Tomotubby’s Travel Blog

Tomotubby と Pet の奇妙な旅 Blog。
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「歌姫」の構造

2007-12-22 | 映画・ロケ地訪問
太郎と鈴で、タロタロリンリンリン♪


記憶を喪って漁港に流れ着いた男が、映画館を営む家族と近隣住民の愛に支えられ、十年をその地で暮らす。男は、成長した映画館の次女と恋に落ちるが、事故で記憶が蘇り自分に娘がいたことを知り、決意して漁港を後に旅立つ。

一見すると「歌姫」は、男の喪われた記憶に運命が左右された悲恋物語の体裁であるが、外界と隔絶された漁港というパラダイスに迷い込み、そこに滞在するも、やがて外界に帰る日が訪れる。という筋書きは一種の「桃源郷譚」。漁港は母体で、椰子の実のように流れ着いた男は胤、暗い映画館の子宮に着床する。母の子宮で十年(十ヶ月)を過ごして、男は新しい生を受けて再生する。誕生は同時に母体からの別離でもあり、男に恋を抱く次女の振る舞いは、極めて母性的であったのが印象深い。

記憶を喪った男は「太郎」と呼ばれているが、一種の「桃源郷譚」である「浦島太郎」をも連想させる。

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