アルバニトハルネ紀年図書館

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『夢みる太陽』第5巻/高野苺

2010-01-02 | 少女漫画
 
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なに…?
なんか…
いつも通りなんだけど…
私 今日
告白しなかったっけ


涙を浮かべて告白したのに、大家さんに「なかったこと」にされてしまうしま奈。あんまりだ!(笑)
しかし返事聞く前にあきらめんのはまだ早いよと、友達からのアドバイス。「告(い)っても返事くれないってのは……… すごく損した気分だよ」というしま奈、大家さんを創立祭に誘う。
ふたりきりになったのに、気まずそうな雰囲気すらない大家さん。自分の「好き」は何でもなかったのかと、悲しくなる。
「俺は おまえとまわりたかったのに………!!」と涙を浮かべて抗議する善に、これが終わったら本当に諦めるよと言い、体育館に向かうしま奈。
猶明(ゆうめい)高校創立100周年100人100文字作文の壇上に立つしま奈。大家さんだけでなく、大勢の人が見ている前で発表した作文「私の好きな人」。
「私には好きな人がいます。その人は初めはただのおじさんとしか思っていませんでした。でも本当は優しくて大人で頼りになって気がつけば私はその人が大好きになっていました。その人の名前は藤原太陽。」(94文字)。「返事を聞かせて下さい」。
マイクを向けられ、困り果て、朝陽さんに30分の猶予をもらう大家さん。

制服を着せられ、同級生のように振る舞ってくれる大家さんは、女は苦手だから本当に同級生だったらこんな風にできないよと。


やっぱり私フラれるんだと思っていた処に現れる、大家さんの高校時代の英語の先生だという女性。大家さんはその人を「さわんな」と突き放し、しま奈の告白への返事をする。
「つきあうよ この子とつきあう」。
先生にその子が好きなのかと訊かれ、「好きだよ」。
その言葉が信じられない、先生に会ってから返事を変えたとしか思えないしま奈、そんな彼女の頭を「じゃあ よろしく」となでる大家さん。

21ST DOORカラー扉 (『別冊 マーガレット』2009年7月号)


その日から、大家さんとつきあうことになったしま奈。しかし、大家さんは相変わらず大声で八つ当たりし、しま奈を「チビ」呼ばわりして邪魔者扱い、「つきあう」と言ってくれたのが本当なのかと不安になるしま奈。
変質者のお爺さんから助けてもらい、本当は好きじゃなかったと打ち明けられる。でも「絶対好きになる」「好きになりたい」と言われ、信じることに。

クラスメイトからは初の彼氏なのにもう同棲とひやかされる。でも実際は…。英語の中川先生は、藤原くんに「ごめんね」と伝えてとしま奈に伝言を頼む。

しま奈を本気で好きになるにはどうすればいいのか拳に訊く大家さん。「知るか」と突き放され、恋人っぽいことをしてみろと言われ、「無理」と答える。
伝えるべきか黙っているべきか、黙っていたら嫌な女になってしまうとしま奈が中川先生からの伝言を伝えると、大家さんは一言「…そっか」と。

公園に夜景を見に行こうと自分を誘ってくれる大家さん。近くだけど初めてのデート!
オバケが出たという嘘を怖がるしま奈を、俺がついてるから大丈夫と、手を繋いでくれる。ずっと「大家さん」って呼ぶの?と訊かれ、「太陽」と呼ぼうかと言うと自分の名前が嫌いだと拒否される。私も自分の名前嫌いだけどと言うと「…別に かわいいじゃん しま奈」。猫とじゃれる、大家さんの意外な一面。太陽のような笑顔にときめいてしまうしま奈。好きなタイプはないと言う大家さん。タイプがわかればそれに近付こうと思ったのにとしま奈が言うと、そのままのしま奈を好きになりたいんだと大家さん。

帰省するしま奈、善、そしてまなみが帰ってくると言う朝陽。
荷物の多い善は、いつ帰ってくるか分からないと言う。そしてもうしま奈の事は諦めたと。虎さんに呼ばれた時、「悔しかったら奪ってみろ」と言われても何とも思わなかった。焦りも不安も邪魔してやろーとかももう思ってない。
「だからもう… しま奈のこと好きじゃなくなったんだよ 俺…」と寂しく、でも真っ直ぐにしま奈を見つめて微笑む善。
善は自分より先に、少し大人になったのかなと、「マンガ描けたら見せてねっ!」と見送るしま奈。この一連のシーン大好きです。
しま奈を送ってくれた大家さんは、(付き合ってることを)ちゃんと言えるようになったらまた挨拶に来るからと頭を撫でてくれる。
そこに現れた3歳児。その子をかまっていて「結婚」というモノを突然意識してしまうしま奈。

そんなこと夢見てもいいのかな
…別に夢見るぐらいいいよね
そのために頑張ればいいんだもん


巻末の番外編、夢みる太陽20.5TH DOORは『デラックスマーガレット』平成21年7月号掲載。
買いたくもないのにコンビニで買った紙とペン、それで落書きというか本音を殴り書きする大家さん。ウケる!(笑)

21ST DOOR見開きカラー(7月号)


23RD DOOR(9月号)

(読者からの投稿を高野さんが扉絵にした物)

『別冊 マーガレット』7月号表紙



お薦め度:★★★★☆
中川先生を「ママ」と呼んだ3歳児。
どこを目指しているのか、何を描こうとしているのか相変わらず見えてこない不思議さも含めて、「自分もみんなも大嫌い」だったしま奈がいつしか大家さんに「自分を気にして欲しい」と思うようになる、正に夢みる作品。人を好きになって、でもどうして自分はこの人が好きなんだろう、どうしたら好きになってもらえるのだろう、あるいはどうやったら相手を好きになれるんだろう。毎日が、一挙一動が、「手探り」という、ある意味では「生き様」そのもの。


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