TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

企業情報誌「戦略経営者」を定期購読しています

2011-02-28 19:02:08 | 経営全般

 株式会社TKC出版の定期月刊誌「戦略経営者」を取り寄せて読んでいます。

 この定期月刊誌のサブタイトルには、年商50億円を目指す企業の情報誌と記載されています。1年契約で申し込んので今月の3月が最後の取り寄せになります。申し込んだ時は、おもしろい記事が掲載されているかと思ったのですが、正直それほどでもありませんでした。自分自身が、経営という分野に興味がなくなってきていて、記事を読むことがおっくうになったことが要因かもしれません。

 今月の特集は、3つのキーワードでライバルに差をつける「時間マーケティング」です。キーワード「時間帯」「スピード」「時間限定」として事例企業7社の記事が掲載されています。「時間帯」に隠れたニーズ、「スピード」という利便性、「時間限定」で衝動買いを促すというポイントで繁盛している7社です。

 さて、その中の「時間限定」で衝動買いを促すというマーケティングですが、私は疑問に思うことがあります。事例企業では、ASOテクノロジーズが運営するタイムセールスサイト「超一品.com」を取り上げています。、「明日になったらもう買えない」とうことで消費者の購買意欲をそそるものです。ある意味での需要創造なのでしょうが、不必要な消費をしてしまう可能性はないのでしょうか。

 私の知識不足で大きな間違いをしているのかもしれませんが、経営学の神様ドラッガーは「需要創造こそが大切」と説いているようですが、タイムセールスなどで、消費者の購買意欲をそそって「需要創造」するのは邪道のような気がします。

 

 

 

 

 

 


地元群馬県立図書館の資料展示「上州の街道」を見てきました

2011-02-27 21:26:29 | 経営全般

 地元群馬県立図書館の3階展示コーナーで、資料展示「上州の街道」が企画されています。

 「上州の街道」では、東山道、鎌倉街道、中山道、三国街道、足尾銅山街道、日光例幣使街道などの絵図や写真などを中心に街道に関する資料を紹介しています。

 

 さて、東山道は、機内と東山道諸国の国府を結ぶ道の名称です。この東山道は、近江国、美濃国、信濃国、上野国、下野国を経て陸奥国に通じていました。地元伊勢崎市赤堀五目牛には牛石などの「源義経伝説」が伝えられています。義経が平泉まで逃げていく道として利用されたとして、地元伊勢崎市民としては馴染みがあります。

 日光例幣使街道は、京都から日光へ、朝廷の奉幣使が通行した道です。倉賀野から玉村、五料、柴、木崎、太田の5宿を経て下野に入り日光に至ります。地元伊勢崎市を通る例幣使街道は、現在の国道354号と多くの部分で重なっていて、往時を偲ばせる名所が多く点在しています。資料展示では、郷土史家の篠木弘明氏の著作「日光例幣使道境町織間本陣」が展示されていました。


地元いせさき明治館での「語部のつどい」に行きました

2011-02-26 21:35:06 | 地域文化・地域資源

 地元いせさき明治館で開催された「語部のつどい」に行ってきました。

 講演の内容は、群馬県立女子大学非常勤講師の石山幸弘氏によるものでした。内容は「大逆事件から100年。上州ゆかりのあの人、この人」というものでした。

 大逆事件とは、1910年から1911年にかけて、社会主義者幸徳秋ら24人が明治天皇暗殺計画を企てたとして検挙され、幸水秋水ら12人が死刑になった事件です。この事件は、その当時の社会主義者を一気に撲滅してしまおうという冤罪であったということが定説になってきています。

 石山氏は、群馬県立土屋文明記念文学館に勤務していた方で、勤務中は、12名の刑死者の一人で、天皇暗殺計画にかかわったとされる新村忠雄と交流のあった、勢多郡荒砥村の一農民であった阿部米太郎氏の関係者から書簡を託されてその調査をしていました。 その長年の調査の成果を、今年2月に「櫛と十字架」という書籍にしています。

 今回の講演は、その調査を踏まえて、「大澤一六」という赤堀村下触村出身の大澤一六についての生涯の話しでした。大澤一六は、「東北評論」というキリスト教的社会主義者の同人誌の同人であり、荒砥村の阿部米太郎も同人であありました。大逆事件で処刑された新村忠雄も同人でした。

