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お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

●五感俳句052・聴覚012・飛鳥田麗無公

2011-08-01 01:09:19 | 五感俳句

○五感俳句052・聴覚012・飛鳥田孋無公

○「風すぎてのこゑととのひけるよ」(『湖におどろく』1933)飛鳥田孋無公01)

○季語(蝉・夏)

【鑑賞】:蝉の鳴く樹に風がゆきすぎました。その直後、蝉の声が襟を正して整ったような気がしました。蝉も風を待っていたのかも知れません。※2013年11月、飛鳥田孋無公先生のお孫さんの→遠藤美彦様からご指摘をいただきまして、内容の訂正、追加をさせていただきました。ご丁寧にありがとうございました。

さらに2022年2月、遠藤美彦様から句集『湖におどろく』の序文についての貴重な書き込みをいただきました。ここに掲載させていただきます。ありがとうございました。

飛鳥田孋無公句集『湖におどろく』序文「みづからへ」:「貧しいながらも、私はこの句のどれかゞ、たとへ一つでも世の人に吸収愛撫され、その人のものになつて行くならば、生みの親として、まつたくこの上ない、よろこびであり、よしんばそれが、私に對し痛いつらい鞭撻であつたとしても、そこに私として一層の反省鼓舞が加へられ、私自らはますますよくなつてゆくであらう。すべては生きて居てのことである。」

 

飛鳥田孋無公(あすかたれいむこう)(1896~1933)

○好きな一句「さびしさは星をのこせるしぐれかな(『湖におどろく』1933)02

○季語(しぐれ・冬)

【Profile】:神奈川県厚木市金田出身。組合立農学校(校名不明、現存せず)修了後、1911年神奈川県立蚕業取締所(厚木)に勤務、その前年より俳句に親しむ。1917年「石楠」に入会→臼田亜浪に師事、1918年同人となる。「好きな一句」は横浜市磯子区杉田の妙法寺に句碑がある。

飛鳥田孋無公掲載句

03霧はれて湖におどろく寒さかな(寒さ・冬)〈五感・視覚〉2013/12/2


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12 コメント

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ありがとうございます。 (遠藤美彦)
2013-09-08 19:15:49
飛鳥田孋無公の孫(母の父親)でございます。
祖父の句をお取上げいただき、ありがとうございました。

代表句にお選びいただいた「さびしさは星をのこせるしぐれかな」は、祖父が石楠のお仲間方と梅を愛でつつ句を詠んだ、横浜市磯子区杉田の妙法寺の句碑に刻まれています。

ちなみに「飛鳥田」は「あすかた」です。
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恐縮です。 (透次)
2013-09-12 23:23:06
遠藤美彦様。
 飛鳥田孋無公先生のお孫さんからご丁寧に連絡をいただき、恐縮いたしております。
 ご指摘頂いた内容の訂正と追加をいたしました。ありがとうございました。
俳句の箱庭・透次。
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早速ありがとうございました。 (遠藤美彦)
2013-10-31 10:49:42
透次様

早速のご加筆・訂正、ありがとうございました。

孋無公の娘たる我が母も、当年87歳になりますが健在です。
母から孋無公の話もあれこれ聞いたつもりですが、まだまだ私が知らないこともあるようです。
いつか祖父の作品をネットなどで紹介しようと思いながら、今日までそれも為せず・・・
こうしてご紹介いただけることは、血縁者としてたいへん嬉しいことです。
ありがとうございます。
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またまた恐縮です。 (透次)
2013-11-01 12:34:55
遠藤美彦様。
 またまたありがとうございます。
 ぜひ孋無公先生の作品等の業績をご紹介いただけたら、これほどありがたいことはございません。先生のお名前の「れい」の字(女偏に麗)のフォントが表示できないのが残念です。
 今後ともよろしくお願い申し上げます。
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母逝去 (遠藤美彦)
2022-01-24 15:42:06
ご無沙汰しております。
昨年10月25日、飛鳥田孋無公の娘である我が母・千味子が95歳で逝去いたしました。
亡くなる直前まで元気で、突然の死でした。
今となっては飛鳥田孋無公のことももっと聞いておけばよかったと思っています。
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書き込みありがとうございます。 (鎌田透次)
2022-01-24 21:12:54
遠藤美彦様。

お母様のご冥福を心よりお祈り申し上げます<(_ _)>。
小生、いまだ細々と当サイトを続けております。
孋無公先生の「霧はれて湖におどろく寒さかな」のような日々驚きの発見を探しつつ精進いたします。

書き込みありがとうございました。
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ありがとうございます。 (遠藤美彦)
2022-02-06 11:10:21
祖父は、その句集の序文「みづからへ」で、「貧しいながらも、私はこの句のどれかゞ、たとへ一つでも世の人に吸収愛撫され、その人のものになつて行くならば、生みの親として、まつたくこの上ない、よろこびであり、よしんばそれが、私に對し痛いつらい鞭撻であつたとしても、そこに私として一層の反省鼓舞が加へられ、私自らはますますよくなつてゆくであらう。すべては生きて居てのことである。」と申しておりますが、没後90年になろうとしている今でもこうして取り上げていただけることには喜びを感じていると思います。
きっと今頃、あの世で母と再会して昔話でもしているかと思います。
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その序文には (透次)
2022-02-07 06:54:06
遠藤美彦様。

 その序文には孋無公先生の俳句に対する真摯な覚悟がしみじみと感じられ感銘を受けます。俳句に関わる者はみな肝に銘じていくべきことのように思います。

 寒い中お体を大切にお過ごしください。ありがとうございました<(_ _)>。
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追伸 (透次)
2022-02-07 07:23:45
追伸、遠藤美彦様へ。
孋無公先生の句集の序文を掲載させていただきました。貴重な書き込みをありがとうございました。<(_ _)>
http://blog.goo.ne.jp/virgo17_21/d/20110801
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早速ありがとうございます。 (遠藤美彦)
2022-02-10 22:29:45
透次様、早速のご掲載ありがとうございました。
祖父・孋無公はもとより、母も喜んでいるかと思います。
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