わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

サイド・バイ・サイド・バイ・ソンドハイム

2002年03月23日 | 観劇記
(06年8月に整理し、掲載したものです)

02年3月23日マチネ 東京芸術劇場小ホール2

最初に謝ってしまいますね。それも二つ。
一つは、レポがこんなに遅くなってしまったこと。そして、もう一つは大事なことすら記憶が曖昧で…事実と違う可能性が大きいのです。
書込みをする時には、大きな記憶違いがあると困るので、プログラムを参考にすることが多いのです。しかし、今回は代役のことがあり、プログラムが変更されていました。観客にはもともとのプログラムとナンバーの変更が書かれた紙が配られたのですが、歌った順番はどちらともかなり違っていました。ですので、以下に書いたナンバーの歌い手についてもあっているのか不安です。そして、順番に至ってはかなりいい加減だと思います。もし、ご覧になった方がいらっしゃいましたら、訂正してくださいね。

取り敢えず、概要はお話します。
出演者は、治田敦さん、今陽子さん、吉岡小鼓音さん。語りが黒部進さん。
今陽子さんだけは、以下の文章の中で「陽子さん」と呼ばせて頂きます。理由は、お分かりですよね!

作品は、1976年に制作されています。その制作の動機は、イギリスでもっとソンドハイムさんの素晴らしさを広めたいという、俳優デビッド・カーナン氏の発案だったそうです。ですので、76年までに発表された作品が取り上げられているのです。
物語性は全くありません。作品にまつわるエピソードや、大きな筋書きを黒部さんが説明して下さり、3人の方が歌いまくって下さいました。

舞台は、二台のキーボード(演奏は井福小枝子さんと森春奈さん)、木製の椅子、というシンプルなものでした。語りは、舞台下手で行います。

オープニングは「COMEDY TONIGHT」。そして「LOVE IS IN THE AIR」。2曲とも『ローマで起こった奇妙な出来事』からです。
「COMEDY TONIGHT」は、思わず手拍子をしたくなるような、楽しい曲です。曲名をご存知なくても曲を耳にしたことがある方が多いのではないでしょうか。
2曲とも3人で歌われました。楽しい舞台になりそうな予感がここですでに生まれていました。

『カンパニー』からの曲が続きました。
「COMPANY」を三人で。とても複雑なハーモニーを美しく歌って下さいました。こういう何とも不思議なハーモニーがソンドハイムさんの大きな大きな魅力ですよね。
「THE LITTLE THING YOU DO TOGETHER」は治田さんと吉岡さんで。あんなこと、こんなこといっしょにしましょうという内容の歌。吉岡さんがとても可愛らしかったです。
「GETTING MARRIED TODAY」を陽子さんがメインで歌われました。ソンドハイムソ氏お得意の早口歌なんですよね。結婚当日の複雑な花嫁の心境を歌います。日本語にするとこうなるのか!と不思議な気がしました。それにしても、陽子さんの表現力の楽しさに引き込まれました。
「ANOTHER HUNDRED PEOPLES」吉岡さん。一人でやってきたこの町で不安はあるけれど人との出会いを大切にしたい、と歌います。寂しいような、でも前向きに生きようとする感じに共感しました。
私の大好きな「BEING ALIVE」を治田さんが歌われました。本当に、すごい声量でした。

次に、『フォーリーズ』の曲が続きます。
「BEAUTIFUL GIRLS」3人で。
「AH PAREE!」陽子さん。内容は忘れてしまいましたが、陽子さんが楽しく、迫力満点で歌われたのは記憶しています。
「BUDDY’S BLUES」治田さん。ギャグ・ソングですね。語るようなところもあって、早口でしたし、聞いている方は楽しいのですが、歌う方は大変そうな歌でした。でも、治田さんはさらりと、楽しく。高音も多いのですが、美しいお声を聞かせていただきました。
「BROADWAY BABY」吉岡さん。駆け出しの女優が自分を売り込む歌。とても色っぽく歌われていました。私としては、もう少しあっさり歌っていただきたい曲なんですけど、吉岡さんの美しさなので許してしまいます。
「YOU COULD DRIVE A PERSON CRAZY」3人で。とても楽しい歌で、ウキウキしました。三人で舞台の縁を端から端まで、歌い踊ってくださいました。

