東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

Q 地主から一方的に地代値上げを請求された、支払わないといけないのか

2024年04月16日 | 地代家賃の増減
○A 借地借家法では、地代の増額について、①土地に対する租税その他公課の増加、②土地の価格の上昇その他経済事情の変動、③近傍類似の土地の地代等と比較により不相当である等の事情がある場合値上げ請求できるとされています(借地借家法11条1項)
 地代など賃料は地主と借地人との協議によって、双方が合意した時に、地代が確定します。地主が地代の増額を一方的決め、借地人が従うしかないわけではありません。地代の値上げに応じないからといって、地主に借地契約を解除することはできません。地主の値上げ額が相当なのかどうか、話し合いがつかなければ最終的は調停、裁判で決まります。
 裁判で争うと裁判費用や弁護士費用などそれなりに費用がかかり、そこまで争う費用対効果も考える必要があります。できれば、話し合いで決めることが最善ですが、これも相手があることなので難しいケースもあります。地代の相当な額の判断基準があるといいのですが、不動産鑑定士の地代の算定も不動産鑑定士によってまちまちです。増額請求の根拠とされる①の土地の公租公課額は借地人でも固定資産税の課税課で調査することが可能です。まずは、地主が支払っている固定資産税と都市計画税を調べてみましょう。借地人であると証明書類、契約書や地代の領収書があれば、課税課で土地課税台帳登録事項証明書を発行してもらうことができます。ざっと固定資産税と都市計画税の
3倍程度支払っていれば、相当な地代であると考えていいでしょう。3倍以下の場合には裁判で争い、不動産鑑定すると地代が値上がりする事例が多いようです。
 地主の中には、借地人との話し合いにも応ぜず、地価の利回り率をかけて、現在支払っている地代の2倍、3倍と無茶苦茶の値上げ請求するケースもありますが、その場合にはしっかりと増額請求を拒否しましょう。
借地借家法11条2項では、「裁判で地代が確定するまで増額を請求された借地人が相当と認める額の地代を支払うことで足りる。」とされています。借地人が相当と認める地代を決めることができるのです。自信を持って地主と交渉しましょう。(東京多摩借組ニュース)

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公示地価3年連続上昇 懸念される地代・家賃の値上げ問題

2024年04月08日 | 地代家賃の増減
 3月26日に今年の1月1日現在の公示地価が発表されました。東京都内の住宅地、商業地、工業地を合わせた全用途で地価が上昇し、3年連続の上昇となりました。新型コロナウイルスの5類以降に伴って、経済活動が正常に近づく中で、マンション需要の高さや各地で進む再開発や各地で進む再開発などが上昇の背景にあるとみられています。住宅地の変動率は区部が5・4%、多摩地区2・7%で、23区は大きく上昇しています。区部で最も高いのが豊島区で7・8%、次いで中央区7・5%、文京区7・4%で、都心5区平均6・9%と他の区を上回っています。

 多摩地域は、高いのが調布市の4・5%、府中市4・4%、なお多摩地区で駅から遠く利便性の悪い地域で地価が値下がりしている箇所も見られます。多摩地域の商業地では、狛江市5・9%、武蔵野市5・8%、国分寺市5・4%と上昇しています。区部の商業地では台東区9・1%、荒川区8・3%、中野区8・2%などで値上がりしています。

 懸念されるのは、地価の上昇の影響で地代・家賃の値上げです。組合にはすでに賃貸マンションの家賃値上げ、地代増額の相談が寄せられています。地主家主から値上げの請求がありましたら、組合にご相談ください。地代・家賃は貸主と借主が協議して決めるもので、一方的な値上げに応じる必要はありません。


地代・家賃の増額のご相談は

東京多摩借地借家人組合まで

電話 042(526)109
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地主の現行地代の12・4倍の異常な地代値上げ