 その当時の日本は、日露戦争(1904年)で勝利したのですが、その戦費は国家予算の7倍であり、農村は疲弊、工場労働者は、製糸業は、女工哀史に見られるように厳しい労働環境に置かれていました。司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」に代表されるような明治時代が光の部分あれば、影の部分もあったわけです。

 石山氏の講演は、群馬県の片田舎の名前の知られていない人を掘り起こし、その真摯に生きていた姿に、今日の私達の指針としてきたいと語っていました。赤堀村下触村の「大澤一六」、荒砥村の「阿部米太郎」などがその人たちです。

 きょうは、地域の素晴らしい先人の履歴を知りました。そして、石山幸弘氏というすばらしい研究者の方を知りました。


地元高崎市長選討論会が3月5日に実施される

2011-02-25 21:29:29 | 地域産業

 地元高崎市長選は4月に実施されますが、その候補者による討論会が3月5日に実施されます。

 この討論会を企画したのは高崎青年会議所です。高崎青年会議所は、「政治や行政を身近なものとしてとらえる第一歩に」と、多くに高崎市民の参加を呼びかけています。4月の市長選には、今のところ3人が立候補する予定になっています。この討論会は3月5日に高崎経済大学で実施されます。

 さて、このような首長候補者の公開討論会の企画は、それぞれの市で青年会議所が行っています。私は、地元伊勢崎市の首長候補公開討論会を聞いたことがあります。候補者がどのようなことを考えているのか、肉声を聞くまたとない機会であると思いました。候補者が、司会者の問に対して、自分の意見を相互に語るというやり方の討論会ですが、事前に質問を候補者は得ていて、それに自分の意見を述べるので、ほんとうの討論とは言いかねます。

 とはいっても、候補者の討論する場がないのよりましです。今、地方自治体、とりわけ基礎自治体が重要な時代になっていると思います。自分の目で見て、その意見を聞き、候補者を選ぶ機会はもっともっとあってもいいと私は思います。ほんとうは、候補者がお互いにフリーディスカッションで議論を戦わせる場を見られたらと思います。

 

 

 


アルピニスト野口健氏の講演会を聞く

2011-02-24 21:55:01 | 地域文化・地域資源

 アルピニスト野口健氏の講演会を聞きました。演台は「私の岐路-冒険家として-」でした。この講演は、地元伊勢崎法人会青年部会が創立30周年記念事業として企画したもので、伊勢崎市文化会館で開催されました。

 野口氏は、日本人の父とエジプト人の母を持ち、父は外交官でした。年少の時は、勉強ができず、混血といじめられ、コンプレックスを持っていたそうです。それで、高校の時に友だちを殴り、停学になった時に、故・植村直己氏の著書「青春を山に賭けて」に感銘を受け、登山を始めました。

 その後、16歳で、ヨーロッパ大陸最高峰モンブランへの登頂を果たし、その後次々と大陸最高峰の登山に成功し、1995年25歳で、エベレストの登頂に成功し、「7大陸最高峰世界最年少記録」を達成しました。

 その後は、富士山の清掃活動、野口健環境学校の開校、太平洋戦争時の日本兵の遺骨収集活動にも取り組んでいます。

 さて、野口氏の講演ですが、印象に残った言葉を記述します。                                             ・行動を起こすのは、「現実に見る」→「知る」→「行動を起こさざるを得ない」というサイクルで生まれる。                    ・父は、東大、外務省、大使というキャリアを刻んだが、退官したら何も残らないと言っていた。野口健という肩書を作れと話していた。 ・人生は、「怖い」の連続である。非難された時は、「意味のあるバッシング」か「意味のないバッシング」かよく考えてみることが必要。 ・現場で見ることが重要。自分の目で見ると逃げられなくなる。日本兵の遺骨は映像で見たのと、自分の目で見たのでは全く違った。 ・A面とB面がある。A面とは、ほっといても見える面、富士山の美しさ。B面は、自分で見に行かなければ見えない面。富士山のごみの多さ。                                                                                 ・自分の人生を振り返り、トータルで51%の成功ならよしとする。

 冒険家の現場から得られた話を聞けてたいへんよかったです。平日の夜で、講演に出かけるのを躊躇していたのですが、出かけてよかったです。

 


