東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

国立市のアパートが地上げ屋に売却され 明渡し交渉を断念し、突然明渡し訴訟提訴される

2024年01月18日 | 明渡しと地上げ問題
 国立市谷保で3DKのアパートに住むSさんは、2年前の7月に家主がアパートと土地を千代田区神田の不動産会社K社に売却し、K社から16年間住んでいたアパートの退去を求められました。

 最初は立ち退きに応じれば80万円の立退料を出すといって交渉していましたが、簡単には転居先が見つからず、交渉も進まなくなると、今度はK社の代理人の弁護士が現れ、地震が来ると建物が倒壊するので早く立退くよう圧力をかけてきました。Sさんはアパート入居の際、猫を飼育することを条件に入居していますが、転居先の条件が折り合わず、交渉が進まなくなると突然、昨年8月に猫を多頭飼いしている、共用部分に私物を置いているとの理由でアパートの用法遵守義務違反で契約を解除する、2週間以内で退去せよ、立ち退かなければ損害賠償を請求すると内容証明郵便で請求してきました。驚いたSさんは、組合事務所前の看板を見て組合に入会し、相談しました。
 そして、12月20日過ぎに東京地裁から今年の1月15日に建物明渡訴訟の第1回口頭弁論期日呼び出し状が届いて、直ちに組合に相談し、年明けの1月9日に三多摩法律事務所で小口弁護士と相談し、明渡し訴訟の代理人を引き受けてもらいました。今後、訴状に対する答弁書の作成について小口弁護士と打合せを行うよう予定で、Sさんはやっと安心しました。

(東京多摩借組ニュースより)

地上げ・明渡しの相談は

東京多摩借地借家人組合まで

電話 042(526)1094
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

全借連第2回オンライン学習会「借地・借家をめぐるトラブルと対象法」 兵庫借組の田中組合長講演

2023年10月27日 | 明渡しと地上げ問題
 全借連は第2回オンライン学習会を10月23日午後2時~4時まで開催しました。今回のテーマは「借地・借家の立退きをめぐるトラブルと対処法」について、兵庫県借地借家人組合本部の田中祥晃組合長が講演しました。

 講演は、①組合の相談で初回に用意するもの、③地上げ屋の本質を見抜くこと、③組合に入会し、最後まで組合と一緒に頑張る、④集合住宅ごと地主ごとに参加者による班組織を作ること、⑤空き家が目立つ一方で、なぜ立退問題が生ずるのか、⑥借主には住み続ける権利=借家契約を継続する権利が保障されている、⑦正当事由とは何か?どのようにして判断するのか、⑧立退料の額の算定―主たる要素としての使用の必要性との関係、⑨立退料の額の算定要素、⑩立退料の額の算定方法、⑪ブラック家主に対する規制以上について、最後に地上げ屋対策心得10か条について説明し、組合員全員が10か条を守って頑張ることが重要であると強調されました。

 引き続いて質疑応答が行われました。家主側から借りている建物の耐震性を問題にする事例が多くあるが、どのように対応するか。裁判になった場合には組合で1級建築士を立て、耐震性が問題ないことを立証する。身寄りのない高齢者の立退きでは転居先を探すことは困難なケースもあり、本人一代限りの終身契約を結ぶ事例もある。地上げ屋対策10か条は大いに普及させること等が議論されました。







コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地上げ110番 NHKで放送され、相談の電話鳴りやまず

2023年08月01日 | 明渡しと地上げ問題
 突然土地や賃貸住宅を買取り、借地借家人に立ち退きを迫る地上げ問題が東京など首都圏や近畿圏で多発しています。バブル期と同様の手口で脅しをかけ、「令和の地上げ」として恐れられています。

 東借連では、地上げ問題を社会問題として訴え、相談を掘り起こすために、7月30日(日)の猛暑の中、「地上げ110番」を実施しました。東借連の弁護団から2名の弁護士と、東借連の役員3名で午前10時から交代で相談に応じました。NHKの関東・甲信越のお昼のニュースで地上げ110番の様子が放送されると、相談先の電話番号を見た人達が、一斉に電話をかけ2台の電話が鳴りやまず、相談の対応に追われました。

