9月30日(日) 珍妙でファンタジーあふれるお祭りを見に行きました。
所は榛名山中腹の群馬県箕郷町。(旧名・箕輪町)
お祭りは今年で六回目を迎える“みのわの里のきつねの嫁入り”と云います。
夏の疲れから来る体調不良の老体に鞭打って、で群馬県箕郷町へ・・・。
時刻は夕刻の5時、箕郷町中央部・西明屋の群馬銀行横の第12区公民館から第六回目の“きつねの嫁入り行列”はスタートしました。
昔から、見るとキツネに化かされると言われる“きつねの嫁入り”を箕郷町の有志が再現して演じます。 もしかして、読者もきつねに化かされるかも・・・!?
箕輪のきつねの嫁入りは、箕郷町中心部近くの小高い場所にある箕輪城の稲荷曲輪に住んでいた狐が敵に城が攻められた時、霧を立ち込めさせて箕輪城を守った逸話に由来するそうです。
又、この近郷の農家の跡取りが嫁を貰う「貰い御祝儀」を再現し、昔の新婦輿入れ行列の風習をもなぞっています。
秋の夕暮れ、ほのかに明るい提灯を先頭にきつねの嫁入り行列は静々と、西明屋から南に下って東向八幡神社で参拝・小休止した後、箕郷町役場へ向かいます・・・。(行列行程約1.5Km)
箕郷町役場の広い駐車場がきつねの嫁入りのメイン会場となりました。
会場の横にはこれから始まる野外劇に登場する、豪農・下田家の屋敷の一部が建っています。(重要文化財)
上右画像の左側の見事な松は堀部安兵衛の手植えの松と伝えられています。
敷地内には池のある庭園や書院茶室などもあり、往時の豪農の暮らし振りが垣間見られます。
しとしと降る小雨のなかの行列行進で全員濡れていました。
きつね花嫁は重い角隠しに加えての雨ですから可哀想ですね・・・。
きつねの嫁入り行列も箕郷町役場に到着。全員が下田邸前で「コォ~~ン」とひと啼き!
きつねポーズもサマになってきましたね。
狐の嫁入りの諺通り、陽が陰ると共に雨足が強くなってきました。
狐化粧を施した可愛らしいきつねの嫁様と婿様です。
今年のきつね夫婦役は前橋市から応募の阿部哲彦・千尋の御夫婦。
そぼ降る小雨の中の行列、誠にお疲れ様でした。
会場に設営された平舞台では最初に少女達のサンバダンスが繰り広げられました。
少女サンバチームは昼間には大泉町の大泉カルナバル祭りに出演したそうで、疲れも知らず、上手にダンシング・・・。
サンバダンスと歌の後、箕郷町の野外創作劇“きつねの婚礼の宴”の開始です。
舞台には戦国時代の甲冑をまとったきつね姿の武将達と箕輪城主(長野業政・業盛公)が登場。
きつね達の壮絶な箕輪城落城物語が語られ涙をさそいます。
その後、前橋市の出身で一時期、箕輪に身をよせていた新陰流開祖の剣聖・上泉伊勢守秀綱(信綱)とその門弟達の御前試合などが演じられました。
オバサマ狐が城下の噂話をひとしきり。 ウワサはもっぱら男女の色恋噺です。
この地方きっての豪農・下田家と藤井家の積年の確執からウワサ噺の劇が始められました。
お互いに上泉伊勢守道場の門弟で心の中では秘かに恋い慕う下田家の嫡男・信吉と藤井家の娘・椿は家の対立事情から遂に剣を交える事となります。
しかし、恋し合う仲の二人は最後にお互いに闘いを止め、抱擁しあってやがて結ばれ目出度し・目出度しと相成りました。下田・藤井両家も確執を解き不仲を解消します。
(画面に漂う白点はきつね火かオーブでしょうか?)
