TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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地元群馬の雄「ヤマダ電機」に思う

2007-10-17 23:48:20 | 地域産業
 猛烈な勢いで規模拡大、売上拡大を図っている、地元群馬県の雄「ヤマダ電機」について思うところを書きます。

 ヤマダ電機は、私の住む群馬県から出た日本最大の家電量販店です。昭和48年、九州出身の現社長兼CEOの山田社長が日本ビクター前橋工場を退職して電気店を個人創業したのが企業としてのスタートだそうです。私たちがヤマダ電機の存在を知ったのは、昭和60年以降から繰り広げられた、コジマ、カトーデンキ(現ケーズホールディング)のいわゆる「Ykk戦争」からです。前橋市の本社近くにヤマダ電機の店舗がありますが、そのすぐ近くに栃木県のコジマ電機が大型店舗を構えたのがこの時期ではなかったでしょうか。平成14年にコジマ電機を抜いて家電量販店の売上高日本一に上り詰め、平成17年には売上高1兆円を達成しました。その後も猛烈な勢いで売上を伸ばし、平成19年3月期の連結売上高は、1兆4436億円を達成しています。業界2位のエディオンの売上高が7402億円なので、約2倍の売上を達成する日本一の家電量販店のガリバー企業です。

 北関東の市ではよくあることですが、家電量販店どうしの熾烈な競争が繰り広げられています。私の住む伊勢崎市でも思いつくだけでも、「テックランドヤマダ」、「コジマ電機」「ケーズデンキ」、「ベイシアデンキ」がしのぎを削った競争をしています。私も家電製品を購入するときは、この4店にいくことが多いです。取付工事を伴うものは、地元の個人家電屋さんに頼むこともありますが。
 この4店舗の比較ですが、圧倒的にヤマダ電機に活気があります。いつ行っても来客で溢れています。他の店舗の活気は、ヤマダ電機と比較するとないよいうに感じられます。特にかつてのライバル、コジマ電機の活気のなさが目立ちます。よく、売上高1位となると、対外的な認知度も向上するし、組織内部の士気も高まって2位以下の企業との差をますます広げやすくなると言われますが、まさにヤマダ電機に当てはまると思います。
 
 郊外型店舗で成長してきたヤマダ電機ですが、さらなる顧客の獲得を目指して、都市部のターミナル駅周辺にも進出してきています。駅前型店舗名「LABI」を平成18年に大阪なんばに、平成19年7月には、「ビックカメラ」のある池袋に出店しています。また、九州が地盤のベスト電機の株取得を進めていて、ベスト電器と業務提携しているビックカメラと対抗しています。

 このように猛烈な勢いで成長しているヤマダ電機ですが、企業の地元の人間として感じることがあります。まず、価格は低価格で魅力はあるのですが、従業員のサービス、接客態度がよくないということです。レジは不親切ですし、店員の商品知識ももの足りません。最近、複合機を購入するために行ったとき、エプソン製品とキャノン製品のどちらを買うかで迷ったのですが、店員ははじめからキャノン製品を売りたいという商品説明でした。価格とサービスの両方を求める顧客が欲張りなのかもしれませんが、ヤマダ電機に行くと、サービス、接客の面で不愉快な思いをすることが多いです。

 次に、ヤマダ電機が群馬県の有効求人倍率を高めているといわれています。群馬県は、有効求人倍率が全国上位なのですが、前橋市に本社所在地のあるヤマダ電機の求人募集が大きく影響していると言われています。それだけ、辞める人も多いようです。2007.8.6-13号の日経ビジネスの記事を読むとヤマダ電機は中央集権と上位下達の組織で、代償として従業員の疲弊を招いていると書かれています。従業員の、サービス、接客態度が悪いのは組織内部に問題があるからでしょうか。

 以上のことから、ヤマダ電機は今は圧倒的な勢いがありますが、企業内部に大きな問題を抱えながら猛進しているという印象を私は持っています。


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1 コメント

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ヤマダ電機について、 (ヒロチン)
2009-06-21 13:52:20
以前、ヤマダ電機で働いていました。派遣ですが…最近は世界不況のために人員を絞っています。辞める人が多いのも事実です。過去のダイエーの経営に良く似ています。ダイエーがどうなったかはご存じの通り…買収、買収で違う方面からの社員が来て、まとまりにかける所もあります。
LABI店が成功するか…5年ぐらいがめあすになるんじゃないでしょうか。

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