の目標         642000t   


ゴミと地球温暖化対策とのかかわりでは、
少々ややこしい話だが
京都議定書で示された「一般廃棄物の焼却に伴う排出(6.C)CO2」の算定方法は、「一般廃棄物に含まれるプラスチック類の焼却に伴い排出される二酸化炭素の量」を対象に、
「一般廃棄物に含まれるプラスチック類の焼却量(乾燥ベース)に排出係数を乗じて」算定することになっている。

つまり「一般廃棄物」部門については、プラスチックゴミの増減が
”地球温暖化防止”についての”貢献”を評価される仕組みとなっている。
大雑把な話、プラスチックが京都で「分別回収」され、
大阪に持っていかれて”処理”されれば
京都市の”削減”には貢献する仕組みだ。
たとえそれが、多くは焼却されたとしても、
リサイクルされたものが、やがて劣化し、
そして、その後、焼却処分されても
京都の削減目標達成には”貢献”することになっている。

ここには、根本的に、現状での「分別・リサイクル」と”地球温暖化防止への貢献”の
かなりシビアな問題が横たわっている。
「これは”地球にやさしい”」と思って分別作業をしていても
途中、それを運ぶトラックの燃料が余計にかかるなら
逆に、地球温暖化に貢献する結果となってしまう。
「分別・リサイクルの過程」については、徹底した透明化が必要だ。

ゴミ問題は、結局、ゴミを作らない方向で企業に圧力がかかり
その方向が促進されるかどうかにかかっている。

「企業が自らが作った製品について、その包装容器の処理全てに責任を持つ(引き取りもリサイクルも)。費用はもちろん、その全工程を企業が責任を持って行う」

こうした内容が、制度化されることが決定的に重要だ。

自治体の施策も、それに繋がるかいなか、それが問われる。

残念ながら、京都市の施策は、それが確立していない。
市民に痛み(有料化)を与えれば、家庭ゴミの袋の中身が減る。
この”基本方向”では、袋代の値上げという、痛み増大の方向しか出てこない。
包装容器が、引き続き同じように生産され、消費され続けるのであれば
地球温暖化防止には貢献できない。

私たちが、前に進む方向で出来ることというなら
とりあえず
ビン・缶・ペットボトルは、”分別回収”になるべく出さず
それらを、買ったお店に全て持って行く、これを大規模に行ったらどうか。
街角の自動販売機横の回収箱に返すこと
もう少し根本的には、
デポジット(容器の換金の仕組み)が出来る仕組みを導入するよう
飲料メイカーに求めていく、ゴミ処理を市民と行政だけの問題にせず
企業に責任を取らせていく、こうした方向に転換していくことが大切では、と思う。
コメント (4)
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鴨川夕景 Ⅱ そう、「元気でない都市がいい」

2006年09月29日 | 京都
大野裕之さん(「劇団とっても便利」代表)が、京都新聞(9/28)朝刊で
 書いてられました。
 
 「かって『元気都市・京都』というスローガンがありましたが、お年よりが
 精力絶倫を喧伝するようで、嫌でした。京都は『元気じゃない都市』だからいい。」
 
 ほんとにそうですね。少し前に、九州の超有名になった観光町を久しぶりに
 訪ねた時、そう思いました。
   
   「ああ、こうゆう所に来ることも、考えものだなー」

 超有名になり、沢山の人が集まり、東京・大阪資本などが進出しすぎて
 町の魅力が失われていく。人が集まりすぎる事の異常、そのストレスという事を
 考えます。
 
 京都も「観光客5000万人」の実現など
 元気なスローガンが飛び交っていますが、
 ”観光客を少なくしていく町、京都”への町づくりが、
 もう、必要になってきていると思います。
 
 その、超有名になっている九州の町と比べて、帰ってきて
 京都は”楽しい”な、と感じました。

 最近、こんな景色が京都らしいなあ、と感じるようになりました。 
 鴨川を走ると、みなけっこう自由に楽しんでいます。
 クラリネットを吹いたり、ギターを鳴らしたり、
 さすが”京都的”と思うのは、邦楽器の練習をしている人にも時々であうこと
 日々、楽しくて、ほっとする身近に感じられる時間や空間を作ること
 これが、やはり”癒し”の極意かもしれませんね。
 
