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『沈船検死』 曽野綾子

2006年12月22日 | エッセイ

 

沈船検死 曽野綾子.jpg


作家、三浦朱門氏の妻であり、自身も旺盛に活動されている曽野綾子氏の著作です。

新聞などに載る氏の発言を “元気のいい人だな” という程度の気持ちで読んでいたのですが、どういうわけか著作を読む機会を持っていませんでした。かつては自民党大会にゲストとして呼ばれ、大勢の議員に向かって、


政治家になられる、ということは、自己の利益や権勢のために働くことではなく、人々のために自ら選んで死ぬ準備があると言えることでありましょう。それができないようなら、すぐにも私のように、卑怯者でも嘘つきでもどうにか勤まる職業に転職されることをお勧めいたします


とやりました。テレビのニュースでそれを見た時の驚きは今でも思い出せます。 また小泉内閣が誕生してしばらくした時、話題になった首相のメールマガジン、(らいおんはーと)では、小泉首相に対し

 
いまだに小泉総理の演説にも国民の心に深く残ったものがない」 と直言しました。



さらに、「ボランティアの強制」 などを主張したり、ペルー元大統領フジモリ氏を自宅にかくまったりして話題になり、そういう断片的な知識しか持たずに本書を読んだのですが、さまざまな発言や行動の真意が分かりました。すべてがキリスト教に基づく信念で活動をしているのですね。


困っている人がいれば、南アフリカであろうが、インドであろうが、パレスチナであろうが、砂漠、僻地、難民収容所にどんどんわけいって、自身で危険を冒して活動をする。とても優しく、同時に厳しい人でした。


自分だけの平和主義、言葉だけの民主主義、偽善的なマスコミを徹底して嫌悪します。非常に強烈なインパクトがあり、さまざまな事がらについて独自の観点が示されます。

ノーベル賞作家の大江健三郎氏が、“沖縄ノート”の中で書いた、沖縄戦における集団自決の話し。戦争の悲惨さを表わす代表的な事件として歴史教科書にまで載ってしまいましたが、曽野氏は自分で何度も沖縄へ足を運び、徹底的に調査をします。


その中で、集団自決に関わる証言が次々否定され、当の大江氏はまったく現地取材を行っていないことを知り愕然とし、告発します。現在は裁判にもなっているそうです。

もし曽野氏が正しいのであれば、私にとって “平和と知性のシンボル” “日本文学の誇り” であった大江氏でしたが、彼がペンという暴力で罪のない人々のリンチをしているということになってしまうわけです。


そういえば、曽野氏はアメリカのイラク統治に関しても早くから “失敗”を予言していました。理由は 『アメリカ政府はアラブのことを知らないから』。ご自分で行動してきた人ならではの判断でしょう。


とにかくどんな権力に対しても、媚びることをしない、命を危険にさらしてまで行動をする。単なる作家やジャーナリストの範疇を越えて、 “サムライ” とでも呼びたくなるような女性だと知りました。


沈船検死

新潮社

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岩波書店

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9 コメント

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Unknown (milesta)
2006-12-22 14:27:46
曽野さんは、とにかく「行動の人」ですよね。
また私はキリスト教徒ではないけれど、曽野さんの著書によって、キリスト教によって救われる人がいるのは何故かということが少しわかった気がします。曽野さんはいつも、神様は人間をそれぞれ違うように作られたのだから、それを受け入れるべきだと仰います。「人間は平等であるはずだ」という考えに囚われて苦しんでいる人を解放してくれる言葉だと思います。
milestaさん (VIVA)
2006-12-22 15:33:17
本当はもっと詳しく、いろいろな本を読んでから記事にしたかったのですが、どうしても生徒たちにも知って欲しくて書きました。

どうしてこうした行動が可能なのか、もっと知りたいなぁと思っております。右とか左とか関係なく、打算なく行動できる原動力は驚嘆せざるを得ません。

こういう方が何人か集まって政党でも作ったら、なんて考えてしまいます。
質問なのですが (Y)
2006-12-23 01:26:26
はじめまして。

塾の先生さまが運営されておられる
大変優秀なBlogなのかもしれません。

でもどうしてペット関連のBlogPeopleにまで
トラックバックされてるのですか?
管理人不在でトラックバックが簡単だからなのですか?

悪い方ではなさそうなので余計に気になります。
Yさん (VIVA)
2006-12-23 04:20:24
はじめまして。

VIVAと申します。お知らせいただき誠にありがとうございます。ブログピープルの読書や教育関連には設定で自動的にTBさせていただいているものもありますが、記事と関連のまったくないところにすることはなく、ましてペット関連のところに拙ブログのTBがあれば、それは私が何かを間違えたかも知れません。すみません。決して管理人さんが不在だから良いだろうとは考えませんが…。今、ブログピープルのペット関連で拙記事を探してみます。Yさんがご気分を害されたのであれば、お詫びのしようもありませんが…。

もしまたありましたら、お知らせ下さい。
曽野綾子さん (ぜん)
2006-12-27 15:03:21
曽野綾子さんの考え方に、そのまま賛同するわけではありませんが、考え方のヒントになると思います。
多く読んでいる作家の一人です。
ぜんさん (VIVA)
2006-12-27 17:28:09
あっ、ご無沙汰しております。コメントいただき恐縮です。そうですか、読んでおられますか。何か感動されたものがありましたらぜひ教えて下さい。

ありがとうございました。
雑感 (神でない人間)
2008-01-15 17:30:22
大江健三郎の「沖縄ノート」とか「沖縄経験」を読んでみると、大江健三郎が沖縄を何度もおとずれていることや、沖縄人ともつながりが深いことがわかります。

曽野綾子のキリスト教も、私には、ユダヤ教とイスラム教に近いようにおもわれます。 どこかで、曽野綾子がイスラム教徒をたいそうほめているのを読んだことがります。

赤松隊長の命令により、スパイ容疑で殺害された沖縄の少年や若い女性のことは、どうなるのでしょうか?
Unknown (朴訥少年)
2008-01-18 01:52:44
僕の様なフリーターは曽野さんおうちにでもたずねていけば、キリスト教の自愛でご飯でも恵んでもらえるでしょうか?

曽野綾子は、思想的に固まりすぎています。
今日立ち読みした彼女のエッセイのなかで、彼女はこう書いていました。

ーーーー
第二次大戦はかなりたくさんの人間を殺したと批判するならば、戦後の日本を見てみろ。戦後の日本は、中絶で何千億もの人間を殺してきた。
ーーーー

数字は不確かでしたので、載せませんでしたが、こういう論旨でした。およそ、右翼という思想概念で凝り固まった人は、このような「曲解」をしてみて「戦争」の地位を高めます。

中絶そのものについて、僕自身は、否定的な見方を持ちますが、実際中絶による「死」と戦争による「死」は、比較できる次元にはありません。前者は少なくとも自らの意思であり、倫理教育によってあるいは福祉政策によって改善できる可能性を秘めているでしょう。
しかし、戦争による死は、強制的なものです。あるいは「必要悪」によるものです。
神でない人間さん・朴訥少年さん (VIVA)
2008-01-18 10:55:03
コメントありがとうございました。

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