「できないをできるに変える(木村俊昭著)」を読む

2011-02-23 22:34:03 | 今週の一冊

 スーパー公務員・木村俊昭の著作「できないをできるに変える」を読みました。

 木村氏は、北海道出身の方で、1984年小樽市役所入庁し、産業振興課長、企画政策室主幹を歴任。その後2006年4月から内閣官房・内閣府企画官として、地域再生策の策定、推進、政府広報活動を行います。2009年4月から農林水産省大臣官房政策課企画官として、地域の担い手育成、地域ビジネス創出などを担当しています。2009年5月に、NHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演してその活動が取り上げられたことはまだ記憶に新しいです。私もこの番組を見ました。そして、北海道知事に立候補表明した方です。なかなかの野心家です。

 この本は、満たされなかった思いが成就するアプローチとして、1.経済的に安定を実現する、2.仲間と共感したいを実現する、3.正しく評価されたいを実現する、4.理想的に近づきたいを実現するという項目でその具体的方策が記述されています。

 さて、この本で私は参考になったのは以下のことです。

 ・まちおこしは戦略的に考えないとダメ                                                             ある市のまちおこしがうまく機能しませんでした。それは、施策のすべてが、部分的な最適化だったからです。企業や農家、温泉街などが抱えている問題を個々に解決しようとしたからです。大切なのは、全体的な最適化の発想からプロジェクトをデザインすることなのです。そのまちはどのくらいの人口が適正規模か、主たる産業は何か、それは他の産業とどのような関連付けをするのか等戦略的に考えなくてはならないということです。やみくもに企業を誘致したり、物産展やイベントを事実行しても、成果や継続、進化を見込みません。どんなに部分的な最適化を重ねても、それが、全体的な最適化になることはないのです。

 ・木村流「できるに変えていく」シゴト術                                                           ①企画を出し続ける・・・企画を書き続けることで、内容のブラッシュアップが図れる、そして、自分の組織への理解が高まる      ②データを集める・・・企画に説得力をもたせるには、データの収集が欠かせない、そして、データを集めることで、新たな問題点が発見できる。                                                                              ③プレゼン技法を学ぼう・・・「エレベータトーク(短時間でわかりやすく伝える)」が重要、そして、プレゼンペーパーを軽視しない。    ④弱点は実践を通して克服する・・・様々な失敗を経験して実力が付く。

 この本は図書館で借りたものです。軽く読める本です。参考になったのは、「全体的な最適化の発想ということです。この言葉を知ったということでこの本を読んだ価値がありました。                                                     

 この全体の最適化の発想を実現するためには、全体の指揮者である知事でなければ達成できないという思いからの北海道知事立候補だったのでしょうか。 

 


長期失業者が最多の121万人に

2011-02-22 21:19:17 | 雇用・就職

 総務省の調査によりますと、2010年の完全失業者のうち、失業期間が1年以上の長期失業者は2009年より26万人と、比較可能な2002年以降で最多となりました。

 2008年秋のリーマンショックで職を失った派遣労働者らの多くが1年以上たっても、再就職先を見つけられず、長期失業者の増加につながってしまったようです。総務省は「正社員を希望している男性が(長期失業者)の半分程度を占めている」としており、正社員の求人が十分に回復していないことが長期化の原因とみています。

 さて、21日、地元群馬県太田市では群馬県と群馬労働局主催の、今年春卒業見込みの学生の就職説明会が開催されてました。地元上毛新聞には、その様子が記載されています。太田市出身の女子学生は「50社くらい受けたが内定はゼロ。医療関係が希望だが、えり好みはしていられない」という記事が書かれています。

 ほんとうに厳しい雇用環境です。私も、平成11年から15年まで、雇用支援の業務に携わっていました。その時もたいへん就職難の時でした。再就職者の雇用支援で、企業からよく言われたのは、「即戦力と実務経験のある者が欲しい」ということでした。企業も厳しい経営環境に置かれていから当然といえば当然の要望とも言えます。

 平成15年から平成19年ごろまでは、好景気により雇用環境も改善しました。この時期に就職した学生は、比較的恵まれた環境にありました。それが、リーマンショック後、一気に、不景気になり、雇用不安が拡大してしまいました。

 景気回復→雇用拡大→消費拡大→景気浮上→雇用拡大というスパイラルが生まれなければ、雇用不安は解消しないように思えます。まず、景気回復策を今一番求められることではないかと私は思います。


