「そう、やっぱりね。踏ん切りをつけようとしたのね。
でも、忘れられなかったのよねえ。そうなの、一泊したの。
その時に気が付いてくれれば。こんな騒ぎにはなら、、」
「ちょっと、待て! ミタライ君を責めるのは、筋違いだぞ。
分かるわけないだろうが、そんなこと。何も知らなかったんだから」
佐知子の言葉を遮るように、高木が彼を弁護した。
「いや、いいんだ。責められても仕方がない。鈍感な僕が悪いんだから」
「違う! 悪くない、絶対に。『泊めてくれ』ということは、抱かれたいという気持ちの表れだ。俺だって、抱くぞ」
「それは、そうでしょうけど。でも、どこに行ったのかしら。
あたしにだけは連絡をくれてもよさそうなものなのに。
水くさいわ、真理子も。まさか‥‥」
言葉を飲み込む佐知子に
「縁起でもない。そんなやわな女じゃないだろ、真理子は」
と、高木が重苦しく呟いた。
「真理子ってさ、純なところがあるし…」
あくまで、真理子を聖女然としたがる佐知子だった。
「ねえ、なにか言ってなかった、他に」
思い当たる節に気付いたかのような佐知子で、彼の言から確認をとりたがった。
「いや、これといっては‥‥。確か、大阪に旅行するとは言っていたけれども」
「それよ、それ。大阪よ、大阪なの。今は亡くなってしまったけれど、確かおじさんが居らしたはずよ」
結局のところ、真理子からの連絡待ちということになった。
彼と真理子との関係については、三人だけの秘密ということになった。
彼としては、二人に全てを話したことで、少し気が楽になった。
その夜、高木の呼びかけで同窓会を開いた。
急な呼びかけにも関わらず、前回のメンバーが集まった。
真理子のことに触れる者は一人もおらず、彼はそんな心遣いに胸を熱くした。
でも、忘れられなかったのよねえ。そうなの、一泊したの。
その時に気が付いてくれれば。こんな騒ぎにはなら、、」
「ちょっと、待て! ミタライ君を責めるのは、筋違いだぞ。
分かるわけないだろうが、そんなこと。何も知らなかったんだから」
佐知子の言葉を遮るように、高木が彼を弁護した。
「いや、いいんだ。責められても仕方がない。鈍感な僕が悪いんだから」
「違う! 悪くない、絶対に。『泊めてくれ』ということは、抱かれたいという気持ちの表れだ。俺だって、抱くぞ」
「それは、そうでしょうけど。でも、どこに行ったのかしら。
あたしにだけは連絡をくれてもよさそうなものなのに。
水くさいわ、真理子も。まさか‥‥」
言葉を飲み込む佐知子に
「縁起でもない。そんなやわな女じゃないだろ、真理子は」
と、高木が重苦しく呟いた。
「真理子ってさ、純なところがあるし…」
あくまで、真理子を聖女然としたがる佐知子だった。
「ねえ、なにか言ってなかった、他に」
思い当たる節に気付いたかのような佐知子で、彼の言から確認をとりたがった。
「いや、これといっては‥‥。確か、大阪に旅行するとは言っていたけれども」
「それよ、それ。大阪よ、大阪なの。今は亡くなってしまったけれど、確かおじさんが居らしたはずよ」
結局のところ、真理子からの連絡待ちということになった。
彼と真理子との関係については、三人だけの秘密ということになった。
彼としては、二人に全てを話したことで、少し気が楽になった。
その夜、高木の呼びかけで同窓会を開いた。
急な呼びかけにも関わらず、前回のメンバーが集まった。
真理子のことに触れる者は一人もおらず、彼はそんな心遣いに胸を熱くした。