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京都市の家庭ゴミ有料化 直前最新情報

2006年09月28日 | ゴミ問題
10月1日以降、京都市で出される家庭ゴミの
指定「外」袋(これまでの普通のクロや青の袋)の回収方針が、大きく揺れている。

最初は「指定するごみ袋以外でごみを出された場合には回収しません」と
かなり高圧的に言ってきたが
その後は、「指定袋」以外の袋は「次の回収日」
(週のはじめの回収が月曜日であれば次の木曜日)に
一緒に回収することになっていた。

ところが最近、これではアカン!と方針が変わりつつある。
聞いてみると、下京区に続いて伏見区でも左京区でも
「翌日に回収する」方針に変化している。

考えてみれば、
「次の回収日」での回収方針ではとにかく放置が長すぎて必ず不満の声がでる。
そして、後半の回収日には、「指定袋」も、当日出した「指定外袋」も
一緒に持っていくことになり、
結局は、週の後半の回収日は、どんな袋でもOKとなってしまう。
これはまずいということだろうか。
また、金曜日の回収は、残すと土日を挟むので
「どんな袋でも、金曜日に回収する」とも一部では言われている。


ある京都市関係の事務所では、
青い袋も、「指定袋」も、少々遅れても結局は回収されるという事になると
”不公平感”が増すので
みな「青い袋」(現在使っている指定袋ではない一般の袋)でいかないと
仕方がないかも
との声さえ出てきている。
こうなれば、事実上のゴミ袋有料化の撤回だ。

いま、「指定ゴミ袋」そのものが、
京都市が事前に”ここに売ってます”と言ったコンビになどには無い。
無料の指定袋の事前配布がうまくいっていないことと合わせて
「指定しておきながら近くに袋がない。どうせえっちゅーの」という声が
噴出するのも当然だ。

この混乱の責任の全ては、京都市長と
市長提案に簡単に賛成した、市会与党の自民党・公明党・民主党にある。

繰り返しになるが、今からでも遅くはない。
この破綻した家庭ゴミ有料化施策は中止して
「混乱させて、えらいすまんことです。青い袋でも黒い袋でも結構ですから
ぜひ、皆さん、ゴミ減らして出してください」ということにすれば
まだ傷は浅い。

  
 
  
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納得できますか?京都市の「家庭ゴミ有料化」

2006年09月27日 | ゴミ問題
長文です。関心ある方、ぜひどうぞ。「ねっとわーく京都」10月号から転載しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これで納得できますか?京都市の家庭ゴミ有料化“説明会”

えっ!これ「説明会」って言うの?-3分の2以上は、相手一人の“説明会”
京都市の家庭ゴミ有料化(家庭ゴミ収集における有料指定袋制)は、3月の市議会で自民党、公明党、民主・都みらい、無所属議員の多数で可決(関係する条例改正)されたが、13項目の「付帯決議」が付く超異例のものとなった。「212回の意見交換会など初めて」とのことだが、市民からの疑問や否定的意見が続出し、与党議員にも少なくない影響を与えている。
与党があげた「付帯決議」にも、この状況が滲み出ている。その第1には、「実施に向けては、有料化の趣旨や制度の内容などについて、町内会などを通じて懇切丁寧な説明をし、市民の理解と支援をえるための説明責任をはたすこと」と懇切丁寧な“要請”が記された。そして最終項目にも改めて、「今後とも市民との対話を行う体制を確立すること」と駄目まで押されている。今、その懇切丁寧な説明の「中身」と、「やり方」が問われている。桝本京都市長は、こうした議員の不満や苛立ちを受けてのことと思うが、与党議員の質問に答え「町内会単位をはじめ、2000回を超える話し合いの場を持ち、ご理解と納得をいただけるよう誠心誠意、努力したい」(予算特別委員会の総括質疑)と答弁した。「2000回の市民説明会」、これは大歓迎であるが、問題は「中身」と「やり方」である。
日本共産党市会議員団が、出し渋る当局から提出させた、「市民説明会」の実態を表す資料-「有料指定袋制周知状況」(平成18年8月10日現在)がある。ここには、有料化決定後のゴミ有料化“周知徹底”市民説明会の実態が書かれている。何時どの行政区で何人参加の説明会があったか、日計の形で記されているが、それは「説明会」というには、余りにも異様なものだ。リストの三分の二以上、何と1091回中740回が、参加者一人の“説明会”である。“二人説明会”を含めると、全“実施回数”の7割以上となる。
“一人説明会”の実態は、実は京都市の職員が自治連などの関係団体トップを訪問し、「10月から家庭ゴミが有料化されますが、ご協力、よろしくお願いしますわ。説明会に来いという事でしたら、どこでも伺いますのでぜひ設定して下さい」などと話しをしてきたものをカウントしたものだ。訪問は否定すべきではないが、これを“説明会”に入れてカウントするなど、「説明会」の意味・大切さが本当にわかっているのか、全く開いた口が塞がらないとはこの事だ。求められたのは、市民全体を視野に入れた規模で「説明責任をはたす」、そのことであって、数合わせなど市民誰一人として望んでいない。ゴミ問題を本当に京都市民の話題にして、「ゴミ有料化」について意見の違いはあっても、京都市が率先して市民に説明する場を作る、これが求められていたのに、道理の通らぬ“一人説明会”で数を稼ぐことに汲々とする。以前の「ネットワーク京都」で、「京都市の“討論の文化”の欠如」を述べたが、内容以前に、京都市は市民に広く知らせその意見を聞く気があるのか。京都市関係者、とりわけ幹部の視線が上ばかり向いていて、市民には注がれていないことを、この740回の“市民説明会”が如実に物語っている。職員の“続出する不祥事”も、根絶できない土台には、この「市民軽視」-単純な指向性と共通のものがあるのではないか。