 午後3時以降も電話がかかり、3時半まで電話を受け付けました。相談件数は合計38件で、相談の内訳は地上げ9件、明渡し5件、契約の更新2件、借家の修繕2件、保証会社1件、借地権の売買2件、賃料値上げ3件、貸主の嫌がらせ2件、家賃の支払1件、相続2件、家主・地主の相談5件、その他3件でした。

 相談の中には、高齢な借地人に対し、地上げ業者から「借地権を売って施設に入れ」、「底地を買い取らないと地代の値上げをする」、「業者が5月末に突然やってきて7月末に出て行けと言われた。断ってもマンションのドアを10分おきに叩き、自宅で安心して仕事ができずやむなく家を転居した」等の切実な相談がありました。


地上げの相談は東京多摩借地借家人組合まで

電話 042(526)1094
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アパートの解体通知が突然に

2023年05月19日 | 明渡しと地上げ問題
 今年2月に、家主からアパートを解体するので5月末までに退居を求め、不動産会社を紹介してきました。突然のことで入居者はどうしていいのか解らない状況でした。チラシを見た借家人から相談があり、みんなに集まってもらうようにしました。入所者9人中5人が集まり意見交換しました。

入居者は、何時までも住むことは考えていない、立退料と次の住まいを確保してもらえば問題はない、40年も住んでいるのでここを終の棲家と考えていた、高齢であり引越はできない、病気もありこの地を離れることは考えていない、いまの家賃で住むところがないなどの意見が出されました。そして、急な立ち退きには応じることはできないと家主に連名で通知をすることにしました。再度集まりましたが、それぞれの事情も異なることから連名に名を連ねる人がまとまらず、最終的には個人で対応することになり、一人が家主に明け渡し拒否の通知を送りました。

家主から書類がきて2ヵ月が経過しましたが退居されたのは数名だけで家主の動きも止まっています。家主の動きを見ながら対応することにしました。

(全国借地借家人新聞より)

 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地上げ業者の嫌がらせに法規制を

2023年04月18日 | 明渡しと地上げ問題
4月3日(月)NHKのクローズアップ現代で地上げ問題が取り上げられた。

東京借地借家人組合連合会常任弁護団会議の模様が放送され、常任弁護団の種田和敏弁護士がインタビューに答えていた。東京借地借家人組合連合会会長細谷紫朗氏、事務局長高橋雅博氏も映し出されていた。
番組内では東京都内とだけ紹介されていたが、生魚を吊るした建物は港区のマンションで、業者の社員が居座って嫌がらせをするのが練馬区の借地の現場である。

組合では昨年独自に取材をしており、現在の社員が居座る前の様子をカメラに収めている。屋根の高さにまで達する白いビニールシートで建物を覆い、青のビニールシートと工事用のバリケで作った幅50㎝程番組内でも紹介されたが、業者のその嫌がらせに耐えかねて老夫婦の借地人の奥様が自ら命を絶ってしまった。

また、解決済みの件になるが北区内では、東京都内で初めて練馬、港区と同じ業者が地上げを行い、60㎝ほどの生のサワラを吊るして腐らせ、臭いを発生させて嫌がらせをしていた。

この時はなにわナンバーのワンボックスカーで乗り付け12人くらいの社員が大きな声で「出て行くなら金は出してやるぞ」などと怒鳴っていたそうだ。近隣住民が警察を呼ぶと、業者は独り言で「自分たちの土地で散歩をしていた」と言い訳したという。東借連ではブラック地主に対する対策を検討している。
           