若者の就職難で日本社会が失うもの

2011-02-21 20:59:58 | 雇用・就職

 月刊誌「中央公論」の時評2011で、経済学者の大竹文雄氏が、「若者の就職難で日本社会が失うもの」という論を展開しています。

 以下その要旨です。

・就職活動に苦労した世代は「人生の成功は勤勉よりも運やコネによる」という価値観を持ちやすい。                      ・学校失業時の就職市場が悪いと、努力すれば人生で成功できるという価値観が崩れ去ってしまいそうだ。                 ・勤勉に対する価値観が崩れてしまう対価は大きい。                                                    ・若年者が就職できないという問題は、単にその世代の生産性を下げるだけでなく、競争市場の否定につながり、更なる生産性の低下をもたらす可能性があるのだ。

・ところが、若年者と高齢者の雇用のどちらを重視するかという問題になると高齢者を重視しているのが現状だ。              ・2010年11月26日に京都地裁で出された、定年後再雇用された労働省が雇い止めとなった事件に関する判決がそれを象徴している。雇い止めが無効という労働者勝訴の判決だ。                                                      ・新卒を採用したことが雇い止め無効の理由として問題視されていることが事実である。若年者より高齢者を重視する司法判断がある限り、若年者の雇用が上向くことは当分期待できそうもない。

 若年者が就職できずに、生活の安定が得られない状況は、由々しき問題だと思います。なんといっても、この日本の将来を担うのは若年者なのです。けっして、高齢者ではないからです

 


海外活動促進の地元群馬県がサポーター制導入

2011-02-20 17:00:25 | 地域産業

 地元群馬県は、県内の企業や団体、自治体の海外での活動や事業展開を促進するために来年度から、海外の県人会などから現地情報を提供してもらう「海外ぐんまサポーターズ」事業を実施します。

 この事業の目的は、現地住民の嗜好や流行などを的確に把握し、県産品の販売促進や観光PRに役立てていこうというもので、来年度予算として2,900,000円を計上しました。事業内容は、県内企業などの海外での事業展開、PR活動が増えているため、海外現地組織としてサポーター制度を創設。委嘱する県人会や企業、親睦団体からの情報を提供してもらうものです。来年度は、上海、シンガポール、香港の3か所のそれぞれの団体に委嘱することを想定しています。

 この新事業の効果はどうでしょうか。それぞれの団体がどのような情報収集するかは未知数ですが、県内企業等は多数多様であり、求める情報も多種多様です。委嘱を受ける団体も本業があるわけで、言わば片手間の情報収集になると思います。

 インターネットなどもあり、海外旅行も手軽になっている今、求めたい情報があるならば、企業等は自ら収集するのではないでしょうか。そのほうが個々の見合った情報が収集できるはずです。この新規事業にどれほどの効果が上がるのか私ははなはだ疑問です。

 

 

 


キャリア・シゴト学講座に行ってきました

2011-02-19 19:14:23 | キャリアデザイン

 新島学園短期大学で行われいる、「キャリア・シゴト学講座」の第8回目の参加してきました。

 今回は、いよいよレポート構想についてです。講座参加者の方の構想をお聞きすることで、自分の構想もまとまりだしました。あとは書いてみる段階になりました。

 この講座に参加してよかったです。自分のキャリアを振り返るいい機会になったからです。過去を振り返り、内省することで、この後のことも見えてきました。

 人生の節目、たとえば40歳、50歳、60歳になった時とか、職場を変わったときとか、いわゆる「自分史」を書いてみるのはいいことだと思います。それにより今の自分が見えてくるからです。その時に留意することは、正直に自分を分析することではないでしょうか。公表するとなると、きれいごとを書いてしまうのですが、書けない部分が、もしかしたら本質なのではないかと思います。

 地方自治をテーマとしている地元伊勢崎出身のジャーナリスト相川英俊氏は、首長にインタビューする時に、その人が一番聞きたくないことを聞くと講演会で語っていました。

 自分史にしても、書けない部分、書きたいない部分が、ほんとうは一番深い意味があるのではないかと私は考えるようになっています。ここに、よく自費出版の「自分史」や自伝の多くが、きれいごとが書かれていることが多く、あまりおもしろくない要因があるのではないでしょうか。

 

 

 