第2幕
実は、ここから数曲が大混乱。
『ANYONE CAN WHISLE』から、「EVERYBODY SAYS DON'T」を3人で歌われたと思うのです。
そして、「ANYONE CAN WHISLE」を治田さんが。しかし、何となくこれは一幕で歌われたような気もするのです???しっとりとした歌です。

『リトル・ナイト・ミュージック』から「SEND IN THE CLOWN」が紹介されたのですが、これ治田さんが歌われたんだと思うんですけど、本当に情けないほど記憶が薄くて…
実は、このレポを書くに当たって以前から知っていた曲はかなり記憶しているものの、記憶にはっきりない曲があるので、もう一度曲を聞けばいろいろ思い出せると思い、amazonのHPで試聴しまくったのですが、この曲と「WE'RE GONNA BE ALL RIGH」の2曲が聞けなかったのです。そして、この2曲のどちらかがとてもいい曲で曲自体に酔いしれていたことは分かっていたのです。ああ、思い出せないと、落胆して、ふと手にしたカーネギーホールでのコンサートのCDの歌詞カードを見て驚きました。「SEND IN THE CLOWN」があったのです。そして、よ~~~く聞いてみると確かにこれがいいなぁと思った曲だったのですけど、全然印象が違うのです。私の中で「BEING ALIVE」以上にいいなぁ、と感じていたと思うので、治田さんが歌われたのだと思います。
もし、間違っていたら本当にごめんになさい。

ここからはまた持ち直します(笑)。知っている曲ばかりになっていたので。
「A BOY LIKE THAT」は皆様よく御存知の曲ですよね。『ウエストサイド・ストリー』のなかでマリアと女友達が、歌いあう歌です。陽子さんと吉岡さんが歌われたわけですが、すごい迫力でした。吉岡さんの凛と澄んでいるけれど、説得力のある歌声が素晴らしかったです。

「YOU GETTA A GIMMICK」は『ジプシー』から。妖艶なダンスもありまして、勿論女性二人が担当するわけですが、なぜか最後に治田さんも参加。治田さんって、どうしてあんなに色っぽい目が出来るのでしょうね。服装は一応男性のままなのですが…どうせならドレスを着ていただきたかったなぁ(爆)。

最後に『フォーリーズ』から「COULD I LEAVE YOU?」を治田さんが、「LOSING MY MIND」を吉岡さんが、「I'M STILL HERE」を陽子さんが歌われました。
「COULD I LEAVE YOU?」については後で書きます。
「LOSING MY MIND」は、愛する人を切なく思う歌だと思うのですが、吉岡さんがしっとりと歌い上げてくださいました。
「I'M STILL HERE」はたぶん本当の舞台での状況は違うのでしょうけれど、陽子さんの舞台への思いもあるのかなぁという歌でした。こういう歌が本当にお似合いになりますね。

ラストに「SIDE BY SIDE BY SONDHEIM」を3人で歌われ、楽しい舞台は幕を閉じたのでした。

吉岡さんについての感想。じっくり歌を聴いたのは初めてでしょうか。本当に高音までしっかり歌うことが出来る素晴らしい方でした。とても可愛らしい方なので、やはりそういう感じの歌が私は似合うなぁと思っていました。「ウエストサイド物語」のマリア、「ジキル&ハイド」のエマなどは、ぴったりではないかと思いながら見つめておりました。
また、近々、その歌声を聞くことが出来そうですので、楽しみです。

陽子さん。久しぶりに生での歌声を堪能致しました。
さすがです。の一言です。「GETTING MARRIED TODAY」の早口も凄かったですけど、ラストの「I'M STILL HERE」は、聞かせて下さいました。あれほどの声量、素晴らしい表現力、テレビではなかなか堪能できない陽子さんの魅力にまた触れることができ、とても嬉しかったです。