       
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

底地買い業者が通路を補修したら、無断でやったと契約解除通知 

2023年03月31日 | 明渡しと地上げ問題
 三鷹市内で約29坪の土地を借りている山内さん(仮名)は、6年前に地主が土地をT株式会社に売却し、山内さんは高齢のため3人の娘さんたちが心配して、相談できるところはないかインターネットで調べ、多摩借組に入会した。 
        
 T株式会社との交渉は組合が間に立ち、地代もT社の社員が集金に来ていたが、土地の買い取りも借地権の売却も拒否すると、地代の集金に来なくなり、現在は地代を法務局に供託している。

 山内さんは高齢で要介護状態のため、私道の通路がガタガタで通行することが危険なため、昨年介護保険を使って通路を補修しようとT社に許可を求めたが、T社は理由も示さず拒否してきた。そこで、昨年8月に介護保険は使わず、自費で通路を安全に通行できるよう補修した。

 するとT社は、今年2月に入り、突然内容証明郵便で「賃借人の住宅改修は承諾しない旨を通知したにもかかわらず、改修が行われた。賃借人との信頼関係が崩壊したことは明らかであり、本契約を解除する」と一方的に通知してきた。

 組合では、山内さん達と相談。直ちに内容証明郵便で「信頼関係破壊に当たらす契約の解除は認められない」と反論した。(東京借地借家人新聞より)


底地買い・地上げ問題のご相談は

東京多摩借地借家人組合まで

電話 042(526)1094

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岐阜県の旧雇用促進住宅が老朽化理由に明渡し請求

2023年03月15日 | 明渡しと地上げ問題
 2月26日(日)午前11時、岐阜県健羽島郡笠松で雇用促進住宅が2棟あり、78室中、居住者12世帯が残され、そのうち8世帯が集まり、立退き問題で相談会が行われた。

雇用促進住宅は、2016年に全国2900棟が民間に売却され、引き渡し後10年間は入居条件を変更ができないとされていた。ところが、昨年5月頃、笠松雇用促進住宅の「テレビの共同アンテナ」が故障し、管理会社に修理をお願いしたところ、家主は「この住宅は老朽化しており、令和5年に建物を解体する」と通告してきた。

住宅に40年前から居住している類沢勇さんは、2年前、テレビ東京の番組「ガイヤの夜明け」でブラック家主の立退き問題で出演した兵庫借組の田中組合長の映像を見て、電話番号を控えていて今回兵庫借組に連絡して、相談会を開くことになった。

参加された多くの人は70才台で、家賃は1万8千円~2万8千円。ここを出ていけば住む借家がなく、ここに住み続けたい。契約の更新を拒否されたらと不安をかかえています。家主が借家の明け渡しを求める場合は正当事由が必要で、建物の老朽化だけでは正当事由として認められない。建物の老朽化を理由に立ち退きを迫っても立ち退きを拒否すれば契約は法定更新され、住み続けることができると説明しました。

参加者8名は住み続けるために、全員組合に入って頑張ることを決意し、組合の加入申込書に記入し集会を終えました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

都内各地で底地買い、地上げ業者が暗躍

2023年01月23日 | 明渡しと地上げ問題
 東京都内には数多くの底地買い業者(地上げ業者)がいて、都内各地で暗躍中です。

地主から安価な値段で底地を買取り、借地人に「借地権を売るか底地を買うか」の二択を選ばせ、地代集金時の度に選択を迫ってきます。

売りも買いもしないと返答すると、以前は底地を第三者に売却する、明渡し請求をすることが多かったのですが、最近は賃料増額請求をしてくることが多くなりました。
以前のように底地を簡単に転売できなくなったことが考えられます。

最近の事例では、底地の買取りと明渡し請求に大半の人は応じたのですが、数軒は応じませんでした。それに対し底地買い業者がとった行動は通路をビニールシートで狭い入り組んだものにし嫌がらせをしました。
残った借地人には更地になった部分に社員が寝泊まりする小屋のようなものを建て、毎日騒いだり、ごみを散らかして嫌がらせを行い、借地人自らが根負けして出て行くようにします。