2024年01月24日 | 地代家賃の増減
 三鷹市上連雀で借地をしているMさんは、2年前に地主が変わり、2021年11月に組合事務所で地主と面会して以来、話し合いにも応じず一方的に地代の増額請求を繰り返していますの
 令和3年10月に令和4年1月分~月額67,000円、令和4年10月に67,000円を撤回して、月額12,5000円に増額、令和5年5月に令和4年1月分から月額150,500円に増額、令和5年11月に令和6年1月分以降、月額250,000円に増額するという異常な金額を請求しています。

 Mさんは、令和3年に支払っていた地代が月額20,150円なので実に地主の値上げ額は12・4倍の値上げになります。Mさんは話し合いもなく、一方的で不当な値上げ請求に対し、配達証明で拒否通知を提出しました。
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現賃料が公租公課額の6・9倍の地代なのに地主の代理人から増額請求

2023年11月18日 | 地代家賃の増減
 葛飾区内に土地を賃借している川部さん(仮名)は地主代理人より賃料増額請求を受け、困って葛飾借地借家人組合に相談した。
組合は川部さんから現在の状況と請求された賃料などを検討し次のようにアドバイスをした。
まず地主に対し公租公課の開示を要求し確かに賃料増額しなければならない根拠を示してもらうため通知書を送る。
借地人として賃料増額に満額応じるのか、一部なら応じるのか、全く応じず拒否回答をするのか腹積もりを決めておくと説明。
通知書送付後、ほどなくして地主代理人より資料が組合に届き固定資産税を算出したところ現賃料は固定資産税の6.9倍であることがことが判明し驚いた。
今回の増額請求は坪100円増額、固定資産税の8倍にあたる。年金暮らしの借地人にとってはかなりの負担になる。近隣の借地賃料と比較してもかなりの高額であり不当な請求といえる。合意できないと地主に内容証明郵便にて通知したが以後何ら返答はない。(東京借地借家人新聞より)
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家賃の大幅な値上げを請求された、値上げを断ったら契約の更新を拒否すると言われたが、どうしたらよいか

2023年10月18日 | 地代家賃の増減
Q 賃貸人から地価が上がっているので、今度の契約更新で家賃を2割値上げしてほしいと言われています。そんなに値上げはできないと断ったら、値上げに応じなければ契約の更新はできないと言われました。どうしたらよいでしょうか。

A 賃料(家賃)の増額は、当事者である賃貸人と賃借人の協議で決めるもので、賃貸人が一方的に決めるものではありません。確かに地価は物価が上がっていますが、賃金や所得が上がっているわけではなく、近隣の家賃の相場やこれまでの賃貸してきた事情等や長く賃貸している場合には、建物や設備も老朽化していたり、様々な要素を考慮して現在の家賃が適正なのかどうか判断します。賃借人の経済事情もあるかと思います。

 そう考えると賃貸人に2割も家賃を上げる根拠はないのではないかと思います。値上げに応じないからと言って賃貸借契約の更新を拒否したり、解除する理由はなく、契約期間が満了したら、賃借人は従前の家賃を支払い続ければよく、賃料増額と契約の解除にきっぱりと拒否する回答をしましょう。仮に、賃借人が相当と考える賃料の支払いを賃貸人が拒否してきたら、支払い先の管轄の法務局に供託しましょう。

一方、賃貸人が値上げを認めさせるために、簡易裁判所に賃料増額の調停を申立ててくることも考えられます。その時は、組合や顧問弁護士の法律相談に参加しご相談ください。

(東京多摩借組ニュースより)
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地代現行地代の4倍増額 駐車場で貸している土地の一部が借地 

