暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

冬に死んでいく

2017-03-28 | -2016,2017
肌の突き刺す朝を超え
雪も溶けだす昼を超え
またしんしんと冷えいる夜
おまえはどれほど寒かったろう

臓腑が凍えてしまったのか
ふくよかな尾はあっという間に痩せこけて
腹は膨満しているという
おまえはどこを見ているのだ

手のひらにたやすく乗ってしまうほど
おまえは変わり果てて小さくなった
寒かったろう、苦しかったろう
もはや知る由もなく

緩解していく、春が来る
それでも夜はいまだになお
しんしんと爪先を刺してくる
おまえはどれほど寒いだろう
狭く暗い箱はどれほど
おまえを凍えさせているだろう
はんぶん開いた眼の先は
わたしには何も見えないのだ

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