わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

こちら葛飾区亀有公園前派出所

2006年08月13日 | 観劇記
06年8月9日マチネ
全労災ホール ゼロ・スペース  6列目センター

「こち亀」と略してしか普段は言いませんが、正式な名称は上の通りです。長いです。早口言葉の練習にいいです。最後の「はしゅつしょ」で噛まないように、はい3回どうぞ。と我が家では利用しています(笑)。
舞台も3時間。ちょっと長いです。が、こんなに笑ったのはいつ以来?と言うほど、大笑いの連続でした。

あらすじは、あまりにも複雑なので省略します。マンガやアニメに触れた方はお分かりと思いますが、舞台も信じられない展開をします。特にアニメは、「絶対ありえない」という行動がわんさか出てきますので、舞台になったらつまらないかも、という予想は裏切られました。そこまでやるのか!という感じでした。
舞台版は今回で4回目になります。今思うと残念ですが、私は今回が初観劇です。

ありすじの代わりにキャスト紹介(敬称略)
両津勘吉 / ラサール石井
秋山麗子 / 森下千里
少女サキ / 瀬戸早妃
大原部長 / 佐山陽規
中川圭一 / 伊藤明賢
向島三四郎/ 清水宏
マリア  / 斉藤レイ
白鳥麗次 / 木村靖司
越前屋俵太/ 松村武
一文字まゆ/ 松永玲子
ビックママ/ 仲坪由紀子
屯田所長 / 原金太郎
海パン刑事/ 海津義孝
奥山老人 / 坂本あきら

西村仁・亜久里夏代・柴田健児・盛合大介・久下恵美・栗原亜紀子・安藤由紀・北林明日香

そこまでやるのか、という一方で、下町独特のお節介だけど、ほのぼのした結末でもあるのです。本当に不思議な魅力です。

3時間の舞台を22名のキャストで上演するのですから、一人何役もやります。また、歌って踊って、いろいろなエンタテイメントで楽しませてくださいます。それが、一つの話の中に少し不自然ながらも面白おかしく織り込まれているのです。

ダンスは、まず、サルと一緒に踊る場面。ラサールさんもがんばりましたが、清水さんはすごかったですね。そして、サルのボス柴田健児さんにはびっくりでした。
そして、海パン刑事の登場です。役名の通り「海パン」での登場なのです。それでなぜかバックダンサーに両津、向島、中川さん(以上役名)まで同じいでたちで踊りまくるのです。まさに、不自然なのですが、爆笑でした!
そして、ラサールさんと坂本さんのタップ。ラサールさんは両津の衣装なので便所下駄(わかりますか?)でタップ!!!これもかなり無理のある挿入ではありますが、便所下駄でタップにただただ驚いてしまいました。

歌は、ソロを瀬戸さんが担当されるのですが、私としてはちょっと物足りなかったですね。もう少し、感情が入ると、お芝居の部分にも幅が出たかと思いました。
それ以外にも、いろいろ歌は出るのですが、基本的にソロを歌おうとすると両津が「勝手にミュージカルなするな」と止めてしまうのです。それが、また、とても面白くて、大爆笑でした。

アニメから飛び出してくる生身の人間達は大変です。アニメはキャラクターが極端ですから、そんな人間はいないはずですからね。

実は、私が、一番ありえないと思っていたのが、中川圭一という役です。何しろ、容姿端麗、その上すっごいお金持ちなのに、そういうことを鼻にかけず、両津にもとても礼儀正しいのです。それでいて、面白いところもあって・・・もしこんな人がいたら絶対娘のダンナ様に・・・(自分と言わないところは、私の謙虚なところ?!?!?)という、理想の男性でございます。この雰囲気を出すのは難しいだろうと思っていましたが・・・
伊藤明賢さんは、ぴったりでした。驚きました!!!

逆にちょっと残念だったのが、中川麗子役の森下千里さん。今回は、もう一役、奥山老人の思い出の中での話として、奥山さんの奥さん、みつを演じていました。下町の勝気な女性なのです。このみつはとてもよかったのです。もう少し麗子を演じるときにも元気な感じが欲しかったですね。あまりにもお金持ちのお嬢さん、という感じが漂い過ぎていたように思いました。

両津勘吉のラサール石井さんは声優として両津をいつもなさているので、声はあのままと想像がついていましたが、姿もそっくり。思わず、大笑いしてしまいました(失礼)。

多分、この方がいらっしゃらなかったら舞台版はなかったのではと思うのが、海パン刑事の海津孝義さん。アニメのキャラを超えたのでは。アニメで出来ることは、生で出来るんだと思い知らされました~~~(感動!)