2023年07月19日 | 地代家賃の増減
 文京区内に土地約40㎡を賃借している本多さん(仮名)は地主から法外な賃料増額請求を受け、困って組合に相談に来た。
現行地代は23区内では平均的な値段で、決して不相当であるとは感じなかった。
地主が請求してきている額は現行地代の4倍で、とても納得できる金額ではない。
代理人弁護士を立て調停を申し立ててきている。
根拠として公租公課の上昇を課税証明で提出してきているが、本多さんが賃借している土地は分筆されておらず地主の土地総面積約1000㎡の課税証明を根拠にしている。
地主の一筆の土地は最近駐車場にした部分がありそれで公租公課が上昇したと考えられる。
本多さんは早速組合に入会し引き続きアドバイスを受けることにした。
調停には1回出席し、借りていない部分の公租公課が上昇したという根拠での賃料増額は受け入れられない。
満額は応じられないと主張し、地主側の反応を見て対応することにした。なぜこんなに急に値上げをするのか不思議に思っていた本多さんだが、確固たる根拠と言えないことがわかりこんな地主もいることに驚いていた。(東京借地借家人新聞より)
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東京都市開発株式会社が地代増額で裁判 値上げの理由は公租公課の5倍 値上げの根拠説明せず

2023年07月18日 | 地代家賃の増減
 三鷹市上連雀で約38坪の宅地を借りている山本さん(仮名)は、地主の千代田区永田町に本社がある東京都市開発株式会社から地代増額の訴状が武蔵野簡易裁判所から送られてきました。同社は地上げ業者の大手で、社員は関西出身で、これまでに組合でも2000年代以降多くの方から相談を受けています。この会社から独立して地上げ業者になっている会社が多数あり、悪質な嫌がらせ行為もあり、国土交通省に申しれを行ったり、2015年には東借連の弁護団で「ブラック地主・家主対策弁護団」を設立するきっかけになりました。

 そんな東京都市開発の脅しに負けず頑張っている山本さんに対し、令和3年8月分以降の地代を公租公課の5倍に突然値上げを請求し、山本さんは組合と相談し地代の増額を拒否し、法務局に供託しています。その後、同社は令和4年8月に令和4年の公租公課の5倍に値上げを求め、簡易裁判所に調停を申立ててきました。山本さんは、調停の中で公租公課の3倍の譲歩案を出しましたが、同社はあくまで5倍を主張し、今年4月に調停は不調となりました。

 同社は弁護士を代理人に立てず、同社の社員一人が支配人として裁判所に出向き、同社の訴訟案件を全て担当し、今回の訴訟ではどういうわけか令和3年以降の値上げは請求せず、令和5年5月分以降の地代の増額を請求してきました。

 山本さんは父親の代から土地を借りていますが、旧地主は農協の紹介で平成27年1月に同社に土地を売却し、「底地を買うか、借地権を売るか」二者択一を求められ、どちらも拒否し組合に加入して頑張ってきました。同社は公租公課の5倍が適正地代である根拠を全く示しておらず、山本さんは裁判所に対し、専門委員に適正地代の査定を求めていきます。他の組合の情報では、裁判所も地代増額の根拠も示せないため、訴訟を進められず、訴訟取り下げになる事例も起きているようです。
(東京多摩借組ニュース7月号)

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地代増額を一方的に請求する地主 協議成立しなければ借地人は相当と考える地代を支払う

2023年01月17日 | 地代家賃の増減
 組合ニュース632号で紹介した三鷹市上連雀の地主はその後も荒唐無稽な地代増額請求を続け、当初主張していた月額67,000円の請求を撤回し、改めて月額125,000円を請求してきました。
 地主が主張する地代の計算式は、路線価格÷80%=106,510,342円×底地権割合40%×6%=経済価値のある地代であり、借地人が支払っている地代は土地の経済価値に見合わない。現行地代は収益事業といえず、慈善事業のレベルとこき下ろしています。

 年末に地主から組合に送付された文書では貴殿が主張する「公租公課額の2倍が相当地代」であるとする根拠を示せと主張し、今の社会情勢を反映した契約にすべきであり、契約を結びなおさないのであれば、今度の法定更新時に相応の更新料を申し受ける予定であることをご承知おきください」と、またまたおかしな主張を繰り返しています。借地人のMさんの母親が契約した時は昭和51年なので、すでに2回法定更新しており、次の更新時期は2036年と後13年後の話であり、法定更新しているのに更新料を支払うことにはなりません。意味不明の文書です。

