http://mainichi.jp/area/news/20120630ddn041040005000c.html
大阪市の橋下徹市長は29日、市内の全生活保護受給者約15万3000人を対象に、扶養義務がある親族の勤務先を調査すると表明した。7月から半年程度かける。芸能人や公務員の親族が生活保護を受給するケースが議論になっており、市は扶養義務者の資産状況を把握し、扶養が可能か改めて確認する。【茶谷亮】
橋下市長は29日の記者会見で、「どういう場合に生活保護がだめだと言えるのか、現場は(線引きに)苦労している。すぐにルールを作れるわけではないが、とりあえず調査したい」と述べた。市は現在、受給申請の際に扶養義務者の年収を尋ねているが、勤務先は把握していなかった。来月上旬から、ケースワーカーが受給者に面談する際などに、所定の用紙に記入を求める。
民法は、親子や兄弟のほか、特別な事情がある場合は家庭裁判所が3親等までの親族に扶養義務を負わせることができると定めている。橋下市長は「公務員の生活は安定しており、給与も民間に比べれば高い。(親族が受給している場合)なぜサポートできないかと考えるのが市民の率直な感覚だ」と話した。
◇堺市職員22人、親や子ら受給 東大阪も30世帯
堺市によると、同市では市職員22人の親や子などが生活保護を受給。22人のうち4人は仕送りをしていた。仕送りできない理由は、絶縁状態▽受給者の借金返済を肩代わり▽自らの経済状況--など。竹山修身市長は「長年生き別れになっているなど理由があり違和感はない。再チェックはする」と述べた。
東大阪市では受給している30世帯に扶養義務のある市職員がいた。多くはローンなどのため「支援できない」と答えたという。【山下貴史、重石岳史】