(早朝の部からの続き)
13時50分、何だかんだで丸一日を過ごした札幌を発つ。
まずは、札幌河川事務所(南区)へ向かい土木遺産カード『茨戸川の岡﨑式単床ブロック護岸』をゲット。
茨戸川は札幌の北部にあるのに、配布場所が南区というのは…。
石狩市図書館で配布するのがベストだと思う。
同じことは石狩川捷水路にもいえよう。
返す足で藻岩山の袂、札幌市水道記念館へ。
カードはすでに絶滅しているが、どうやら選奨プレートが現地にあるらしい。
ドギツイ坂を上って(登って)いくと、警備員が走ってきた。
両手を広げて前に立ちふさがり「どちら様ですか」を連呼する。
「写真を撮りに来たのですが」と答えると「休館日なので立入禁止です」と。
写真を撮ることも認められないのかと質問したが、一切不可との返答。
さらに問答を繰り返したが、拉致が明かないので渋々身を引くこととした。
どうにも納得がいかない。
休館日に開けろと言うのなら無理な要求だが、目の前にある建物の写真を撮ることすら認めないというのはどういうことなのか。
こちらの意を汲み取る言葉もなければ、理由の説明もない。
彼にしてみれば「休館日だから」で十分だと思っているかもしれないが、違うんだよなぁ。
そりゃまあ、休館日を確認しなかった自分が一番悪いのだけれども…。
四角四面な対応に大いに疑問を感じた。
とぼとぼと坂を下っていく(坂が急すぎるため押している)と、70歳くらいの男性が声を掛けてきた。
「月曜日はお休みなんです」「写真くらい、けちくさいね」。
どうやらやり取りが聞こえていたらしい。
そして最後に「折角来てくれたのに申し訳ない」。
いやいや、おとうさんは何一つ悪くない。
でも、その一言で救われました。
ありがとう、水道記念館の近所に住んでいるおとうさん。
仕事上、相手の要求を聞き入れられないことは多い。
そんなときにどういう対応を取るべきか。
考えさせられる一件であった。
石狩街道を北上し、石狩市へ。
茨戸大橋で茨戸川を渡り、すぐのところで左折して築堤上の砂利道に入る。
砂利道を走ること800m、目的の場所に到着する。
お目当ては石狩川護岸工事起点の標柱だ。
これこそ、土木遺産『茨戸川の岡﨑式単床ブロック護岸』の工事を記念する石碑。
護岸は川べりに行かなければ見れないが、石碑なら安全に見ることができる、というわけ。
この石碑は平成4年に再建されたものだが、すぐ横に当時のオリジナルも展示されているところが粋である。
起点の「点」が「點」なあたりに歴史を感じる。
さらに砂利道を進むこと1600m。
今度は、石狩川護岸工事終点の標柱が立っている。
起点と同じ造りになっており、しっかりと対を成している。
説明書きの文言まで「起点」が「終点」になっているだけという徹底ぶり。
いや、そこまで同じにしなくても…。
起点と終点を抑え、花畔大橋でようやく舗装路に復帰。
この間、4.1kmもグラベルロードを走った。
パンクのリスクが高い砂利道を強行できるのは、絶大な信頼を寄せるシュワルベのお蔭。
でも、Marathonはオンロード用タイヤだから、万が一にパンクしたとしても文句は言えない。
そこのところヨロシク。
時刻は15時30分。
えっ、もうそんな時間に?
新十津川まで4時間かかるとして19時30分の到着。
陽が暮れるギリギリの時間帯だ。
急げ、かっ飛ばせ。
でも何故か遠回りな石狩八幡を経由するルートを選んだ。
札幌大橋経由のほうが3kmくらい近いと知っていたのに。
新十津川到着は19時10分だった。
予定より20分早く帰着できたのは、追い風のサポートがあったからこそ。
で、脱いだウェアは全身塩まみれだった。
目に見えるだけのものが失われている。
しっかり補給して体を休めるとしよう。
【本日走行距離】129.82km
【積算走行距離】3603.3km(3567.0+36.3)