 組合では、地代の改定は、地主と借地人が協議して決めることが前提であり、協議が成立しない時は借地借家法では借主が相当と認める額を支払えばよく、最終的は調停・裁判で決着がつくもので、地主が勝手に地代を決めることはできないと反論し、一方的な主張ではなく、協議に応じるよう求めています。(組合ニュースより)
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調停申し立て、地代を大幅に値下げさせる

2022年08月22日 | 地代家賃の増減
 本件は昨年7月に鎌倉簡裁に調停を申立て、約1年かけて合意に至りました。調停の目的は、不当に高くなった地代の減額を実現させ、更新契約書の作成を有利に進めることです。

 地主が、以前の話し合いの中で更新料を請求しない等の合意を白紙に戻してきたことに、私は対抗策として、通常ない借地人の権利を盛り込んだ契約書案を3回目の調停の場に提案しました。その内容は、借地人の生活権を無視して一方的な都合だけを押し付けてきた地主の案に対して、判例などを根拠に借地人の権利を明示し、そして常識的義務も入った真っ当なものでした。その証拠に、私の案に沿って調停することに同意してきました。

 地主は、地代の減額に応じる代わりに私の案にいくつかの修正と残っている諸問題をセットで解決する強い意向を示してきました。


 私は、組合と毎月の法律相談で顧問弁護士から有益かつ役立つ助言を得て地主と交渉してきました。地代や解除通告期間、更新料規定等の中心問題はほぼ目的実現となりました。そして調停というものは互譲精神が必要と再認識して、早期に調停和解することに応じたのです。

 以下の主要な成果点を列挙します。①地代月額4万円➝2万円と大幅に減額。②地代未払い32万円➝半額に下げさせる。③更新料30万円➝更新料は次回協議する。④契約違反に対する解除催告なし➝一定期間の催告あり。⑤地主は借地内を勝手に使用しない。⑥地主が借地内に置いていた物置はこちらに譲渡する。以上6項目を合意しました。

 7月19日、鎌倉簡裁で調停成立と更新契約書を交わしました。約2年間に及んだ地主との話し合いが安易に妥協せずに正当な権利を主張し続けられたのは、組合と顧問弁護士の頼れる存在がありました。

(東京多摩借組ニュースより)
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地主の代理人弁護士が明渡し請求の次は地代3倍値上げと無茶苦茶な請求

2022年08月04日 | 地代家賃の増減
 板橋区内に3代にわたって土地を賃借している大蔵さん(仮名)は数年前相続で借地権を引き継いだ。

最近になって地主代理人弁護士から通知があり、土地を地主が使用するので明渡してほしい。もし明渡さないのであれば現行賃料を3倍程度に増額するというものだ。

通知書も弁護士らしからぬ事務連絡と銘打って普通郵便にて送られてきた。

大蔵さんは組合員だったので、組合に相談に来た。

組合で改めて事務連絡と書かれている書面を確認するが増額の根拠は書かれていなかった。

大蔵さんは明渡しを拒否するなら賃料を3倍程度に増額するということ自体根拠にならないと感じていた。

そこで組合と相談し地主代理人弁護士宛に通知書を作成することにした。

内容は引き続き借地し続けたいため明渡す意思はない。

賃料増額請求するならば増額しなければならない根拠を示してほしい、合意していないので現行賃料を引き続き支払うと綴った。

長く組合に入っている大蔵さんなので、組合新聞を読み事例はよくわかっているため、このような請求事例は今まであまりないようだが、最近はこのような理由なき請求が増えたのか疑問に感じると言っていた。
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賃料の増減額請求とその対応についての法律知識

2022年04月22日 | 地代家賃の増減
 最近電話の相談で、賃貸マンションのオーナーが代わった途端に、家賃を一挙に1万円増額請求された。また、長くアパートに入居しているが、最近入居した人の方が家賃が高く、家主に家賃値下げを要求したら僅かな金額しか下げてくれず、他の人には言わないよう口止めされた等の相談がありました。