就職難生む「職業観の欠如」-日経ビジネス.2011.2.21から-

2011-02-18 21:45:22 | 雇用・就職

 今週の日経ビジネスに、農業生産法人・グリーン社長澤浦氏が、若者の就職に対する意見を記載しています。

 澤浦氏の主張は、現在の若者の就職難は気の毒なことだが、一方で考え直さなくてはならないことがあるというものです。それは、若者がしっかりとした職業観を持っているかどうか、または、持たせる機会を与えているかどうかいうことです。

 澤浦氏は、中学、高校の時に、アルバイトをどんどんすべきだと主張します。それは、働くことにより、「働くとはどのようなことか」「自分にはどんな仕事が向いているのか」を考えるきっかけとなるからです。

 澤浦氏は、人材採用で失敗を経験しています。昨春入社した若者が、1年も持たずに辞めてしまったからです。澤浦氏は、辞めた人に対しては採用試験の時に不安を感じていました。「明確な職業観を持って農業を志したかどうか」という点で確信を持てなかったのもかかわらず、「教育すれば何とかなるだろう」と考え、採用に踏み切ったことを悔やんでいます。

 それで、年少の時から、就業体験をすることが職業意識を高めるので必要であると、澤浦氏は主張するのです。

 さて、私も、年少の就業体験は意味があると思います。働くことの辛さ、楽しさ、そして、労働の対価としてお金が得られることを学ぶ機会となるからです。しかし、澤浦氏が主張するように、若者にしっかりした職業観を求めるのはどうなのでしょうか。

 職業観が形成されるのは、長年の仕事をした経験を通して形成されるものではないでしょうか。若い頃は、とにかく与えられた仕事を悪戦苦闘してこなしていくうちに、自分のシゴト観ができてくるのではないでしょうか。

 若者にしっかりとした職業観を求めるのは酷であると私は思います。

 きょうの赤城山です。雨上がりで雲がかかっています。


継続雇用者のモチベーション-産業カンセラー協会誌2月号から-

2011-02-17 20:08:31 | メンタルケア

 産業カンセラー協会誌2月号に、「継続雇用者のモチベーション」という記事が書かれています。内容は題そのままで、60歳で定年を迎え、退職した者が嘱託契約を結んで勤めつづける人のモチベーションの問題を取り上げたものとなっています。

 この記事を記載した神奈川支部の青木氏は、継続雇用者のモチベーションアップを狙いとする研修の依頼が増えてきており、この問題を取り上げています。青木氏に対する研修の依頼は以下のようなことです。

 継続雇用者の中には、①ひきつづき先輩風を吹かして後輩社員から顰蹙(ひんしょく)をかう人があいる。②給料がダウンしたと言って働くモチベーションを下げ仕事に身が入らない人がいる。③現在の上司たちにとって上司、先輩にあたる継続雇用者が扱いにくいだけでなく、やがて自分たちもこのような境遇になるかと不安を抱く人がいる、④それやこれたで職場全体に悪い影響を与えかねない空いがあるということで、その対応策としての研修依頼があるのです。

 青木氏は、長い第二の人生をときめいて生きるかどうかは、55歳から65歳の間の過ごし方如何によると考え、事例をグループワークをはさみならが研修を実施しています。 そして、以下の事項を研修を受ける者に認識してもらいます。

 ①「60歳過ぎても同じ職場で、変わり映えしないとご不満の向きもあるようでですが、60歳過ぎて他の職場に変わった人のことを考えてみてください。職場の場所も通勤経路も職場のレイアウトも上司、同僚もすべて変わるのです。これに対しひきつづき同じ職場で、すでに知り合っている人と働くことができるのです。これはハッピーではないでしょうか。」

②「60歳までは先輩として、リーダーシップを発揮する立場でした。必要に応じて後輩を指導し育成する役割を担っていました。しかし今、後輩からみて居てくれて助かる継続雇用者であるために、職場におけるご自分の立ち振る舞いを見直すことが大切です。ひきつづき後輩を指導し育成する役割を担っていると考えると、今の管理監督者が迷惑し、若者が混乱するかもしれません。先輩であることには違いありませんが、リーダーシップを発揮する立場ではありません。メンバーシィップ、フォロワーシィップに徹して職場の一員として働くことが肝要です。

 高齢化社会の世の中で、継続雇用の雇用形態が増加します。しかし、継続雇用には、青木氏の研修に見られるような問題が内在しています。この問題を超えて行かないと、活力ある組織、社会が生まれないように私は思います。

  