今回、声優も担当なさって、舞台でも同じ役をなさったのが、大原部長役の佐山陽規さん。声はあのままですが、体型がマンガとは全然違うのでどうかな、と思っていましたが、やはり声の勝ち!という感じでしたし、演技でマンガやアニメのキャラを膨らませていらっしゃいました。アニメでもよくあるのですが、両津が中川さんや麗子さんに部長の悪口を言っていると部長がやってくるのです。両津は部長に気が付かず・・・怒鳴られる。そのやり取りや部長の表情といったら、アニメの楽しさそのままでした。臨場感がとてもある舞台は、アニメ以上なのかもしれません。
これは、マニアックな想像ですが・・・アニメのアフレコはとても狭い場所でやるのですよね。あの狭い中でも、すごい演技しながら声出されているのかしら・・・舞台を観たら、そういう妄想が!!!(笑)

と、永遠に続けると終わらないので、最後に・・・
今回の舞台での話しの主役とも言える向島三四郎役の清水宏さんは、初めて舞台を拝見したのだと思いますが、とにかくすごかったです。ここまで、観客を惹き付けるパワーは一体何でしょうか?

本当に、他にもいろいろお話したいことが山ほどある楽しい舞台でした。

9日に観劇し、さらに千秋楽の13日にも観劇しました。
私は、割とアドリブでやっているのかと思っていたのですが、2回ともほとんど変わらなかったので、脚本がとても綿密であったことにも驚きました。そして、2回目もすっごく笑えました。補助席を出すほどの大盛況でした。演じる方たちは相当大変だと思いますが、また、何かの機会に舞台版ができるといいなぁと思いました。今回は連載開始30年周年だったのです。30年ですよ。信じられない長寿マンガです。

マンガの原作にあるおもしろさ、脚本・演出のラサール石井さんの様々な工夫、マンガやアニメのキャラに負けない俳優の皆様の熱~~~い演技。すべてが爆発したような、素晴らしい、楽しい舞台でした。

勿論、感動の涙にくれる舞台やいろいろな問いかけのある舞台も私は大好きです。でも、舞台が好きなのは、小さな空間にギュッとつまったエネルギーを、そこにいる全員が分かち合い、そして、また作り出す楽しさにあるのだと思いました。

写真は、千秋楽のサービスに俳優の皆様が舞台からプレゼントして下さったサイン入りボールです。ボールのほかに両さん人形やお菓子もあったようでした。舞台からいろいろな物が飛んでくるので、ぶつからないようにしようと思っていたら、ボールが真っ直ぐ飛んで来ました。いや~~~びっくりしました。どなたが投げて下さったのかはわかりませんでした。残念。でも、日頃の子供との遊びが役に立ち、ナイス・キャッチ!

子供から大人まで、そして男も女も楽しめるこんな舞台をまた楽しみにしています。


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2 コメント

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もう去年の話ですが。。 (栗原亜紀子)
2007-03-20 03:42:12
はじめまして 「こち亀」に出演していた栗原亜紀子です☆
メイド、サル、婦警などやっていました。
ネットサーフィンしていてこちらのサイトを発見!!
ミュージカルの「こち亀」を見てくださった方の貴重な意見を見つけてよろこんでいました。
しかもとても楽しんで頂けたようで思わず嬉しくなってコメントさせて頂きました♪

自分が出た舞台を見て(主役ではありませんが)このような感想を聞けることは演じるほうとしてとても幸せです。 ありがとうございます(^^)




こちらこそ (わーきんぐまざー)
2007-03-24 02:04:37
栗原様、こちらこそお読み頂きありがとうございました。
アニメが放映されていたときは、毎週日曜日家族で楽しんでいました。ですので、アニメの印象がとても強かったのです。あのハチャメチャさが舞台になるとどうかな?と思ったのですが、アニメ以上のハチャメチャさに感動してしまいました。
一緒に観劇した子供も、「またやらないかな」と、写真のボールを見ては言っています。是非、またあの楽しい舞台に出会いたいです!!!

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