アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『ノノノノ』第1巻/岡本倫

2009-05-04 | 読書
 


どうしよう私…
ますます女の子っぽくなった気がする…
女だけど…
私には--
スキージャンプしかない
でも女子は…
オリンピックのジャンプ競技に出ることは出来ない


周囲で好評なので第1巻買ってみました。内容を全く知らずに、ほぼ「ジャケ買い」状態だったんですが、これが読んでみたら意外にもすごく面白いんですよ。「スキージャンプ」を題材にしたスポーツ漫画であり学園ラブコメでもあり。
私はスキージャンプはおろかスキーにすら関心がないんですが(滑ったことはあるけど)、読んでいて不覚にもスキージャンプに興味を持ってしまった(笑) これが漫画の魔力か。
『銀のロマンティック…わはは』/川原泉を読んでフィギュアスケートの面白さを知った時と似ています。

作中でスキージャンプに関するウンチクがさりげなく自然に紹介されていて、競技に関する知識が皆無でもスキージャンプのことが徐々に理解できるようになって、作品世界にもすんなり入り込めます。

ある夜、大倉山のあるコースで、まともに着地できそうもない積雪の中、一人の「小僧」がスキー板で飛んだ。
彼の名は野々宮悠太(ののみやゆうた)、中学3年生。彼(実は女)は、大型新人の加東雅史を取材に来た記者の与田主任と村松さんに感想を聞かれ「ガッカリした」と答えます。「ぼくならもっと 遠くへ飛べる--」という言葉が無視できなくて、その小僧と勝負してやることにした加東。だが悠太は北海道地区予選で89人中85位予選落ちの、全くの無名。それが何故あんな飛距離、あそこまで見事なテレマーク(着地時のポーズ)を決められるのか--!? これが悠太が公の場で注目を集めた始まり。
与田主任は何故か他人の能力が「オーラ」として見えるらしいです。

本格的に面白くなってきたのは、女であることを隠している悠太が長野県の高校の入学式を迎える第2話から。
女の子だとバレたらもうオリンピックには出られなくなるというジレンマから無口で目立たぬよう振る舞う悠太、しかし「ものすごい美少年じゃない?」と逆に目立ってしまいます。その同じ学校にいたのがフィギュアスケート世界選手権金メダリストの興梠みかげ(こうろぎみかげ)。彼女もまた「テレビで見るより全然かわいいな」と人気。
悠太を自分と釣り合いとれそうな男の子と思ったみかげは
「私 あなたとお付き合いしてあげる」
「いや結構だ」
即断!
「あ 『結構です』だと肯定の意味にもなるんだっけ?」
「お断りだ」
興梠みかげの告白を悪徳セールス扱いっ!!(笑)

「なかなかやるじゃないか!!」と男子と親しくなれた悠太ですが、困るのはトイレ! 女子トイレには入れず、男子トイレで立ち小便もできず、個室に入れば「ウンコは家でしてこいよ!!」(笑)
体育の授業の後の着替えにも一苦労。とてもじゃないけど男子と一緒に着替えられないよと家庭科準備室で一人着替えていたら、トランクスを脱いだ処をフキンを探しに来たみかげに見られてしまう! 女だとバレた、もうお終いだと思った悠太。しかしみかげの言葉は「まさかあなた… 変態なの?」(笑)
変態のくせに私をふったんだ。弱みを握られた悠太は今日からみかげの「奴隷」。


長野県白馬村の競技台では与田主任と村松さんが、中学を卒業したばかりの天津暁(あまつあきら)を取材。「女アレルギー」の彼は、女性に近付かれるとジンマシンが出ます。そんな天津を、野々宮の話をして煽りすぎる主任。「銀メダルは銀メダルコレクターの天津一家にプレゼントするってさ」。当然、野々宮悠太はそんなこと言ってはいませんが屈辱です。長野五輪(1998)以来低迷しているこの競技を盛り上げる意図のようです。
悠太の学校に転入してきた暁、こんなに早く野々宮悠太に会えるとは思わなかったよと胸ぐらを掴むと何故か顔にジンマシン。本当は女の子だからねー。
天津暁にケンカを売られる覚えのない悠太は、もしかして「私がなる前の『野々宮悠太』が--」と。どうやら「野々宮悠太」は二人存在するようです(?)。

天津との勝負の日が訪れ、家の前で待っていてくれたみかげは悠太を「マイスレイブ(my slave)」呼ばわり。本当は応援に来たのに素直になれません。いざ競技台を目の当たりにしてその大きさ、高さに仰天。ラージヒルの高さは30階建てのビルと同じくらい。
与田記者の前で「私たち付き合ってるから」と悠太に抱きつくみかげ、騒ぎになって金メダリストと予選落ちじゃ釣り合わないよとヤジが飛ぶ。
「なんか言い返したらどうよ!!」と言うみかげに悠太は「言い返すことなんて何もないよ」と答えます。

「どうせぼくが勝つんだからさ」


みかげは悠太を気に入ったのは「ちょっと普通じゃない『気』みたいなもの」を感じたからと与田に言う。オーラが見える与田は「小娘のくせに…やっぱダテに金メダルは獲ってないな」と。
「君の眼力…狂ってないぞ」。

背中を押されてすぐに落ちてしまう追い風の中、132メートルの飛距離。天野の敗北に唖然とする一同。だがまだ一本目が終わっただけ。スキージャンプは二本飛んだ飛距離で勝負する競技。
強すぎる向かい風の中、自殺にも等しいジャンプで136.5メートルを飛ぶ天津。悠太が勝つためには134メートル飛ぶ必要がある。

↑こんな飛び降り自殺の何が面白いのか分からない。みかげは「それ本当に……スポーツなの?」と蒼くなります。

「このまま風が変わらなければ…絶対 天津に勝てる」と競技台を登っていくと階段にいたのは、野々宮…悠太……。
誰なんですかこの人は!? 続きが気になるじゃないか(笑)
現在第5巻まで出てます。どうやら悠太は実は妹で本当の名前は「ノノ」らしいです。だから『ノノノノ』なんだね。

お薦め度:★★★★☆

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