まともに行われた「説明会」でも批判的な意見が続出した。そして、このやり取りの中で、京都市が説明するように「ゴミの有料化で本当にゴミが減る」のか、ゴミ問題がその土台で抱えているゴミ質の転換に向けて進んで行くものなのか、その実態が明らかになってきている。以下、京都市の説明に関って、市が主張している「ゴミ減量化」の“根拠”の無さを、市が示す資料などを紹介しながら明らかにしたい。

「ゴミの有料化」-京都市の説明の「根拠」は?
京都市はゴミ有料化の理由の第一に、「地球温暖化防止」をあげ、これが「大目的」と述べている。
そして、「大量消費・大量廃棄の社会経済システムを変えていくことが大事。その一つとして『ゴミ』がある」と述べ、「ゴミ有料化でゴミは減る」、「これはすでに、半分の都市で実施され、実施したところで、多いところでは30%、少ないところでも10%、平均して20%はゴミが減っています」と断言する。
 はたして、本当にそうか? 
会場で市の担当者に、「京都市が数字の根拠にしている自治体はどこか?」と質問してみたが、答えてもらえなかった。京都市役所に伺ったが、やはり具体的な自治体名は教えてもらえなかった。かわりに担当者が、「平成16年度の環境省の中央環境審議会の報告でも自治体の事例が出ています」し、「東洋大の山谷先生がいろいろ出しています」、「2006年の雑誌『月間廃棄物』の各号に、自治体での具体例がいろいろ出ています」と、その“根拠”になる文献を教えてくれた。

 「中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会(第22回)議事録」
この報告については、まず環境省へ電話してみた。
「ゴミ有料化を議論した平成16年度の中央環境審議会の部会報告があると聞いたが、どの部会報告ですか?」。最初、女性が電話に出たが具体的にはわからず、次に男の人が代わって出てきたが、結局どの報告かは教えてもらえなかった。仕方がないので、一つづつ当たってみた。
調べてみると、平成16年9月29日の「中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会(第22回)議事録」というのが見つかった。そこに「循環型社会の形成に向けた市町村の一般廃棄物処理の在り方について-東洋大学山谷修作教授からのヒアリング」というものがあった。山谷氏が行ったゴミ有料化に関する自治体アンケート調査の結果やその内容・評価が書かれていた。山谷修作教授という人は、これからもたけ続けに登場する、いわばゴミ有料化推進のブレーンと目される人である。詳細をご覧になりたい方はインターネットで検索すれば読むことができるので、そちらでお願いしたいが、そこで、「有料化によるゴミ量の変化」について語っている箇所がある。
「(山谷)有料化によるゴミの量の変化について聞きましたところ、有料化を実施して、その初年度は・・・かなり減っているというお答えが多いんですけれども、・・・その後の経過を見ますと必ずしも減量効果が持続していない自治体が結構ある。オレンジ(色のグラフ)の方、増えている方にシフトしているという一般的な傾向があります」とのことだった。