また買取ったアパートの出入り口付近に、生魚を吊るして腐らせたり、生卵を置いて卵を育て中と書くなど意味不明の嫌がらせもします。
今後も底地買い業者の嫌がらせはなくなることはないと考えられ、悪質な不動産業者の規制が必要であると考えます。           
       

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【独自】高級住宅街で“立ち退き騒動” つるされた生魚…住民困惑「マフィアみたい」

2022年12月17日 | 明渡しと地上げ問題
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000276079.htm

 東京でも屈指の高級住宅街・白金台のマンションにつるされた魚や散乱したごみの山。取材を進めると、住民への強引な立ち退き要
求があったことが分かりました。

■つるされた生魚…地面には「卵育て中」

 先月、東京・港区にあるマンションで撮影された映像です。
 1階の入り口にスプレーで書かれたとみられる「持久戦」「バンザイ」という乱雑な文字。「干物」と書かれた先には、複数の魚が
つり下げられ、地面には「卵育て中」という文字とともに、生卵が置かれています。家電製品などのごみも散乱していました。
 映像が撮影されたのは、なんと、都心の一等地として知られる港区白金台です。
 高級住宅街に広がる異様な光景。現場に行ってみると、「バンザイ」といった文字や、つるされた魚が消えていた代わりに、映像に
はなかった「解決済み」という文言が新たに書かれていました。
 これら一連の行為は一体、誰が…?

■元所有者「うちはただ売っただけ」

 7月までマンションを所有していた女性に、話を聞くことができました。
 マンションの元所有者の女性:「(Q.誰がやったんですか?)分かりませんよ、全然。持ち主が、今どうなっているかも分かりませ
んからね。うちはただ売っただけです。嫌な感じですよね。自分のものではないんですけどね。最近まで持っていたものが、こんな感
じになっちゃって」
 今年7月、女性はマンションを関西の不動産会社に売却。それ以降の状況は、知らないといいます。

■夜11時に来て「取り壊すから出て行って」

 そこで、9月までマンションに住んでいた男性(33)に話を聞きました。
 男性:「(Q.9月に退去した理由は?)いきなり(新しいオーナー会社が)夜来て、書類を持ってきて。『ここにはんこを押してく
れ』っていう。『賃貸者契約を解消するんで』って。唐突でしたね。『きょう押してくれ』って」
 午後11時ごろ、男性が寝ていると、玄関のドアを激しくたたく音がし、ドアを開けると、スーツを着た男性2人が立っていたといい
ます。
 男性:「7月に(マンションの)オーナーが変わったということで、『2カ月後に取り壊すから、出てってくれ』という。いきなりな
んで、嫌でしたよ。2カ月後だと引っ越しも大変じゃないですか?物件探しも。『考えます』って言ったんですけど、『いやダメ
だ』って」
 30分以上、玄関先に居座られ、男性は泣く泣く立ち退きを了承。引っ越し後、マンションの前を通り掛かったところ、あの異様な光
景を目の当たりにしたというのです。
 男性:「肉とか魚が干してあって。結構、ハエも飛んでいて、傷んでるなって感じです。干物ではないです。水分が抜けていないん
で。生魚、生肉、臭かったです」「(Q.それはいつごろ?)10月の頭です」
 つるされていたのは干物ではなく、生魚や生肉。10月になると、スプレーの文字は増え、ほとんどの住民が退去していったといいま
す。

■近隣住民も…“不審な男たち”目撃

 所有者が関西の不動産会社に代わって以降、始まったという異変。近所の住民は、マンションの前で不審な動きをする、スーツ姿の
男たちを目撃していました。
 近隣住民:「夜の9時、10時ごろとかに見たことあります」「(Q.その時は何をしていました?)魚をつるしていたころは、日替わ
りじゃないですけど、色んなものを少しずつ積み上げて。座り込んでたばこを吸ったり、携帯で電話をしたりしていました」「(Q.誰
がやったのか分かりますか?)地上げを、今している会社がやっているということは聞きました」「立ち退きでしょうね。こちらの店
舗と、上の住民の方がなかなかどかないので、嫌がらせが始まった」

