わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

30周年あれこれにあれこれ思う

2017年06月19日 | 雑記
「レ・ミゼラブル」の日本初演から30年に沸いている中、宮本亜門さんの演出家としての30周年のニュースが流れてきました。
レミゼに気を取られ、ニュースが流れてくるまで、亜門さんのことは全く気が付きませんでした。ファンとしてどうなんでしょうね、苦笑。

30年前・・・あまり触れたくないですね、笑。

「レ・ミゼラブル」30周年。
この作品から、本当の意味でのオーディションが始まったと言われていますね。
いろいろ思うことはありますが、一番に思ったのは、この作品について、プロの評論家やライターでも軽々に触れることはやめた方がいいのではないかということでした。
ご本人としては、観劇回数も、取材も、見識も自信ありと書いていらっしゃるとは思うのですが、取材は別としても、観劇回数は私より少ない?その見識、原作読んでいる?と思う内容が多かったですね。
30周年を記念して書くことの怖さを、たくさんの記事を読んで知ったので、ここではあまり触れないことにします。
「他人の振り見て、我が振り直す」ですよ。

亜門さんの演出家30周年について、なにはともあれ、
「本当におめでとうございます」
とお伝えしたいです。
演出家としての亜門さんに出会ったのは、2000年でした。この話はまたあとで。
その少し前にあるラジオ番組にレギュラーで出ていらして、すごく元気がよくて、面白い考えや体験を話していらしたのです。亜門さんのことを何となくは知っていましたが、舞台を観る前にそこで亜門さんのことはとてもよく知りました。
実は、私自身、このとき、病気ではないのですが、床に臥せっていて、いつまでこの状態が続くのかとても不安でした。やらなくてはいけないことは山のようにあるのに、思い通りに動けないのです。
その不安の中で、亜門さんの明るい声、楽しすぎる体験談、前向きな姿勢に本当に救われました。でも、まさか、数年後に私の人生を変える舞台を作って下さるとは予想もしていませんでした。

HNからわかるように、仕事に子育てに奮闘している私のことを家族も気遣ってくれて、何か気分転換をさせてあげようと。旅行にもよく行ったのですが、小さい子供連れての旅行は、気分転換には程遠く、気疲れ倍増なのです。子育て中は、継続的なことに挑戦できないし、短時間で気分転換できると言えば、私にとっては「観劇」だったのです。
月に一回の気分転換をとても楽しみにしていました。
そんな中で、出会った「太平洋序曲」。2000年10月。
私の人生を変えた作品ですが、多分、亜門さんにとっても、とても大切な作品となったと思います。海外進出への道が大きく開かれたわけですからね。

「レ・ミゼラブル」と「太平洋序曲」は似ているところがあります。両者とも群像劇であり、キャストは何役も演じていくことになります。そして、オーディションをしてキャストを決定したことも共通点です。
勿論、両者に出演したキャストもたくさんいます。

亜門さんの演出作品も、「太平洋序曲」のあとたくさん観劇しました。
亜門さんは、ソンドハイム氏を崇拝しているそうですが、ソンドハイム氏と同じように、同じような作品を作らない、という姿勢を感じます。
挑戦し続ける姿勢ですね。ラジオで語っていらした思いを今も持ち続けていらっしゃるようです。
「こう来たか」と驚くことの方が多いですね。いい意味で観客を裏切る。さすがです。

ただ、時々本当に残念に思うのは、オーディションしていますか?というキャストに出会うことですね。演出家よりプロデューサーの方に主導権があるから仕方ないのだと思いますが、どんなに亜門さんのアイデアが詰まった演出でも、それを観客に伝える力がなければ、観客は舞台を楽しめないのですから!

「レ・ミゼラブル」は「スターを作るミュージカル」だそうです。光が当たることもあれるでしょうけれど、輝き続けることはとても難しいことだと感じています。
「レ・ミゼラブル」からスターもたくさん誕生しましたが、ミュージカル界で活躍されなくなった方も多いです。そして、他界された方も何人もいらっしゃいます。
「太平洋序曲」は、初演19名のキャストでしたが、国本武春さんが他界なさっています。そして、ミュージカル界、演劇界から去って行かれた方もいらっしゃいます。
私にとっては天使みたいな存在であったキャストの皆さまでした。ニューヨークであんなに絶賛されたキャストの皆さまでした。感激を下さった感謝とご活躍への期待を膨らませる一方で、輝き続けることの難しさを目の当たりにする日々でもあるのです。

こう振り返ってみると、亜門さんの30周年は本当に素晴らしいです。
40年目、50年目とお祝いできることを楽しみに、亜門さんのご活躍を応援していきますね。

そして、何より、「レ・ミゼラブル」の学生達のような行動を取らなくても人々が生きていかれる社会が、この30年間続いたことに感謝し、これから先もずっと、「今日も劇場へ行くよ!」と気軽に言える日々が続くことを祈り、そうなるように私自身も社会に貢献していきたいと改めて思いを巡らせた一週間でした。

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