 雑誌「月間廃棄物」
推薦されたこの雑誌にも当たってみた。今年の各号では、有料化した限られた自治体の報告(日野、清瀬、昭島、東村山、高山、佐世保、八王子市、十勝地方の自治体など)が行われていた。これは、ゴミ有料化の宣伝に近い内容だが、それでもなかなかゴミが減らない実態が垣間見られる。
05年10月号に「短期連載『最新・家庭ごみ有料化事情』-第二回全国都市家庭ごみ有料化アンケート調査から-」という論文が掲載されており、ここで「有料化の効果」が語られている。これも山谷修作教授が執筆している。
 有料化実施前の年度と実施初年度、及び2003年度(直近年度)を134市に絞って分析、その結果、「有料化初年度についてはゴミの減量効果は大」「しかし、その後の直近年度では減量効果は低減し、有料化前年度比で5%以上ごみが減量している市は全体の43%にとどまり、10%以上の減量となると23%に減少、逆に5%以上ゴミが増えた市が全体の24%に増加している。有料化によるゴミの減量効果は、市民の慣れによるシグナル効果の希薄化、事業系ごみの増加傾向など様々な要因により、経年で次第に弱まる傾向があることが、第一回調査についで、今回の調査でも確認された」。
とても、“平均20%減る”どころの話ではない、毎年を取ってみると、ゴミ減量は次第に弱まる傾向で、これは第一回調査でも同様、と指摘している。

 平成14年度環境省請負業務報告書-ごみ処理の有料化に係る調査(平成15年3月全国都市清掃会議)
こうした調査も、同様の傾向である。
「家庭系一般ごみの有料化はごみの減量化に有効・・・特に総排出量が高い場合、減量効果が顕著。個々の自治体を見ると減量効果を上げていないケースも見られるが、・・ごみの有料化がごみの減量化に有効な方法。・・他方、有料化しないでごみの排出量を減少させている自治体もある」。であれば、有料化しなくても減らす方法を取ったらいいのではないか。報告書の性格上、“有効”と言わなくてはならないが、そればかりでは余りにも科学的ではないので、いくつかの逃げをうっている。この報告書も、資料を見ると、家庭系一般ごみの処理有料化で生じた問題(複数回答)では、「減量効果が見られない」が13%、「『一時的に減量したがもとに戻りつつある』が49%で約半数」など、実態が垣間見られる。  
市民運動などと関りない他の研究者の調査報告でも、ゴミ有料化導入後のゴミ排出量の推移について、「ゴミ有料化導入後の排出量の推移は4つのパターン(減量成功パターン、リバウンドパターン、変化なしパターン、増加パターン)に分類されることがわかった。これらの中では、リバウンドパターンに該当する市町村が多く見られ、有料化導入によるごみの減量効果が長時間持続できないケースが多かった」(京都教育大学環境教育研究年報第14号 1-10 2006石川誠)と指摘している。どこから見ても、京都市がいうように「ゴミ有料化を実施したところで、多いところでは30%、少ないところでも10%、平均して20%はゴミが減っている」事態ではない。京都市は市民を馬鹿にしたような説明を止め、ゴミ有料化を行ったところでは、「ゴミが減っている所もあるが、もう一つ変わらん所もあるし、増えてしまった所もある。どうも直近年度を見ると“減量効果”が持続しにくいようですわ」とちゃんと語るべきである。「説明責任」の土台は、まず事実を明らかにすること、これはイロハのイの話ではないか。

