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『超人ロック 嗤う男』第1巻/聖悠紀

2010-09-02 | 青年漫画
 
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『ニルヴァーナ』(ヤングキングアワーズ掲載)と並行して、新たに連載が始まった『嗤う男』(コミックフラッパー掲載)の第1巻。「嗤(わら)う」とは"sneer"。
舞台は銀河連邦の「辺境」、描かれているテーマは「格差」(だと思う)。


絶縁状態で遺族がいないも同然の者や、人身売買で辺境に連れてこられた者達は、車輪のついていない浮揚移動2輪車を使った、死亡率35%のレースに出場していた。田舎の星区の労働はきつく、人々は娯楽もなく、酒に酔うか非合法の薬に走るか、完全に合法なこのレースに出場する以外にストレスを解消する方法を持たない。

放映権を買いに来たネットワーク会社は、中央に近い自分達は文明人で、レースの開催者のウーツェイは野蛮人だと見下して、視聴者を飽きさせないために死亡率を下げろと意見する。パイロットを供給しているキボンズ所長は、2ヶ月後に引き渡すことになっていた22歳の天才を、予定を早めて貸し出す。

連邦軍士官学校を中退し、コンラッド星間運輸に勤めていた22歳のロック・ヴァン・ベイルは、日中にレースをやりながら、夜は研究所で験体を続け、失った記憶と素性を探られる。
「競争」と「検査」を繰り返しながら、ヴァン・ベイルの過去が徐々に明らかになっていく。彼が勤めていたコンラッド星間運輸は大手のクルーンズ運輸に吸収合併される話が持ち上がるほど業績が悪化しており、ヴァン・ベイルも組合(ユニオン)に入り闘う準備を始めていた。そのさなか、コンラッドの船が立て続けに海賊に襲われ会社は倒産し、クルーンズは「救済」の名目で負債と社員を引き受けて、解雇はひとりも出なかった。そして海賊への身代金を払う家族も会社もなかった者は奴隷として売買された。宇宙船の操船資格を持ち、ランクDのエスパーであったヴァン・ベイルは二万五千の高値で落札された。

キボンズ研究所は辺境にパイロットを供給する一方で、大企業にはサイバーを納入していたが、その一人が自殺する。代わりのサイバーを至急納入するために、ヴァン・ベイルのテストは一時中断され、70号サイバーの脳のセットアップが開始される。しかし軍で尋問のやり方を学んでいたミリアム・グアンジは、単独でヴァン・ベイルの調査を続行する。


お薦め度:★★★★☆
レース物として純粋に面白い。上官殺しのミリアムもぞくっとするほど麗しい。
しかし別誌で連載中の『ニルヴァーナ』は客観的に見ても名作になる予感がするし、何よりオレは聖悠紀先生の信者なので、『嗤う男』にももっと深い物が込められているに違いないと、憶測まじりの勝手な解釈をしています。

最近の作品は、フラッパーに連載される物がオールドファン向けで(『エピタフ』とか)、アワーズに連載されるのが新しいファン向けなのかもしれない。


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