自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

新しい年こそ、共創と協走を常識とする時代のスタートの年に!

2016-01-02 10:22:01 | 自然と人為
 先が見えない混沌の時代から希望の共創と協走の時代の幕開けを期待し、新しい年を迎えたことを祝いたいと思います。

 昨年末は2015年12月27日放送、サンデーモーニング 年末スペシャル(part1part2part3)を考えながら年を越した。ことに「なぜ若者はイスラム国へ~格差と絶望、そして生きる意味と行動」(part2, 50:22~53:44)は、「神は死んだ」と言うニーチェのニヒリズムを身近に考えさせてくれた。

 社会心理学者の加藤諦三氏は、若者の絶望と生きる意味を求めての行動の関係を次のように説明している。
 「人間は自分の人生に意味が欲しい。しかし、現実には生きている意味も目的も得られない若者たちがいる。絶望感ですね。絶望感は向き合うのがつらい。イスラム国に集まる若者は、自分の絶望感から必死になって、目を背けようと思って道を外していった。絶望というのはいろんな形で姿を現します。絶望は変装がうまい。政治的な過激主義は絶望から目をそらしている。絶望は快楽主義にも変装してきます。あるいは拝金主義もそう。資本主義の典型的な人達と「イスラム国」とは全く違うと思うでしょうけど、それは行動が違うだけで動機は同じ。全部、絶望からくる。」



 「はじめにロゴス(言葉)あり」のキリスト教は人間中心主義を認め、それは白人中心主義の人種差別を生んでいるのではないか。アフリカから旅立った人類みな兄弟は、まずヨーロッパでは3万年前に先住民だったネアンデルタール人を絶滅させ、15~16世紀の大航海時代にメキシコの占領、マヤ文明崩壊を経てインド、中国、そして日本を植民地化しようとし、南北アメリカでは先に住み着いていた先住民から土地を奪った。今も日本は実質的にアメリカの植民地的統治国家だ。

 人は生まれ育った環境と、今いる場所から世界を見ている。科学は心を主観的と否定しているので、多くの人は自らに由って自由に世界を見る。しかし、世界の断面をテレビで観れても、見せたいものを見せるメディアもあれば、見たいものしか見ない人もいる。神や仏を通して世界を考える人もいるだろうが、日本は神の国だと誇りにして、強き者に従い弱気ものを虐げている人もいる。そして虐げられている人の中にも、強き者を求めている人が多い矛盾をどう考えれば良いのか。

 もう一つ考えさせられたのは、人生の半分をパソコンを道具にして来ながら、「つくる道具」から「使う道具」となり、「使われる道具」を拒否しながら、私にとっては「使えない道具」になろうとしている時代の変化である。ただの箱のパソコンをBASICで作る道具にしながら使う道具とした喜びの時代からMS-DOSの時代を経てWINDOWSを迎え、インターネットの時代となると、私にとってはブログしか作る道具としてのパソコンを使えなくなった。知識や文化は親から子へ伝えていくものだと思っていたが、パソコンのトラブル解決は子から親に指導される時代になってしまった。

 そこで考えた。使える道具が世界を変える。スマホやiPadの操作が世界標準となり、やがて手話や点字や歌と翻訳をミックスした共通語が使われるようになり、言葉の壁も容易に越える時代も来るだろう。国益と言われるものが、国民の利益よりも国の支配者の利益が優遇されるとき、国境は何を意味するのだろうか。多くの人の人権が大切にされる社会を求めて、人類の大移動が起きる可能性も予期される。

 日本では国が作られた古墳時代の歴史は、なぜ空白にされているのか。幕末の英雄、坂本竜馬を誰が暗殺したのか。ケネディーも誰が暗殺したのか。明らかにされないのはその後の政権と黒幕が絡んでいるからだろう。そうだ、これからは過去の歴史を明らかにする一方で、これまでの歴史の視点に欠けていた未来を考える時代だ。そういう意味で若い人たちが夢を語らねばならない。武力や集団的自衛権が抑止力になるというのは、過去に拘った支配者的たわごとに過ぎないと思う。

 人類みな兄弟、ネルソン・マンデラの言う「おもいやり」(ウブントゥ:人間は他の人々の存在を通して人となる)」も、サティッシュ・クマール(1)(2)「君あり、故に我あり」も、人類の生存を説明する生物学的にも科学的な真実である。他者を尊重することで自分も尊重され、絶望とは無縁の社会を構築できる。
 
参考:サティシュ・クマール講演 with 辻信一
 サティシュ・クマール、辻信一メッセージ
 平和思想の巨匠が語る日本が失くしたもの(サティシュ・クマール)
 【プロモーション映像】サティシュ・クマールの今、ここにある未来

初稿 2016.1.2

 

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