鉄錆に似た匂いのする指先は
生ぬるくじっとりと濡れている
臓腑の奥が熱を持ち
開いた裂け目からこぼれ落ちる水
まとわりつく粘液に
わたしはきっと絶叫するのだ
流れ落ちた体液のかわりに
他人のそれが詰め込まれる
鉄錆の匂いはやまず
なまぐささが増していく
(もっともっとと貪欲になるたび)
(わたしはむなしさに心を乱し)
(誰とも知らぬ数多の彼らを犠牲にし)
(臓腑の悦びにどっぷりと浸るのだ)
(それが無益な行為だとしても)
(彼らはわたしに微笑んでくる)
(それが有益な行為だと)
(わたしはわたしだけで知っている)
(今更引き返すことはできないのだ)
(一度開いた傷は塞がらず)
(わたしのかつて無垢だったそれも)
(今や見るも無残なもの)
(はらわたが飛び出るほどに)
(深く深く抉るがいい)
(もはや用済みの器官になど)
(大した使い道はないのだから)
生ぬるくじっとりと濡れている
臓腑の奥が熱を持ち
開いた裂け目からこぼれ落ちる水
まとわりつく粘液に
わたしはきっと絶叫するのだ
流れ落ちた体液のかわりに
他人のそれが詰め込まれる
鉄錆の匂いはやまず
なまぐささが増していく
(もっともっとと貪欲になるたび)
(わたしはむなしさに心を乱し)
(誰とも知らぬ数多の彼らを犠牲にし)
(臓腑の悦びにどっぷりと浸るのだ)
(それが無益な行為だとしても)
(彼らはわたしに微笑んでくる)
(それが有益な行為だと)
(わたしはわたしだけで知っている)
(今更引き返すことはできないのだ)
(一度開いた傷は塞がらず)
(わたしのかつて無垢だったそれも)
(今や見るも無残なもの)
(はらわたが飛び出るほどに)
(深く深く抉るがいい)
(もはや用済みの器官になど)
(大した使い道はないのだから)