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『奪還』蓮池透

2006年05月02日 | 外国関連

実は、北朝鮮から帰国された5人の拉致被害者の中のお一人と、私の教え子のお母さんは幼なじみでした。そのお母さんは、北朝鮮が拉致を認め、ご自分の友人の名がテレビで告げられた時、震えていたそうです。5人の帰国後、すぐに連絡を取り、何度かお会いになり、頻繁に電話もされていたそうですが、私の教え子も『受験勉強頑張って』と励まされ、プレゼントまでいただいたそうです。ご自分の筆舌に尽くしがたい多難を嘆くどころか、何不自由ない友人の子どもにまで気配りをするということに深く感動しました。

その当時に出されたのが、本書で、北朝鮮に弟を拉致された蓮池氏の本です。つい最近文庫化されました。この時点では、拉致された5人は戻って来ましたが、そのご家族はまだ北朝鮮にいました。

空港に5人が降りてきたシーンは、私ですら涙が出そうで、その生徒とも『本当に良かったなぁ』と話していました。もちろん拉致事件の全面解決にはほど遠い状況ですが、蓮池さんも弟さんが24年ぶりに帰国され、一応の成果があったと思っていました。ところがある日、テレビで蓮池さんが「外務省は敵だ」という発言しているのにショックを受け、ぜひ読みたいと思っていた一冊でした。 

ここで描かれている拉致家族の方々の苦悩、戦い、挫折は本当に壮絶を極めていて、拉致家族は当時も命がけで戦っているということを痛感します。自分の認識不足を恥じました。

蓮池さんら関係者は、日本の政治家、外務官僚に対し、北朝鮮と同等、ひょっとしたら、それ以上とさえ言えるかもしれない憎悪を抱いているということが分かりました。拉致を認めさせ、5人を連れ戻した小泉首相に対してさえ、一言の礼や賛辞もありません。どなたかが本書を読んで「日本人をやめたくなった」を書いておられました。『真相(若宮清著)』や『北朝鮮外交の真実(原田武夫著)』でも示されたように、日本外交はそこまで無力なのでしょうか。

横田さんのお母様の訪米が大成功のように報じられている影で、特定失踪者のご家族も一緒に訪米されていたことをご存知でしょうか。彼らに関しては何の報道もありません。

今日になって本書をご紹介したのは、蓮池さんの当時と同じ気持ちを持ち続けている方、いまだに日本の政治家、官僚、マスコミに踏みつぶされ、裏切られ続けている方々まだ、たくさんいらっしゃるということを知ったからです。民谷麗さんという方からTBで、ぜひ『特定失踪者高野清文さんの妹美幸さんの訴え』をブログで書いて欲しいと訴えていたからです。

特定失踪者というのは、拉致被害者とは政府から認められず「拉致の疑いが否定できない」または「拉致の疑いが高い」とされている失踪者で、数百人に上りますが、疑いが高い方だけでも30人ほどいらっしゃるそうです。そういう方々に対して、国はあまりにも冷淡なのです。

数日前、政府が【拉致】日本は見捨てない のポスターが出された時の高橋美幸さんのブログは以下のようにはじまっていました。

>本当に? 本当に見捨てない?

>政府、拉致問題特命チームによる、拉致問題広報用の、このポスターを見て、まず最初に出てきた言葉でした。

>国民は見すてない。でも政府には…不信感でいっぱいです。

>ここ数日のアメリカでの動きの中で、調査会真鍋さんの訪米報告の中でもあるように、訪米した特定失踪者家族について、日本政府は何のフォローをしていなかったといいます。観光旅行者と、同レベルという事でしょうか?

【以下略】

私は北朝鮮に関して、ワイドショーレベルで報道される知識しかありません。もちろん、民谷麗さんも高野美幸さんも、直接にはどういう方かまったく存じ上げません。ただブロガー仲間とまでは言いませんが、同じ空間と時間で、苦しみながら戦っている人がいると思うといたたまれません。せめてこうしてブログで少しでも特定失踪者の見解をご紹介するだけです。よろしければ、高橋さんのブログをご覧になってみて下さい。

http://tokkun.net/jump.htm



『奪還』蓮池透
奪還―引き裂かれた二十四年

新潮社

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新潮社:196p:1365円
奪還 第二章

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6 コメント

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「平成つれづれなるままに」の筆者です。 (釈阿)
2006-05-04 00:29:56
TB、ありがとうございました。ご紹介の高橋さんのブログを拝見いたします。
恐縮です (VIVA)
2006-05-04 12:21:44
釈阿さま:本記事を書いた事情は上の通りですが、コメントまで頂戴し、ありがとうございます。
感動ですよ (名無し)
2006-05-05 10:20:33
他の本にはいっぱいコメントありますが、どうしてこれ少ないんでしょうね?よく言うように電車で読めない感動本。チョウおすすめ!でしょ?管理人さん?
その通りです。 (VIVA)
2006-05-05 11:51:41
いや、おっしゃるように涙なしにはちょっと読めない一冊ですね。特に読んだ当時は読む方の気持ちも、今以上に高まっていたからということもあるでしょうが。コメントありがとうございます。またお越し下さいね。
Unknown (#4 @s)
2006-05-20 18:02:36
こんにちは!

トラックバック(5月2日分)有り難う御座いました!

貴公のブログを拝見させていただきまして

推薦されていた蓮池透さんの「奪還」を読ませていただきました。

読むみながら自分の勉強不足と

その上でブログで論じてしまった自分の無責任さを感じ

自分に対してとても腹立たしくなりました。



最近「勉強」の大切さをかみ締めているのですが

そんな時に、丁度先の素晴らしい本を紹介して頂き、とても助かりました。有り難う御座いました☆
(#4 @s)さん (VIVA)
2006-05-21 00:35:03
とんでもございません。こちらこそ過分のコメントをいただきました。ありがとうございます。(#4 @s)さん(お名前が難しいです)の楽しいブログ、拝見させていただきます。

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