RELATIVITY SUITE:
Don Cherry and The Jazz Composer's Orchestra
ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ・アソシエーション(JCOA)の3作目が、このドン・チェリー:相対性組曲です。JCOAの第1作は、やかましいとも云える管楽器の音の中でセシル・テーラが驚異的なピアノを弾き出している。第2作はカーラ・ブレイの才女らしいジャズ・オペラの実験作。ジョン・コルトレーン亡き後の、新しいジャズを作り出そうとの息吹を感じ、JCOAには注目していました。この3作目のアルバムは、前2作が、2枚組み、3枚組みであったため、JCOA LP-1006が振られています。
"Relativity Suite"JCOA(USA)LP-1006 Tantra - Mali Doussn' Gouni - Desireless The Queen Of Tung-Ting / Trans-Love Airways / Infinite Gentleness / March Of Hobbits Don Cherry and The Jazz Composer's Orchestra Don Cherry (tp) Dewey Redman (ts) Carla Bley (p) Charlie Haden (b) Ed Blackwell (ds) other 1973/02/14
御鈴がチャリンチャリンと鳴り、お経のようなボーカルが聴こえだし、なんだこれは、と思わせておいて、ホルンの音が牧歌的に奏でられて、相対性組曲は始まる。それ以降は抹香臭くはありません。例によって意味不明のわめき声のようなボーカルが絡みます。カーラ・ブレイが基調となる美しい旋律でフリーに走るリード楽器を〆ている。
琴の音色に似た楽器が奏でられ、それにドン・チェリーの押さえ気味のトランペットが合わせます。最後はマーチング・バンドと...
...ゲイリー・バートンの"葬送"やチャーリー・ヘイデンの"リベレーション・ミュージック・オーケストラ"と同じような、カーラ・ブレイ色の濃い作品ではと、感じました。
相対性とは、「アインシュタインの相対性理論」ではなくて、なんと言うか、欧米の視点だけではなく、他の民族の視点で視るという、「相対性」なのでしょうね。むずかしく考えると音楽は楽しくありませんので、単なるタイトルと捕らえましょう。ジャケットはブラウン・ライスと同じモキ・チェリーの作品によると思います。JCOAレーベルの傑作です。
投稿済み・準備中を含め アルバム・ジャケット一覧 を用意しました。
2005/05/04 ものずき烏 記
(参考)
2005-03-31 ドン・チェリー:ブラウン・ライス
2005-05-02 ドン・チェリー:ホーム・ボーイ
2005-05-03 ドン・チェリー:アール・デコ
2005-05-27 グレシャン・モンカー三世&JCOA JCOAレーベル6作目
2005-05-28 ラズウェル・ラッド&JCOA JCOAレーベル4作目
2005-05-29 クリフォード・ソーントン&JCOA JCOAレーベル5作目
2005-05-30 リロイ・ジェンキンス&JCOA JCOAレーベル7作目