 地代・家賃の増減額についての法律知識についてご説明します。

 賃料の増減額請求をするには、従前の合意賃料がその後の経済事情の変動等の事情の変更により、不相当となっていることが必要です。借地借家法では、不相当を判断するための要素として、①土地や建物に対する租税その他負担の増減、②土地建物の価格の上昇低下その他経済事情の変動、③近傍類似の賃料との比較、④その他の事情をも合わせて総合的に判断するとされています。
 以上のように、値上げをするには、貸主の主観的な判断で値上げできるわけではなく、値上げの根拠を賃借人に説明し、賃借人が納得した場合に値上げの合意が成立します。家賃を毎月一挙に1万円も上げられたら、賃借人は賃料が生活費に占める割合は高く、生活に重大な影響を与えます。賃借人は、値上げが不当と思えば値上げに反対の意思表示を行います。意思表示はメールとかラインで送る人がいますが、やはり書面で送った方がよいです。
 値上げ額について、協議が成立しない時は、借地借家法第11条2項で「地代等の増額について当事者間に協議が整わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等を支払うことをもって足りる。┉┉┉┉」とされています。(家賃も同様)従って、とりあえず値上げする前の現行の地代・家賃を支払えばよいのです。地主(家主)が値上げをしなければ賃料を受け取らないと言って、賃料の受領を拒否してきたら法務局に供託します。また、現在の賃料はちょっと安いなと思えば、このぐらいなら値上げしてもよいと考える賃料を相当と認める額として支払うことも可能です。
 賃貸人がどうしても値上げしようとすれば、調停を申し立て、最後は裁判で賃料の相当額がいくらが適正かを決定します。そうなると、弁護士費用や裁判費用(鑑定費用)等もかかるので、最後まで争った方がよいか費用対効果も考えないといけません。

賃料減額請求は書面で

 賃料の減額の請求は、賃借人の方から請求しなければなりません。過去にさかのぼって請求することはできませんので、必ず書面(内容証明郵便)で次回に支払う賃料から請求します。よく聞かれる相談で、減額した額で賃料を供託できるかですが、減額についてはが逆に賃貸人が減額には応じないので、今支払っている賃料相当額で支払うよう求められた場合には、賃借人が勝手に賃料を減額して支払うことはできません。
減額を請求する場合も、減額を請求する根拠が必要です。近隣と比べて明らかに賃料が高いことを証明する証拠が必要です。例えば、以前支払っていた地代は公租公課額の3倍だったが、固定資産税が値下がりして現在の地代は公租公課の4倍になっている等の資料があれば、減額請求の有効な証拠になります。

 その場合は、減額の調停を申し立て、減額が確定するまで現行賃料で支払い、減額が確定したら減額を請求した時から減額されます。ご相談は組合で受け付けます。まずは、組合にご相談ください。

東京多摩借地借家人組合

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ネットで契約更新したら、家賃が上がっていた オンライン契約要注意

2022年04月06日 | 地代家賃の増減
 長野市の林さん(仮名)はアパートの更新時にネットで家賃の値上げが通知されました。本人は通知をよく見ずに更新の返信をしてしまい、すぐに値上げの気づき連絡したところ、不動産会社大東建託は「すでに手続き済み入力してしまったので変更できない」との返事でした。

 林さんは、長野市消費生活センターに相談し、組合を紹介され相談がありました。早速、同社の担当者に連絡し「賃料改定にあたってその内容を説明しないまま一方的に値上げすることは、消費者契約法や借地借家法からも納得出来ないので、ただちに本人に説明し納得してもらうようにすべきだ」と連絡しました。その後、同社から「今回は賃料値上げをせず現状の条件で更新します」と連絡がありました。

 なんでもネットの時代になり、お年寄りやなれない人に、このようなやり方が増えてくることが予想され注意が必要になっています。

(全国借地借家人新聞より)




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借家の家賃の大幅値上げ請求、これ以上値上げしたら家賃払えなくなる

