藤井もの ▼ 旧Twitter & Instagram

  ウクライナ,中東に平和を
  市民への攻撃を止めよ
  軍事力に頼らない平和を

YUKIO (7)

2010-06-10 | フィクション:YUKIO
YUKIO (7) YUKIOは、政策が空回り、周囲のスタッフを振り回し続け、 空気も読めず、後ろ盾のOZAWAの忖度もできずに辞任を迫られた 社民党の連立離脱は象徴的だった 連立を組んだ時から社民党の答えを知っていたにもかかわらず 無策なYUKIOは、自ら転落の道を進んだ これ以上の墓穴はない 普天間問題を振り出しに戻すのなら、 せめて社民党との連立を自ら解消してから行うべきであっ . . . 本文を読む
コメント

YUKIO (6)

2010-06-10 | フィクション:YUKIO
YUKIO (6) 残念ながら、ここまで追い詰められないと、YUKIOは現実が飲み込めない政治家だった。 この点が、常に孤独を歩いたOZAWAとの決定的な相違だった。 OZAWAは、孤独を理解していたが、孤独を愛してしまった。孤独にはまって、必要以上に 孤独を作りだし孤立を深めた。 彼は人に相談するということがめったになかった。反対に人にも相談をさせなかった。 秘書にも独自の判断を強要 . . . 本文を読む
コメント

YUKIO (5)

2010-06-09 | フィクション:YUKIO
YUKIO (5) YUKIOは再び二人に一礼するとドアに向かって歩を進めた。 さっきと違い足取りはしっかりしていたが、正直言って、まだ、二人に言われた現実を 受け止めきれていなかった。 部屋に残ったOZAWAとKOSIISIは、安心と疲れが襲って来ていた。 説得の成功を祝いたい気持ちもあったが、YUKIOの優柔不断癖に対する不安が残っていたが、 YUKIOから電話が来るまで、二人は沈 . . . 本文を読む
コメント

YUKIO (4)

2010-06-09 | フィクション:YUKIO
YUKIO (4) YUKIOの頭の中は真っ白だった。予期していたことだったのに、直に言われ思考停止に陥った。 YUKIOは、自他共に認める優柔不断癖の持ち主であり、即決は苦手だった。 思いと反対の答えをすることも時々あった。これも党内には周知のことだった。 だから側近はもとより、大臣たちもYUKIOが単独行動しないように常々気をつけていた。 このことを知らない米国は振り回されたが、中国 . . . 本文を読む
コメント

YUKIO (3)

2010-06-09 | フィクション:YUKIO
YUKIO (3) 「幹事長、お辞めになるんですか。ほんとうに。」YUKIOの声は震えていた。 「そういうことだ。今は政権与党だからね。国と党が一番なんだ。これまでも、これからも。 俺には党が、君には国の大事がある。大事の前では汚名も名誉のうちだ。」 OZAWAは、YUKIOから目を逸らさずに言いきった。 隣のKOSHIISHIは目を細めて頷いていた。 YUKIOは、とにかくその言葉 . . . 本文を読む
コメント

YUKIO (2)

2010-06-09 | フィクション:YUKIO
YUKIO (2) 「そうじゃないんだHATOYAMAさん。きょう話したいのは、今なにをするかなんだ。 もう時間がないと思わないか。分析や対策を考えているときは過ぎた。だから OZAWAさんにも来ていただいた。」 「私の話を受け入れてもらうために二人に来てもらったと言ってもいい」KOSIISIの声は重い。 「お二人は党の行方を握っている。もう一度、私の思いを二人に聞いてもらいたい。 参議院 . . . 本文を読む
コメント

YUKIO (1)

2010-06-09 | フィクション:YUKIO
YUKIO (1) 夕方近く、やっと公務の合間を見つけYUKIOが三者会談の会場に到着した。 大勢の記者を振り切るように部屋に入ると二人はもう到着していた。 「お待たせしました。お忙しいところ恐縮です。御心配かけて申し訳ありません。」 と挨拶し彼も着席した。 空気は緊迫していたが、とげとげしい緊張ではなく、むしろ引き締まるようにYUKIOは感じた。 「だいぶ騒がしいね。君こそ大変だろ . . . 本文を読む
コメント