本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『北朝鮮を知りすぎた医者』ノルベルト・フォラツェン

2006年07月05日 | 外国関連
     
韓国軍と北朝鮮軍は、前回のワールドカップの時、海上で銃撃戦を演じました。そして、“ワールドカップと北朝鮮” というつながりで思い出すのが本書の著者ノルベルト・フォラツェン氏です。

W杯という世界的イベントを狙って、中国にいる脱北者を1000人、韓国に輸送するという計画をぶち上げました。世界の目を北朝鮮と中国の人権抑圧に向けようとしたのですが、韓国でも受け入れられませんでした。

中国・瀋陽の日本領事館に北朝鮮人が駆け込んで亡命申請した事件がありました。日本では詳しく報道されていない印象を受けましたが、この事件は国際市民グループによって企画され、その中心にドイツ人医師のフォラツェンがいたのです。北京のスペイン大使館に25人の北朝鮮人が駆け込んで亡命申請した事件にもかかわっていました。

本書はまだ日本の拉致被害者がどうなっているか分からない時に出されましたが、かなりの反響がありました。北朝鮮のやけどした患者に自分の皮膚を移植したことで、北朝鮮政府から“友好メダル”を贈られ、そのメダルをパスポート代わりに治療を続けながら、通常外国人には絶対知らされないような一般国民の生活状況を探ります。

また政府高官、軍幹部など、腐敗した指導層を目の当たりにし、その国の悲惨な実態を告発した内容です。北朝鮮の現状、すなわち拷問、略奪、賄賂、集団殺戮と読むに耐えないような悲劇を国際社会に訴えています。横田めぐみさんだけでなく、まだいるであろう、多くの拉致された日本人の方々を心配せざるを得ません。

フォラツェン氏は『金正日を倒す』 『韓国は北に乗っ取られた』 と公言していますので、韓国政府からも睨まれています。日本外務省にとっても、瀋陽の事件で無能振りをさらけ出してしまったので、邪魔な存在でしょうか。最近氏のニュースを聞かないので心配です。

今日のミサイル発射で、とりあえず万景峰号の入港を禁止したようですが、総裁選も控えていますし、相手は一筋縄ではいかない“北の暴れん坊将軍”、対応に苦慮しそうですが、こういう時こそ、政治家・官僚の腕の見せどころでしょう。国民のためにがんばっていただきたい。



http://tokkun.net/jump.htm

北朝鮮を知りすぎた医者

草思社

詳細を見る



■ランキングに参加しております■
にほんブログ村 本ブログへ おかげさまで、こちらは何とか1位です。ありがとうございます。

ブログランキング 

読書小説書籍・雑誌ニュースbookサッカーおすすめサイト北朝鮮テポドン家族


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お世話様です (kazu4502)
2006-07-06 01:06:39
VIVAさん毎日ご苦労様です、おそくなりましたがシベリアからの一時帰国の中川さんについてのコメントをいただきありがとうございました、我々の先輩で苦労された方がたくさんいらっしゃいます、それを思うとまだ日本の戦後は終わっていないのではないかと思います、ちなみに1950年3月生まれなんですよ

今後ともよろしくお願いいたします。

今日もサッカーの時間待ちなんです(苦笑)

明日の仕事も寝不足になるでしょうね

あそうそう、いつも押していただいて感謝しています、私も押してますので今後ともよろしくご指導ください。
返信する
kazuさん (VIVA)
2006-07-06 01:13:21
ありがとうございます。中川さんを取り上げたkazuさんの記事と、それに感謝のコメントをしておられた方に感動しました。よく見つけられました。こちらこそいろいろ教えて下さい。
返信する
この本も採り上げていらっしゃるのですね (街中の案山子)
2006-08-01 19:46:35
北朝鮮、何とかならないかと思う人が多いのに、辛い体制が続いて、、、。ドイツのベルリンの壁のようにならないものでしょかね。
返信する
街中の案山子さん (VIVA)
2006-08-01 23:25:35
こんばんは、この本は衝撃的でした。読んだ当時は、まわりにいる人に、薦めてまわっていました。フォラツェンさんの使命感はすごいですね。つきなみですが、医師としての倫理観を超えてというか、人間としての、正義感、行動力が、凡人には計り知れません。最近、どうされているのでしょうか、心配です。そういえばドイツ人でしたね。
返信する