治田さんについての感想。
本当に久しぶりに歌をお聞きしました(笑)。
歌手、治田敦さま、を心行くまで楽しみました。
一週間でこんなに何曲も覚えることが出来るのでしょうか???もともと御存知の曲ばかりではないでしょうし。
いろいろなタイプの歌を歌ってくださったのですが、治田さんって音域が広くて、どの音域も聞きやすいのです。ファルセットもすごく美しい響きで、うっとりしてしまいました。
中でも「COULD I LEAVE YOU?」の治田さんは凄かったのです。妻から別れを言い出されて、別れたくない夫を演じて下さいました(歌うというのにとどまっていらっしゃいませんでした)。私は、初めて聞いた曲だったのですが、曲も良いですし、治田さんの手にかかると、まるでその舞台の場面が想像できるほどだったのです。
広いお屋敷でのこと。何不自由なく他人が羨むほどの夫婦の形なのでしょう。しかし、広い屋敷はまるで牢獄、明るい別荘へ行かなければ気が晴れることもない。夫婦の関係は他人以上に冷えている。しかし、夫は妻を憎みつつも、愛しているのだろうなぁ。だから、別れてあげよう、と言ってしまう。
治田さんの歌は本当に表現が細やかなんです。是非、作品自体を観てみたいと思ってしまうのでした。思いっきり想像力を掻き立てられる治田さんの歌声でした。

最後に、ソンドハイムさんの曲について。
よく「難しい」と言われますが、このコンサートやCDのカーネギーホールでのコンサートでの曲も、美しい曲ばかりです。「難しい」のは演奏する側であって、聞いている方は難しいことはありません。まるで、現代音楽を聴くかのごとく構える方もいらっしゃるようですが、肩に力が入るように曲は一曲もありません。私も、作品自体を知らないまま、曲だけを聴いているのですが、情景、その役柄の心情がはっきりと伝わってきて、作品への興味は尽きないものとなっていきます。ソンドハイムさんの作品のテーマは「結婚(生活)」が多いそうです。『カンパニー』、『フォーリーズ』がその代表でしょうか。男女の心の行き違いや、心深くにある心情をすばらしい曲に表現していらっしゃると思います。
是非、この作品を日本で上演していただきたいなぁ、と思うのです。(『カンパニー』は再演になりますね。)

それでは、とても長くなってしまいましたが、お読み頂きありがとうございました。
コンサートをご覧になった皆様、どうぞ付け足し、訂正をよろしくお願い致します。



「大いなる反省」(ここからは当初、上の文章から数日後に公開した文章になります。)
私のあまりにいい加減な記憶には、自分でも嫌になってしまいます。そして、もう少し頭を使えば…。反省しきりのわーきんぐまざーでございます。

治田さんがソロを担当なさった曲が一曲、思い出せずに「SEND IN THE CLOWN」かなどと言ってしまったのは、大きな間違いで、「BEAUTIFUL GIRLS」(フォーリーズ)でした。本当に、ファンとしてお恥ずかしい限りです。申し訳ございませんでした。

次に、どんな歌だったかと思い出すのですが、やはり無理なのでまたまたソンドハイム・レビューのHPから、amazonへ。「フォーリーズ」のCDは4種類ほどあるのですが、どれからも「BEAUTIFUL GIRLS」を試聴できないのです。
がっかりしているところへ驚きの映像が!ソンドハイムさんのCDばかり探すので宣伝に横の方にいろいろ出てくるのですが、その一つが「SIDE BY~」だったのです。ソンドハイム・レビューにアップされているCDがソンドハイムさんの作品すべてをカバーしていると信じた私がいけなかったのですが、まさかCDがあるとは。
そう言えば、雑誌「ミュージカル」(02年5月号)で、小藤田千栄子さんが「CDを聞くと~」とおっしゃっていたのですよね。でも、1976年のCD(当時はレコード)がまだ発売されているとは!
そして、さらに全曲試聴ことが出来るではありませんか!!!勿論、「BEAUTIFUL GIRLS」も。試聴して「ダイヤモンドをあげる~~~」というような歌詞の歌であったことを思い出しました。
本当に、思い出すことが出来てよかったです。ほっとしました(笑)。
全曲試聴して、かなり舞台をはっきり思い出しました。そして、とても気に入ったので買い物かごへ入れてしまいました。amazon日本版でも買うことが出来ますから、もし、興味のある方は是非。ちなみに、このCDによると「太平洋序曲」からは「PRETTY LADY」が入っていています。女性も混じって3人で歌っているわけです。

情報化の時代なのですから、本当にもっと自力で解決しなくては、と反省しております。私のために貴重な時間を割いて、曲目の間違えを教えてくださった方に心から感謝申し上げます。

そして、最後に、ソンドハイムさんが関係した舞台の録音が本当に多く、また、その質が非常に高いことに驚かされるばかりです。いかに、ソンドハイムさんの人気が根強いかを物語っています。是非、日本でも多くの作品が紹介されていくことを望みます。

それでは、また。


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