山中慎介12度目の防衛戦決まる

山中「インパクトある試合を」＝３月に１２度目防衛戦―ＷＢＣバンタム級

　WBCバンタム級王者・山中慎介の12度目の防衛戦が3月2日に
両国国技館で9位のカルロス・カールソン相手に行われる事が発表
された。

　勝てば具志堅用高の持つ13度防衛にリーチがかかるわけで話題に
上りそうなのだが、最大の問題は山中のモチベーションだろう。

　昨年9月に宿敵アンセルモ・モレノにダウン応酬の末7RTKO勝ち
した事からバンタム級に目ぼしいランカーは不在になっており、他
団体王者との統一戦を希望しているものの2人がイギリス人という
事もあって実現には時間がかかるため北米ボクシング連盟王者との
防衛戦になったわけである。

　思い出されるのが74年2月に3度目の防衛戦でかろうじて引き
分けたミゲール・デ・オリベイラとの再戦に完勝した輪島功一が
直後の防衛戦でオスカー・ショットガン・アルバラードに15RKO
負けしてタイトルを失った例や、具志堅も80年6月に1位の強打
者マルティン・バルガスに8RKO勝ちし最多防衛記録を樹立した
直後にペドロ・フローレスに手こずり再戦ではTKO負けしタイト
ルを失った事。

　いずれも‘最強の相手'に完勝した事で張り詰めていた糸が切れ、
格下と思われる相手に苦戦したり負けたりするという形で大一番を
制した後の難しさが分かる。

　また昨年の内山高志のように海外でのビッグマッチを希望してい
ながら実現せずに流れ、格下と思われる挑戦者に不覚を取るという
例も多々あるわけで不安な要素は十分にある。

　モチベーションという意味では防衛回数での具志堅越えがあるし
ジム側もワタナベジムとは違い海外の強豪との対戦に積極的だから
内山のようなガッカリ感はないだろうが、強豪を退けた後のエアポ
ケット状態に嵌ると思わぬ落とし穴があるのだから十分警戒するべ
きだろう。

　個人的に具志堅越えのV14 はイギリスに乗り込んでリー・ハス
キンスを豪快にKOというのが最高だと思うのだが･･･