五輪マラソン代表の派遣設定タイムについて

伊藤、福士、田中を選出=男子は36歳石川に佐々木、北島―リオ五輪マラソン代表

 今日リオ五輪マラソンの男女3人づつの代表選手が選出された。

 男子は2:08:56のタイムで福岡3位の佐々木悟とびわ湖で2位&
4位に入った北島寿典と石川末廣、女子は世界陸上7位入賞の伊藤
舞に大阪で陸連の派遣設定タイムをクリアした福士加代子と名古屋
で2位に入った田中智美の計6人。

 福士加代子が一時は2度目の選考レースへの出場に対する意欲を
示すなど物議をかもした今回の選手選考だが、最終的には有力視さ
れた3人づつ合計6人が選出された形になっている。

 今回の選手選考で最も物議を醸したのは陸連が設定した派遣設定
タイムだが、そもそも名古屋で出場権を獲得した田中智美が選考レ
ースで優勝しながらタイムが悪いという理由で昨年の世界陸上を
落選した事からだろう。

 世界陸上の上位入賞者を優先的に選出するのは五輪のマラソンが
夏に行なわれるという事情から当然なのだが、それ以外では3つの
選考レースの日本人1位という条件が長い間重視されていたものの
日本人1位に拘るあまり‘全体の順位が幾ら低くても日本人で1位
になればOK’という考えが蔓延した事から陸連が何らかの措置を取
る必要に迫られたと思われる。

 そこで陸連が設定した派遣設定タイムというのは競泳が日本選手
権で水連が設定したタイムをクリアした2位までに入らないと五輪
には出場できないという条件を作って以降、競泳陣の成績が飛躍的
にアップしたのを見てという感がある。

 ただ競泳は同じ一発選考で同じ条件で行なわれるので合理的だが
マラソンの場合は選考レースが3つあって気象条件も違うし、設定
タイム自体が日本人ランナーにクリアするのは厳しいという代物だ
から特に男子の場合は最初から厳しいという事で日本人1位への拘
りに拍車がかかる事になりかねないのだ。

 Numberで松原孝臣氏が少なくとも男子の2:06:30は背伸びし過
ぎの派遣設定タイムと語っていたが、私も同感で設定タイムを歴代
ランナーでクリアできたのは高岡寿成だし走ったレースはシカゴ
マラソンという事は日本での選考レースではないのだから設定タイ
ムは背伸びし過ぎだろう。

 目標というのは低過ぎるのは論外だが高過ぎてもモチベーションが
上がらないケースがあるので適度な数字が要求されるわけで、スポ
ニチ記者の藤山健二氏が提唱していた‘2時間10分を切らないと’
のような最低限タイムをクリアさせる方が現実的ではないだろうか。

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