剣劇の後、きつねの嫁入り婚礼の儀が執り行われました。
箕輪城の殿や姫たちが輿入れを静かに見守るなか・・・。
舞台下手からきつねの輿入れ行列が「コ~~ン」と啼いて登場です。
奥ゆかしい白無垢の綿帽子を冠った嫁御寮と赤い御布の婿殿が白棒(芋殻[おがら]・麻の茎芯)と白絹糸で作られたオガラ門をくぐり婚礼の式場に入場です。
媒酌人の音頭で御両人は三々九度の盃を飲み干し、婚礼の儀は成立となりかけます。
きつねの婚儀も滞りなく終りかけると、突然きつね達の刃傷沙汰に場面は代わります。(「残菊の宴」の始まり)
婚儀の席に何処からとも無く現れた白キツネが祝いの舞を踊りだします。
怪しい舞姿に箕輪城主・長野業政公が詰問すると、キツネの本身は敵方武田の武将・真田幸隆!
お女中として宴席に潜んでいた武田のキツネ女忍者も正体を現し、刀を振り上げて箕輪方へ斬りかかります。、武田勢と箕輪城の武将と乱闘場面が展開されました。
小雨の中、雄きつね・雌きつねの剣による斬り合いがしばらく続き、観客をハラハラドキドキ楽しませていました。
やがて剣劇も箕輪勢の勝利となり収束し、和やかな婚礼の宴席になり平穏な箕輪の里が蘇ります。
奥ゆかしくても楽しい夢幻の世界・・・きつねの嫁入り舞台も無事に終了!
阿部御夫妻はじめ出演者全員で「コォ~~ン」と狐ポーズで野外創作劇“きつねの婚礼”もつつがなくお開きとなりました。
劇終了後、出演者達は舞台から下りて観客に婚礼引き出物の配布です。
引き出物は勿論、キツネの大好物“油揚げ”!!
主役の前橋の阿部様御夫婦も小雨の中、油揚げを配って観客サービスに努めていました。
花嫁役の阿部千尋様は濡れて重くなった花嫁衣裳を着て、さぞ大変なご苦労と察します。
筆者も撮影の合間に油揚げとお菓子をGET!
お揚げさんは後日稲荷寿司にして有難く頂きました。 (感謝!)
小雨の降る中のきつねの婚礼式は実に印象深い光景です。
きつねの嫁入りに主演した前橋市の阿部夫妻にとって貴重な思い出深い一日となった事でしょう・・・。
箕郷町“みのわの里のきつねの嫁入り”パンフの写真をお借りして添付しました。
この撮影時(昨年)も小雨模様です。 箕輪のきつねの嫁入り祭りの時は何故か雨降りが多いそうです。 行かれる方は雨具のご用意を・・・。
箕郷町西明屋からの「きつねの嫁入り行列」と町役場での創作劇「きつねの婚礼」は素朴な面白さいっぱいのお祭りです。
皆様も幻想的なきつねの嫁入りを見に行かれ、夢うつつの世界に浸ってみては如何でしょうか・・・。 コォ~ン!
2007 10 12(金)記。 前橋市 最高気温24℃。
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今年は10月5日が本番ですので、またよろしくお願いします。
ツトムさんも参加しませんか?参加大歓迎です。是非参加してください。
このブログは、プリントアウトしてみんなに見て貰います。
裏方スタッフの一人として。
返信遅れまして申し訳ありません。
「ツトムのブログ」の箕輪町・きつねの嫁入りをご覧になり、気に入って頂けましたでしょうか・・・。
当日は生憎小雨模様で写真撮影には苦労いたしました。
安価なコンパクトデジカメで撮った画像を補正しながらブログに載せて記事にしています。
拙いブログですが、何かのお役に立てたら幸いと思います
今年の嫁入り祭りにも行って見たいと思っていますが・・・。
箕輪のきつねの嫁入り祭りが益々発展される事をお祈り申し上げます。