■近隣住民困惑…初対面で「家壊しますよ」

 さらに、不動産会社による立ち退き要求は、マンション以外の住民にも。
 マンション裏手の一戸建てに住む女性(88)は、こう話します。
 近隣住民:「不動産の人が、毎日じゃないけども、何回も何回も(来る)。夕方とか、昼間とか。横になってる暇がなかった」
 女性の家に押し掛けた不動産会社は強い言葉で、こう要求したといいます。
 近隣住民:「初めましての人なのに、『(家を)壊しますよ』って言われたのね。壊してもいいですか?って言うなら良いけど、
『壊しますよ』って。私、『マフィアみたいだ』って言ったの。初めて会った人に『家を壊す』って言われて」
 不動産会社は女性に対し、マンションの建設計画があるため、家を8500万円で売却するよう迫ったというのです。さらに…。
 近隣住民:「『家庭裁判所に呼び出す』とか、手紙がきたのね。びっくりしちゃって」

■不動産会社を直撃「取材に答えるつもりない」

 マンションに生魚などをつるしたり、近隣住民に「家を壊す」と迫ったりしたのは、周辺一帯の立ち退きを進めるためだったので
しょうか?
 不動産会社に取材を申し込むと、次のような返答がありました。
 関西の不動産会社:「嫌がらせ?誰が、そんなことを言っているんですか?立ち退きでもめているのが事実かどうかも含めて、取材
に答えるつもりはない。マンションのオーナーであることは事実です」
 不動産会社がこうした行為をしたのが事実であれば、法的な問題はないのでしょうか?専門家は、次のように話します。
 加藤博太郎弁護士:「あくまで卵を育てているとか、干物を育てているとか。そういった言い訳をしようと思ってると思うんですよ
ね。そんな所で卵を育てたり、干物を育てたり、不自然なわけです、明らかに。なので、裁判では(主張は)全く通らないと思いま
す。かえって、違法性を認識していたからこそ、言い訳をするために細工をしているんだと。脅迫・強要の手段として行われたのであ
れば、強要罪という罪も考えられますし、法規に違反する可能性があると思う」

--
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

借家の立退きトラブル対処法 全借連第3回オンライン学習会

2022年10月14日 | 明渡しと地上げ問題
 全借連第3回オンライン学習会は、9月13日午後1時からZoomを使ってオンラインで開催されました。
 講師は生活弱者の住み続ける権利対策会議事務局長の増田尚弁護士より「借家の立退きをめぐるトラブルと対処法」と題して講演がありました。
 増田弁護士は、ブラック家主による不当な立退き要求の特徴として、「家主が交代したら予告期間も置かず、直ちに出て行けと要求し、立退料など借主が受ける不利益に対する補償の申し出もなく、あっても僅かな額で、長屋の空 き家を取り壊し放置する」など悪質な手口を指摘しました。

 管理不能な家主がブラック 家主に売却

 日本では空家が増えているのに立退問題が増えている原因として、家主の中には賃貸住宅の修繕等ができなく住環境が悪化➝退去しても新たな入居者なし➝一層修繕困難な悪循環がある。管理不能になった家主やその相続人が、再開発目的で賃貸住宅を安く買いたたいてて購入する「ブラック家主」に売却する構図が生じている。
 増田弁護士は、借家契約には法定更新制度や家主の解約申入れには正当事由が必要であり、借主には住み続ける権利が保障されていることを強調しました。

 明渡しの正当事由とは何か

 次に、「正当事由」とは、家主と借主の建物を使用する必要性を比較することが正当事由の存否の主たる判断要素となっているとして、裁判判例を紹介。東日本大震災以降、耐震性の不足を正当事由と肯定する判例も出ているが、耐震性の不足は建物の現況の補完的要素に過ぎない。正当事由の使用の必要性ではないのではないかと述べました。耐震性不足と正当事由をめぐる判例として、京都地裁の判決を紹介しました。(全借連新聞2月号掲載)また、立退料の額の算定要素として、家主の一方的な都合によって立ち退きをすることにより生ずる借主の不利益をどう補償する勘案することを指摘しました。


