世相の潮目  潮 観人

世相はうつろい易く、その底流は見極めにくい。世相の潮目を見つけて、その底流を発見したい。

テロは自由を奪う

2009年04月22日 | Weblog
イラクでは自動車に仕掛けた爆弾が破裂して多くの人が死んでいます。戦場となって争いが完全に終熄していないのだから仕方がないとの見方もありますが、独裁体制のフセインが支配していた時代には起きなかったテロが、フセインが倒されて自由社会になってから益々盛んになるのは皮肉な話です。

平和なヨーロッパ諸国でも爆弾テロは、時々起きています。自由がある国ほどテロにつけ込まれる余地が大きいからです。日本も例外ではありません。14年前、東京の地下鉄でサリンを撒いたテロがありました。電車内では今でも所有者不明の不審物を見つけたときは通報するよう乗客に呼びかけています。

この種のテロは社会の自由を逆手(さかて)に取った卑劣な行為です。テロとは暴力で目的を達成しようとする行為です。文明の反対は野蛮です。野蛮は暴力の支配する世界です。文明が栄えるとは、暴力が支配する領域が縮小していくことと聞きました。

テロの横行は人々から自由を奪います。更にテロを防止するための各種規制が人々から自由を奪います。テロは人々から自由を奪うこと独裁者の如くです。かくしてテロの横行は文明の世界を縮小させます。

テロという新たな独裁者の横行を抑えるためには、私達には忍耐と用心深さが求められています。テロ防止のため、日常の自由が失われることを甘んじて受け入れなければなりません。

日本でも重要な施設へ自動車で入るときには、車体の裏側まで鏡でチェックする様を見て、思いつくまま述べてみました。写真は自動車の車体の裏側を視察する鏡の道具です。
(以上)
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地球温暖化で人工林は甦る

2009年04月01日 | Weblog

気候と土壌に適した樹種が長年の間に組合わされて醸成された森林を自然林と言います。気候などの大変動がない限り、自然林は安定状態を続けます。

明治神宮の森は人工的に樹種を組合わせて自然林を造成した例で、100年以上の年月を要しました。しかし、自然林となりましたから、これ以上の人の手入れは不要です。

しかし、木材生産のため植林された杉や檜の人工林は、不安定な状態です。人間が何らかの手を加えないと、そのまま成長し続けることはできません。そのために行われるのが木の間引き、即ち間伐作業です。

間伐を行うと、森林内へ太陽の光が入り下草の繁茂を促し、それが土砂の流出を防ぎながら土壌を豊にします。それに加えて、木が背丈だけ伸びるのを抑えて横幅も太ります。その結果、年輪幅の整った良質の木材に成長するのです。

間伐作業は人手を要します。その費用は間伐材の販売で賄われていました。しかし、販売先の建設現場では間伐材の代わりにアルミパイプが足場に使われるようになり、間伐材が売れなくなりました。その結果、間伐作業が行われなくなりました。放置された山林は、病虫害や風雪に弱い山林となり荒れていきました。

いま、間伐材は地球温暖化対策のエコロジー燃料の原料として注目を浴びています。とうもろこしなど穀物を原料とするクリーンエネルギーは批判され、廃棄物となる間伐材などは理想的エネルギー源と云われています。間伐材の需給は逼迫し価格は上昇しています。

やがて間伐作業も復活してくるでしょう。こうして地球温暖化は人工の山林を蘇生する働きをすることになります。それは又、地球温暖化を緩和する働きにもなります。
(以上)
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