ある医療系大学長のつぼやき

鈴鹿医療科学大学学長、元国立大学財務・経営センター理事長、元三重大学学長の「つぶやき」と「ぼやき」のblog

「眠たい」講義卒業?

2013年06月05日 | 高等教育

 4月1日に学長に就任して早2か月、入学式から始まって慌ただしく2か月が過ぎました。今日は、先ほど組合との団体交渉が終わり、学食に来たところです。

 学生たちが熱心に勉強してますね。僕が救急医学概論を教えている理学療法学科2年生の学生が僕の顔を見て「こんちわ」と声をかけてくれました。レポートの提出がたいへんで、毎晩9時まで学食で一仕事をしてから帰るとのこと。昨年の中教審の答申で、日本の大学生の自習時間が少ないことが問題にされ、大学側の教育指導の改善が求められているところですが、鈴大の理学療法学科には、まったく当てはまらないようです。

 僕が毎回の授業でとっているアンケートにも、「理学の勉強量つらいです。」「理学療法の2年の負担が大きすぎるので、運動学など2年でやる基礎を1年でやるように変えて欲しい。1年生の時から厳しくした方が、2年以降も充実した勉学ができると思う。」なんていう書き込みがありました。

 「朝、もうちょっと早く学食を開けてくれると、朝も勉強できるのに・・・」とさっそく要望をお聞きしました。「先生のブログ、時々読んでますよ。」と言われては、なんとかしてあげないとね、と思います。それと、ブログの更新もね。

 4月19日のブログ

学生による授業評価の点数はどこまで上げられるか?(クリッカーの効果)

では、クリッカーを用いた授業により、学生による授業の評価点が上がり、特に「眠たさ」という評価項目が改善したことを書きましたね。そうしたら地元の朝日新聞の高木さんから取材の申し込みがあり、5月13日の講義を見学していただきました。

 そして、その記事を6月2日の朝日の「三重」のページに載せていただいたので、ブログの読者の皆さんにもご報告します。(朝日新聞社の許可を得て、その記事の写真を下にアップします。なお、この記事の無断転載は禁止されています。)

 この記事はかなり正確に書いていただいています。特に、学生のアンケートで、取材の時のカメラのフラッシュについて学生がクレームを書いたことについても正直に記事にされるなんて、高木さんという記者の人柄が表れていると思います。

 取材の時から回数を重ねて、クリッカーもかなりスムースに使えるようになってきました。ある程度予想はしていたものの、分かっているはずだと思い込んでいたことがいかに学生たちに理解されていないか、リアルタイムに見せつけられ、改めてどう教えたらいいのか、試行錯誤をしているところです。

 クリッカーに少し慣れてくると、クリッカーを持っていながら眠ってしまう学生もいて、眠たさの解決に万能ではないことがわかりました。新聞の見出しの『「眠たい」講義卒業?』に、「?」をお付けになったのは、当りですね。でも、眠っているかどうかは着実に把握できるので、すぐに学生さんを起こすことができます。アンケートには「昨日はよく寝れてなかったのか、講義は眠くないのに眠ってしまった。」という書き込みがありました。

 学生からはポジティブな意見もたくさんいただいています。

「先生がすごく学生の意見を取り入れて下さるのでとても助かります。」

「もっと、頑張って勉強しようと思った!」

「とてもおもしろい勉強だった。」

「難しい所を復習できる時間があり、ありがたい。」

「毎回、復習問題があるので、理解しやすくてとてもいいです。」

「毎回、感度と特異度の問題を出してもらえたので、見直しができて、完璧に理解できました。」

 こういう感想をいただくと、先生の方もやる気が出ますよね。

 さて、学生たちが学食から帰る時刻の21時が近づいているし、そろそろ僕も家に帰ることにしよう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« はたけんぼの酒 | トップ | 学生浪曲師、真山隼人くんが... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

高等教育」カテゴリの最新記事