ゴミ有料化は、ゴミを根本的に減量させていくこと、ゴミの質を変えていくことに役立たない手法
 ゴミ有料化に批判的論陣を張る田口正己氏も、「ごみ問題百科Ⅱ-資料6」で自らが実施した全国自治体調査を紹介しつつ(導入2年前と比較)、この「有料化によるゴミ減量論」の本質的問題点を指摘している。
氏が行った全国調査結果の特徴については、①導入初年度の排出量は、筑紫市以外いずれも減ってい
る、②導入初年度に減量率を記録した市も、伊達市意外は排出量が増加に転じている。三年目以降のゴミ戻り現象には加速が加わり、千葉市や善通寺市は三年目には導入前の排出量に完全に戻っている、③(先進例として紹介される)高山市や出雲市も増加に転ずるのみならず、数年後には導入前以上の排出量に戻っている・・・(④、⑤は略)など同様の傾向だ。
そして、「有料化」の政策争点として、これが「リサイクル減量化」を促すのか、一過性の減量化にとどまるのか、恒久的かつ安定的な減量化につながるのか」「減量化効果や不公平感の確保を全面に掲げながら、その実、照準は『財源確保策』を期待しているのではないか」「『有料化』の究極の争点は、これに切り替えることによって市町村が直面するゴミ問題が解決するのか、それも一過的解決ではなく、根源的に、長期的に解決したと確認できる状況を醸成できるのかである。・・・『有料化』に解決処方のすべてを期待する風潮や世論操作が見られる。それだけに『有料化』がゴミ問題の何を解決するのか、ゴミ問題の真の解決を先送りすることにならないか、多面的なゴミ問題を『量の問題』に矮小化する危険はないか、関心を『量の問題』に縛り付けることの危険、環境問題や財政問題を等閑視し、解決が急がれるこれらの問題の背後にある『質の問題』の解決を先送りすることにならないか」と指摘しているが、この指摘は重要である。
                      
そもそもの大矛盾-京都市のゴミ減量計画では、有料化後、ゴミ減量テンポが大幅ダウン
これは、説明会でも指摘された方がおられたが、京都市は事前説明会でも、この数年、京都市のゴミ
が減ってきていることは説明しなかった。説明のグラフにはあったが、気がついた人は少なかったのではないか。「この間、京都市のゴミは減ってきているのだから、有料化など言う前に、減った教訓を明らかにし、さらに減らしていく方向性を明らかにするというのが普通の考え方ではないのか」と質問しても、返事はなかった。
京都市のゴミ(京都市内のゴミ総受入量)は、何とこの5年間で15.6%も減っている。(2000年と2005年速報値との比較-2000年818274トン:2005年速報値 690477トン-5年間で127797トンの減量) 毎年2万5559トンも減らしているのが実態だ。それをさらに大幅に減らすために「ゴミ有料化」するというなら、まだ話の筋は通るが、有料化後、「ゴミ減量化」は大幅ダウンし、有料化前の4割以下になる。(2005年速報値690477トン:2010年目標642000トン-5年間で48477トンの減量、毎年9695トン)。これでは「ゴミ有料化でゴミ減量」などといっても、通る話ではない。結局、つじつまさえ合わない、有料化の“口実”に使っているだけではないか。
ゴミは、量を減らすとともに、いま質を転換させていくことが切実に求められている。プラスチックなどの容器や包装を、それを生産する企業の責任で一貫処理する方向に転換していかなくては、市民の、「ものを大切に」とか「リサイクルの努力」は報われない。いづれにしても、市民の理解や協力を得られないゴミ有料化は成功の保障がない。そして、京都市が市民に、他自治体のゴミ有料化の効果や実態について、きちんと説明してこなかったこと、実施すればいかにもゴミが減るかのように言い繕ってきた対応は、根本から間違っている。私が以前傍聴した審議会で市民公募委員の方が、「有料化でゴミは減るのですか」と端的な質問をされていたが、それに京都市は「減ります」と、やはり“きっぱり”と答えていた。これは、ゴミを減らし環境を良くするためには有料化もやむをえないので・・・という市民の思いを二重に踏みにじるものになっている。あくまで、説明はきちんとすべきなのだ。「ゴミ有料化で、ゴミが減っている所もあるが、変化していない所も、そして増えている所もあります。どうも減量効果は持続しにくいですわ」と。市民を信頼せず、誤った説明をし続けてきた京都市の家庭ゴミ有料化、この施策はどこからみても凍結・中止以外ない。
 06819              榊原義道(地球温暖化防止京都ネットワーク代表委員)
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京都市”家庭ゴミ有料化”直前情報

2006年09月27日 | ゴミ問題
あまり書きたくはないが
「覚せい剤取締法違反」「銃刀法違反」「生活保護費の詐取」などなど
京都市役所ではこの間、市職員の不祥事が続出し
市幹部の甘い対応に市民の怒りが集中していた。
そのさなかの”「事前無料配布指定ゴミ袋」配布”
これが、火に油を注いでいる。