地元群馬県高校生の就職内定率84%

2011-02-16 22:45:30 | 地域産業

 今春卒業予定で就職希望の地元群馬県高校生の就職内定率(2010年12月末時点)は、前年同期を0.8ポイント上回る84.5%であることが、文部科学省の調査でわかりました。

 さて、この数値ですが、全国平均は77.9%で本県は全国9位ですが、内定率は若干改善しているものの、厳しい状況が続いています。詳しい内訳ですが、高校生の就職希望者は3,108人で、うち内定を得ているのは、2,625人でした。依然、483人の就職先が決まらないということです。

 さて、この就職希望者数3,108人ですが、高校はおおよそ、1クラス40人ですから、78クラスとなります。1学年5クラス平均とすると、約16校ほどの就職者数がいるいる計算になります。

 そして、就職先が決まっていない483人という数字は、13クラスとなり、1学年5クラスとすると、約2校くらいの数値となります。高等学校2校の学生が就職を希望しているのに、就職できないという状況です。雇用のミスマッチということもあるでしょうが、不況での影響が大きいのでしょうか。

 就職難の現在、就職内定した高校生が、必ずしも自分の希望どうりの就職先に就職した学生ばかりではないと思いますが、就職を希望する高校生には、せめて就職が決まらないということにはならないようにしてあげたいものです。

 


地元群馬県、外国人労働者1.9%増

2011-02-15 21:13:47 | 地域産業

 企業などが雇用している群馬県内の外国人労働者は、14,726人(2010年10月末)で、前年同月より12.9%増えたことが、群馬県労働局の調査でわかりました。

 群馬県内の外国人労働者数は、2008年10月末で、10,574人でした。景気が回復基調となった2009年10月末で16.7%増の12,349人でした。そして、今回調査でまた増加しています。群馬県労働局は、「自動車生産が好調となり、短期であるが外国人雇用が戻ってきた」と分析しています。

 2010年の外国人労働者数の割合を業種別に見ると、製造業が1.7増の53.4%、サービス業が23.0%となっています。国籍別にみるとブラジル(38.7%)、中国(22.2%)、ペルー(12.6%)、フィリピン(10.3%)となっています。

 地元群馬県は、外国人労働者が多い県です。大泉町、太田市、伊勢崎市などは特に外国人労働者が多い市町です。私が平成16年から19年の3年間、仕事で伊勢崎市の企業訪問していた時に、企業で外国人の方を多く見ました。製造現場で黙々と仕事をしている姿が印象に残っています。また、労働相談業務でも、外国人労働者の方の相談が多かったです。景気回復基調で、外国人労働者が増加しているようですが、外国人が3K職場を担うのは外国人労働者という状況は変わらないのでしょう。

 労働相談をしていて、外国人労働者が企業の景気対策の安全弁に利用されていたことを思いました。生産労働者数の減少していく日本では、外国人労働者の受け入れを積極的に実施すべきだという意見があります。受け入れるにいても、今のような労働現場にのみ受け入れるのでは、どうかと思います。

 さて、ほんとうに景気は回復基調にあるのでしょうか。確かに群馬県上場企業の株価が上がっています。東和銀行も50円ほどのこともありましたが、114円となっています。少しづつ回復基調になっているのでしょうか。


板橋春夫「いのちの民俗学」の書を発刊する

2011-02-14 21:12:09 | 地域文化・地域資源

 上毛新聞の「著者に聞く」という欄に、地元伊勢崎市の板橋春夫氏が掲載されています。

 板橋氏は、「いのちの民俗学」3巻完結したので、著書に聞くということで、その書籍のことが記載されています。板橋氏は、民族学の専門で、伊勢崎市役所の職員の方です。伊勢崎市赤堀歴史民族資料館の館長で、資料館主催の講演会では司会をよくしている方です。

 私は「伊勢崎史」を継続的に読んでいるのですが、刊行されたのが、平成5年ごろですので、執筆者は、その当時の郷土史家です。さて、今、伊勢崎市の歴史関係を執筆されているのは、板橋氏のみではないでしょうか。

  最近、郷土史の本を読むことが多いのですが、10年前、20年前の書籍が多いです。新進気鋭の郷土史家の書籍を読みたいと、思っています。

 それから、「伊勢崎史」は継続的に読んでいますが、近世編の井上定幸先生の社会経済史は、分析力がすばらしいです。このような郷土史家の書籍を読みたいです。