ものずき烏の無味乾燥?文

ブログ発想 LP/LD/CD コレクション作業 進行中。ジャズばっかしじゃないかと言われたら身も蓋もない。

斉藤国治(古天文学)

2005-03-12 | 書籍 の 紹介
飛鳥時代の天文学                 河出書房新社 1982/07/20
星の古記録                       岩波新書     1982/10/20
古天文学                         恒星社厚生閣 1989/03/05
古天文学の道                     原書房       1990/05/24
古代の時刻制度                   雄山閣出版   1995/04/05
宇宙からのメッセージ             雄山閣出版   1995/12/20
古天文・暦日の研究 小川清彦著作集 皓星社       1997/08/15
定家「明月記」の天文記事        慶友社       1999/01/20

斉藤国治の著作に出会ったのは、地方の工場で勤務していた頃である。労組の書記長からハンドヘルドPCで交代勤務と日勤の平均労働日数を求めたいのだが教えてくれないか。春分・秋分の日は容易に求められず官報で翌年分が公示され決まるという。将来の春分・秋分はともかくとして過去の春分・秋分でさえ記録を探すのが面倒なのである。そんな折、東京出張がてら探した本が内田正男「こよみと天文・今昔」(丸善)と斉藤国治「星の古記録」(岩波新書)。前書には春分・秋分の問題が多少触れられているが、措いといて2時間を要する帰りの汽車内で読みふけってしまったのが「星の古記録」である。わたしにはあまりなじみの無かった天文学が日本の古典(「明月記」)と結びついている。面白い。

その後、わたくし的にはいろいろありまして斉藤国治の著作とは疎遠になっていたのでありますが、再会したのが「古天文学」(恒星社厚生閣)。BASICパソコン時代のマニアはすべてパソコン雑誌に掲載されているソースを打ち込んでプログラムに親しんだのでありますが、この本はまさしくその流れ。巻末に著者のF-BASICソースによる天体位置計算がそのまま公開されているではありませんか。プログラマーであるわたしが見て決して綺麗な記述とはいえませんが主目的である天体位置計算には間違いがありません。計算の結果は本文で解説して下さっている。天体位置計算には球面三角法というこの分野でしか使わないのではないかともいえる数学が登場します。渡辺敏夫「数理天文学」という専門書も持っていますが、BASICになじんでいるわたしには斉藤国治「古天文学」が最高!
昔、学校の先生が言ってました本に書き込みすると古本で売る時安くなるので書き込みはしないでノートに書き写すんだと。わたしの「古天文学」には沢山の書き込みがあります。(..ただしマンガはありません!へたですから)

斉藤国治コレクションに最近追加したのが画像の「飛鳥時代の天文学」。「星の古記録」と同時期に刊行された「古天文学デビュー作である。探したがなかなか見つからなかった。赤門の前に大山堂書店という科学史を看板にしている古書店にあったのだが欲しくても4000円を超えていたので買えなかった。入手したのは神保町の原書房店頭ワゴン(1000円)。(..このお店なかは魑魅魍魎の世界だが店頭ワゴンには掘り出し物がある。わたしの餌場のひとつである。)

2005/03/12 ものずき烏
( 原書房が2つ登場してますが、前者が出版社、後者が易と浮世絵の書店 )

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