 「うちには、なぜ配布されないのか?
 まち美化事務所に電話したら、運送会社に電話してくれと言う。
 そこにかけても、らちが開かない。
 西濃運輸の本社に電話すると言ったら、”電話番号は教えられない”
 京都市の環境局に掛けたら、『すぐに届けます』というが
 翌日になっても届かない。京都市の”いつでもコール”に電話しても
 対応は丁寧だがらちが開かん。京都市長への手紙にも電話したが
 結局、振り出しの環境局に戻された」

「指定するゴミ袋以外でゴミを出された場合には収集しません!」などと
きついことを言っておきながら、それなら、”やること、やれっ!”
これが、抗議する市民の共通の怒りだ。

行政区のまち美化事務所に電話をしてみた。
二つの事務所以外は話し中で全く通じない
やっと繋がった事務所で
「青い袋(指定袋以外)で出されたゴミはどうするのか?」と聞くと
ある事務所は「警告のシールを貼って、次の回収日に持っていきます」
別の事務所では「シールを貼って、次の日(翌日)に回収します」と
対応もバラバラ

では、その翌日に指定袋以外の袋が出ていたらどうするのか?
また回収する?
これでは、”毎日回収日”になるだけではないのか(ほんとに、できるの?)

そもそも、ゴミの減量化・ゴミ質の変化を実現し
大量生産・廃棄の仕組みを変えていこうと思ったら
市民の協力を得るのは最低限の目標なのに
京都市は、もうここで大失敗している。

こうなった以上、”家庭ゴミ有料化”は
一度撤回し
振り出しにもどす以外にはないと思う。
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京都市の家庭ゴミ有料化”騒動”-その続報

2006年09月25日 | ゴミ問題
 昨日「京都まつり」で、「京都のゴミを考えるミニカフェ」をしました。
そこで当然話題になったのが「家庭ゴミの有料化」
左京区の吉田に住むYさんが、Y家での”ゴミ有料化騒動”を
話してくれました。
 
先々週、Y家にS運輸からの配達が・・・。
しかし、「ポストに入らないので役所に連絡してくれ」とのこと。

何日かしてまた伝言がポストに
今度は
「ポストに入らないので、”役所まで取りに来てくれ”」

おばーちゃんが怒って早速市役所に電話したが、その日は全くつながらない状態
翌朝電話してやっとつながった。
ところが、電話の向こうが、わーわー、わーわーとうるさい
よく聞いてみると、他にも同様の電話が沢山掛かっていて
職員が電話の対応に”てんてこ舞”状態だったそうです。

  今朝、保育園に子どもを送ってきた若いお母さんが三人で立ち話していました。
  ゴミ袋が有料化になるって知ってる?一枚45円だって
  えっ?45円? それって高すぎるーー?

 「私はこの有料化は認めません!10月1日以降も、青いゴミ袋で出しつづけます!」
 最近、こんな声も耳にします。

京都市は表向きは「違うゴミ袋で出したゴミは取っていきません」
と言っていますが、
実際は「次の収集の時に一緒に持っていきます」とのことでした。

ところが先日
その日に違うゴミ袋で出されているものにはシールを張り、翌日に持っていく
という話まで耳にしました。

この真偽については、一度しっかり確かめて、続報しますが、
もし、こんなことになれば、エンドレスゴミ収集の町京都になりませんか? ね。
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京都市環境局には、電話が通じないのだ!

2006年09月22日 | ゴミ問題


    京都市環境局 ”家庭ゴミ有料化”実施直前、大騒動?

  京都市では、この10月1日から「家庭ゴミの有料化」が始まります。

  これについては、
  えっ?えっ?えっ?と、
  驚くようなことが、たくさん起こっていますが、
  その詳細は、後日まとまって報告するとして、

  これに関連してびっくりしたことが起こっています。
  
  今日、別の用事で「京都市環境局のまち美化」の係りに電話しました。
  ところが、驚いたことに全く電話が通じません。

  受付の人は、
  「家庭ゴミの有料化の件で、沢山電話がかかっていまして、
  通じませんので・・・すいませんが・・」との事

  この課は、10月1日からの「家庭ゴミ有料化」の苦情を
  全て引き受けているところです。
   
  ここに、今電話が通じないほど、市民の声が殺到!
  
  いったい、どんな「市民の声」が・・・・・・?

  それは、また続編で、お知らせします。

  
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鴨川夕景

2006年09月21日 | 京都
日々癒されるポイント探しが癒しのコツ

 旅行に行った時、この前とは違うと
 がっかりした気持ちになる時が
 ありませんか?