借地借家問題のご相談は

東京多摩借地借家人組合

電話 042(526)1094
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

管理会社と大家が連名で部屋のドアに告知文貼り付ける ドアと鍵穴出入口ふさぐ

2022年04月11日 | 明渡しと地上げ問題
3月28日、組合員の紹介で相談に来た尼崎市南塚口町3丁目の文化住宅の2階に賃借している河内さん(67歳)はこの文化住宅に21年前に入居していました。

昨年の10月初めに家主の管理会社が突然訪問し、「退去通知書」を持参し、それには①建物が老朽化している。②解体し土地を売却すること。③立退き費用40万円支払う。令和4年3月末日までに退去するとの内容でした。さらに、管理会社は今年に入り2月20日付で「送付案内」の文書を送って来ました。これには月末までに管理会社に電話するように指示して但し書きには「家主は勝手に取り壊すと言っている」という脅しの文書を出してきました。

3月26日には、管理会社は家主と連名による「告知」文書を河内さんの部屋のドアに貼り、鍵穴とドアに粘着テープを張り付け、部屋の出入りを封鎖してきました。この行為はプライバシーや居住者の生活を奪う人権侵害行為であり許せないと河内さんは怒ります。河内さんは尼崎警察に被害相談に行きました。また、不動産管理会社が単独で行った代理行為は弁護士法第72条違反し、弁護士会に告発する意思を表明しています。河内さんは家主に対して管理会社の行った違法行為は契約違反であり立退き請求は無効である。管理会社に対しては弁護士法第72条違反行為で告発する用意のある事を告げる2通の内容証明を発送しました。
(全国借地借家人新聞より)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦前から借りている借家の明渡訴訟 京都地裁が家主の明渡請求棄却

2022年01月29日 | 明渡しと地上げ問題
 京都地方裁判所で昨年10月に借家の明渡しを求める訴訟の判決があり、借家人の京都借地借家人組合員への明渡し請求を棄却し、全面勝訴する判決が下りました。

 借家は親の代から借りている建物で、建物の修繕は全て借家人が行ってきました。家賃は月額1万円と低額です。老朽化していても、維持管理は十分に行われ、十分に居住に耐えうる状態でした。原告の家主は
本件建物の耐震評点0・164と耐震基準を満たしておらず地震で倒壊の可能性が高いと主張しています。

 さらに、予備的に裁判所が相当と認める立退料の支払いと引き換えに建物を明渡せと請求しています。

 判決では、「被告が高齢かつ単身の年金生活者であり、一般的に転居先の確保及び新たな生活環境の構築は困難な状況であって、近隣に賃貸物件が存在するからといって被告の転居先確保が容易であるとはいえない」、「被告が77歳になってはじめて転居することの心理的ないし社会的な障壁は、同年代の者の中でも相当高いと考えざるを得ないから、被告については本件建物に引き続き居住する高度の必要性が認められる」
 最後に判決文は「以上の検討したところによれば、少なくとも一般診断法によれば現状では本件建物の耐震性を欠いており、かつ本件建物によって本件土地が有効活用されているとはいい難いことを考慮してもなお、被告の本件建物を使用する必要性は本件建物を取り壊すことの必要性を大きく上回り、原告の相当額の立退料を支払うとの申し出によっても、正当事由が補完されたとはいえないから、本件解約申入れには正当事由があるとはいえない」として、原告の請求を棄却しました。

 判決文を京都借地借家人組合から送ってもらいました。最近では借家の建物が老朽化し、耐震性がないことを理由に簡単に明渡し請求する事例が多く、「老朽化」「耐震性」がまさに明渡の口実にされています。本判決建物老朽化や耐震性のなさ等の事情だけでは明け渡しを認めず、借家人である被告の事情を大変重視した判決です。実務的にも大変参考になります。