2022年04月01日 | 地代家賃の増減
林家さんは、京都市内の借家で親子二人で住んでいました。いままで多額の費用を費やして建物の修繕を行いながら生活を維持してきました。突然家主が不動産会社に変わり、賃料を2倍弱にするとの通知を受け取りました。とても払える金額ではなかったのでそのまま現行賃料を払っていました。後日、家主は調停申立を行ってきました。母親は、現行賃料でも1人になれば支払いに困るのに、上がれば払えなくなると心配していました。しかし、調停では、少しの増額には応じることを主張しましたが家主は受け付けませんでした。その後、申立人と代理人弁護士に会って建物の維持管理の状況を説明しました。後日、弁護士から立退料の提示を受けました。調停は、不成立となり、現行家賃でも厳しい状況と1人になった場合には払えなくなる不安から明け渡す方向で交渉を行いました。その結果、家主の譲歩を勝ち取り、立ち退きをすることで合意しました。
林家さんは、この地を離れれば生活環境が変わり、人との交流もなくなることから立ち退きを拒んでいましたが、家賃が上がれば払えなくなることを恐れ、明け渡しの決断をしました。
収入が増えない高齢者や低所得者の場合、賃料増額は生活を大きく変えてしまいます。高齢での移転はリスクをともないます。住み慣れた場所で生活をしていくためにも家賃補助は欠かせません。家賃補助制度を創設させましょう。

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将来の相続対策のために地代増額請求 増額の根拠なしと反論 値上げ認めなければ借地人の私道の通行認めない

2022年03月16日 | 地代家賃の増減
新宿区内に宅地約30坪を賃借している組合員の森川さん(仮名)は近所に住んでいる地主から口頭で賃料増額請求を受け、強硬な言葉に困って組合に相談に来た。組合は今後真摯に協議するためにも地主に賃料増額の根拠等を明記した書面を出してもらうようアドバイスした。

一週間も経たず地主から書面が届いたが、増額の根拠に組合も困惑してしまった。いずれ起こるであろう相続に備え相続税対策として財産を貯めておきたいので賃料を増額し、借地人に負担させるとのことであった。さすがにこれは賃料増額の根拠とは言えないとして拒否の通知書を森川さんが作成、組合が添削し、送付することにした。

やはり一週間も経たずして地主から返答の書面が届き、地主の言うことが聞けないのであれば今後何も借地人の主張は受け入れない。地主の私道も通行してはならない。場合によっては損害金を払って出て行ってもらうという内容だった。
森川さんは賃料増額に合意すれば地主と関係が修復するとは考えられないとして断固拒否することにした。場合によっては弁護士相談も考えることにした。

借地借家問題のご相談は

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家賃1・5倍まで段階的に値上げを管理会社が請求

2021年10月20日 | 地代家賃の増減
京都市内に居住する伊崎さんは、管理会社から賃料の増額と更新料の請求をされました。内容を確認したところ、家賃が1・5倍で今までなかった更新料が2年ごとに家賃の1ヶ月分と記載してありました。伊崎さんは、「年金暮らしの私ではとても払える金額ではない」、「どうしたらいいか分からない」と途方にくれていました。賃料増額通知は、マンションに居住するすべての人にきていることから居住者の方に相談会開催の案内をしました。

 相談会当日は、二世帯が集まりました。そこで、賃料増額には合意が必要であり、更新料は入居時の賃貸借契約書にはなかったので払う必要はないことを話し合いました。そして、管理会社に引き続き住むために少しの値上げは仕方がないと許容できる金額を提示しました。

 後日、管理会社から、提示した賃料では受け取ることができないこと、要求賃料を当面下げるが今後は2年ごとに値上げを行い、当初予定賃料まで上げていく、更新料については設定しないという家主の意見を聞きました。更新料を設定しないことになったことは良かったのですが、賃料は段階制を取っているだけで最終金額は一緒になることから、とても応じられないと再度管理会社の担当者に話しをしました。

 今後は、家主に値上げの理由を示すこと、回答された値上げ案では応じられないことを通知し、直接交渉を行っていくことにしました。

(全国借地借家人新聞より)

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