(ヨハネスブルグのサッカーシティ・スタジアム)
南アフリカに行ってきました。
サッカーファンの私は、どうしてもこの機会に南アフリカに行きたくて、現地滞在わずか3泊(2試合観戦)という大急ぎの日程で行ってきました。写真は、このワールドカップのために大改修されたヨハネスブルグのサッカーシティ・スタジアムで、決勝戦もおこなわれる9万4千人収容のアフリカ最大のスタジアムです。(自分の写真をあまり掲載しない方針なので、自分がよく写っていない写真を選んでいます。)
ちなみに、スタジアムの外観デザインは、アフリカ伝統の水筒であるひょうたんを意匠化したものです。
サッカーのことはまたあらためて書きますが、南アフリカ滞在は素晴らしいものでした。日本では、「犯罪多発」「治安が悪い」ということばかり取りあげられていますが、実際にはたいへん快適な滞在でした。
もちろん、1日50件の殺人事件が起こるという国ですから、安全な国とは言えません。しかし、「危険な地域」「危険な時間」に出歩かなければ、ヨーロッパの先進国にいるのとあまり変わらない生活ができました。先入観や一部の報道だけでその国のイメージを持つのはいけない、ということを強く感じました。
治安の問題だけではありません。たとえば、前回のワールドカップ・ドイツ大会と比較してみて、「きちょうめんなドイツ人」に対してアフリカの大会だから「運営がおおざっぱだろう」、という先入観を持っている人が多くいたようでした。
しかし、多くの点でドイツ大会よりも南アフリカ大会の方が、いきとどいた運営がされていたと感じました。
たとえば、試合観戦のマナー。ドイツ大会では、立ったまま観戦しようが、観戦中に煙草を吸おうが(観客席は当然ながら禁煙です)、どこからも注意がありませんでした。私の周囲に煙草を吸いっぱなしの人がいて不快でしたが、注意してトラブルになっても嫌で我慢していました。
ところが、今回の大会では、得点シーンなどに関係なく立ち上がってブブゼラを吹いている人は、大会スタッフが駆け寄ってきて「座りなさい」と注意しています。煙草も同様。「ドイツ人はきちょうめん」「ドイツ人は規則に厳しい」といった先入観とはまったく逆で、南アフリカ大会の方がよほどルールやマナーに厳密でした。言うまでもなく、私は今回の大会の方が、観戦していて気持ちがよかったです。
また、ドイツ大会では、オフィシャル・グッズを買おうとしても、販売所に列も作らずにでたらめに人びとが並んでいるので、30分待っても品物を手にとることすらできませんでした。それに比べて今大会では、販売会場に入れる人数を規制し、1列に待っている人たちから、今回は5人、しばらく経ったらまた5人という具合に入場させる方式でした。購入のために会計する場所も、現金で払う人とカードで払う人を多くの係員が振り分けしており、きわめて合理的に買い物することができました。
(マンデラ前大統領もいた刑務所)
ところで、私が観戦した2試合はいずれも現地夜20時30分開始。昼間は現地ツアーで、アパルトヘイトに関する博物館へ行ったり、ネルソン・マンデラ前大統領が入れられていた刑務所を見学したりしました。また、ソウェト(アパルトヘイト時代の黒人居留地区で、現在も貧しい黒人の住んでいる地域)を見学しました。そうしたことを通じて、ワールドカップという南アフリカの「光」と対になる「影」の部分も、ほんの少しだけ見ることができました。
(ソウェト地区の家)
もし南アフリカでワールドカップが開かれなかったら、私は一生そうしたことに目を向けることがなかったかもしれません。もちろん、アフリカでワールドカップを開いたのは、市場拡大を狙ったFIFAの営利戦略によるものですが、それでも、南アフリカという国に感心を持たせてくれ、充実した滞在をさせてくれたこの大会には感謝しています。
今日のタイトルは賛美歌の一つで、現在の南アフリカの国歌の一部になっている曲のタイトルです。もう一度繰り返しておきましょう。
「神よ、アフリカに祝福を」
「ご無事でなにより!」と思ってしまいますが、
快適なご旅行だったようですね。
今度ブブゼラ見せてください!笑
私は先日、ブブゼラの楽譜を手に入れましたが…
見てビックリ、でした。