 人が集まりすぎるところは、
 いくら名が知れていても、だめですね。

 自転車からウォッチした鴨川です。
 毎日の普通の暮らしの中で、
 これは自分の時間
 と
 たっぷりと感じられる時間を
 生み出すことが、
 癒しのコツと思っています。

 これからの鴨川
 夕暮れ時の風と空気は、
 深い色と静けさを味合わせてくれます。
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井上哲士参議院議員、爪楊枝で”ナラ枯れ駆除”

2006年09月20日 | ナラ枯れ
ナラ枯れ問題では、2004年に、問題化していた京都府美山町(旧)の
京都大学芦生演習林周辺でのナラ枯れ調査も実施、
「ミズナラなどのナラ枯れ被害に関する質問主意書」(2004、11,11)も出している
共産党の井上哲士参議院議員が、

9月18日、東山のナラ枯れ被害地で私たちが行っている
”爪楊枝でナラ枯れ駆除”活動に参加してくれました。

 当日は、心配した台風もそれ、午前中、現地を見てもらうとともに、
爪楊枝を使っての実際の駆除活動も経験してもらいました。


 なお、井上哲士さんの質問主意書は以下で見られます

  www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/161/syuh/s161005.htm


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北山でのナラ枯れウォッチング

2006年09月18日 | ナラ枯れ
10月1日 ナラ枯れ観察会に行きます。車で分乗して行きます.


 10月1日、朽木にナラ枯れウォッチングに行きます。久しぶりの北山での観察会です。

 写真は、この夏に、東山の将軍塚で観察中に偶然見つけた、ナラ枯れの
原因となってい るナラ菌を運ぶ、カシノナガキクイムシが、
爪楊枝を刺した穴の横から ”バイパス?”を掘りかけている絵です。

 カシノナガキクイムシは、中から掘ってくるだけでなく、外からも、
別の個体が掘り出すようです。
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9月3日、爪楊枝でナラ枯れ駆除活動

2006年09月17日 | ナラ枯れ
爪楊枝で、ナラ枯れ駆除 

9月3日、爪楊枝で、ナラ枯れの原因となっている
”カシノナガキクイムシ”の駆除活動を行ってきました。

 ”ナラ枯れ”って、ご存知ですか?
今、日本の山々では、ドングリのなる木が、この病気でどんどん死んでいっています。
ちょうどこの時期、あちこちの山でまっ茶色に変色したブナ科の樹木があったら、幹に1ミリ程の穴が開いていないか、そこから沢山の細かい木屑が出ていないか、観察してみてください。そんな状況になっていれば要注意です。

京都では、1990年代の初めから、山々でミズナラやコナラなどが死に始め、
普通は5.6年で収まるのにそうはならず、
どんどん枯死が広がっています。
京都の北山では、ミズナラなどに大きな被害が出ていますが、
3年程前、東山にもその虫が入りました。一昨年、その被害が明らかになり、
私たちの会、「北山の自然と文化をまもる会」は、その駆除活動を呼びかけました。
”爪楊枝で駆除”というのは、わが会のSさんが提案、幹事会で「面白そう、ぜひやろう」と決めて
昨年2月からのべ9回行ってきました。
ちょうど虫の住まいとなる穴と爪楊枝の太さが同じで、カナヅチで打ち込むだけの作業ですが、
いつも20人近くのメンバーが参加してやっています。
これが結構楽しく、そして効果が出ています。この辺りは、またお知らせします。


*この記事は、bloggerの<Sunday, September 10, 2006 東山のナラ枯れー爪楊枝で 駆除> を移動したものです
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京都・環境ウォッチをはじめました。

2006年09月17日 | 京都
京都・環境ウォッチを始めます。

はじめまして
京都の北山の自然と文化をまもる会の代表幹事をしています。
京都・環境ウォッチと題して、
私たちがかかわる京都の環境問題にかかわる取り組みなどを
気軽に、時にはじっくりとお伝えします。
そんなに肩に力を入れないで、お届けしますので、
関心のある方、お付き合いください。

*実は、bloggerで<Thursday, August 31, 2006 京都・環境ウォッチを始めます>と始めたのですが、こちらに移しますので、よろしくお願い致します。



コメント (1)
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