(東京多摩借組 組合ニュース)

借地借家人組合への入会、ご相談は

東京多摩借地借家人組合まで

電話 042(526)1094

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

借家の明渡しで京都地裁が借家人に勝訴判決

2022年01月18日 | 明渡しと地上げ問題
京都市のK地域で親の代から住み続けている上田さんは、家主が亡くなり相続により借家を取得した新しい家主から「ここにマンションを建てるので明け渡してほしい」と立ち退きを求められました。

年金生活の高齢者の一人暮らしのため、転居もむつかしく、明け渡しせずここに住み続ける決意をしました。

その後、家主からは、家賃の受け取りを拒否されるようになりましたが、京借連に加入し相談をして法務局に供託しました。

まもなく裁判になり、第一法律事務所の弁護士さんの支援をうけて闘い「建物は借家人の負担により手入れ、維持管理されており、居住の用に供しない程の老朽化はしていない。また、借家人は高齢者でかつ単身の年金生活者で新たに転居先の確保はむつかしく引き続き居住する必要性がある」と家主側に正当事由はないという上田さん勝訴の判決が京都地裁から出されました。

家主側は大阪高裁に控訴してきましたが、上田さんは「これからも安心してここに住み続けるために京借連の支援をうけて頑張ります」と決意しています。
(全国借地借家人新聞より)


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大地震を口実にした明渡し請求

2021年12月28日 | 明渡しと地上げ問題
 国分寺市西元町に住む佐藤さん(仮名)は、8年前にアパートの立退きで組合に入会し、組合を窓口に交渉し、立退料をもらって現在の共同住宅に入居した。

 今年11月に家主から建物を取り壊すので退去のお願いとの文書をもらった。佐藤さんはここが終の棲家と思っていたので大変なショックでした。

手紙では「今から100年以内に首都圏直下型大地震が起こってもおかしくないない状況で、大地震は発生したときに、老朽化した建物が倒壊して居住者の皆様に死傷者が出るような事態だけは避けたいという思いから建物取り壊しを決断した」と大地震を口実に退去を請求してきた。

 佐藤さんは障害者で、車いすで生活しているため入居に当たり手すりをつけ、床にカーペットを敷き、ベランダにはリフトで昇降できるよう改造する等費用をかけている。現在と同規模のスペースがあり、同家賃で安全に入居できる物件の提供を求めて、家主の管理会社と交渉している。(東京借地借家人新聞より)

本年の組合業務は終了しました。新年は1月7日より業務を開始します。

<東京多摩借地借家人組合

電話 042(526)1094
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地上げ、原状回復のトラブルの相談急増

2021年11月22日 | 明渡しと地上げ問題
神奈川県の組合員の皆さんから、次の相談が寄せられています。地上げ問題で「家主が変わったと突然見知らぬ男が来て、“土地を買いたい。地代は集金で”と言われ、地代の期日が過ぎてもう2か月も”次回に“と集金に来ていない。どうしたらいいのか」、と。「所有者を調べ期日通りに地代を振込み、地代の遅延で訴訟になる場合もあることから馬車道法律事務所に相談し、供託など至急対応すること」。

原状回復請求相談では、「借家に25年住んで退去の際、敷金を差し引かれたうえ、高額なクリーニング代を数十万円請求されました。日当たりの悪い部屋で最初からあちこち壊れていた。家主は一度も家の建てつけや畳の張替えも一切してくれなかった。家主の請求に納得がいかない」。

相談者に「個々の請求について、家主に請求の根拠を示すよう、故意過失が無く通常損耗や経年劣化の場合には支払い義務はなく、敷金返還の内容証明を送る事」などをアドバイスしました。「組合を継続してよかった」と激励が寄せられています。(全国借地借家人新聞より)


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする