息が白い
だけどこれはたばこの煙
肺にたっぷり満たされて
ゆうらり波に揺られている
だけど手足は冷えきっていて
ゆうらり波に沈んでいくようだ
有機体といえばぼくくらいのもの
四つ目の光が
なんだか追いかけているらしい
それはどうやらぼくのようだ
ゆったり足を回らせて
横から前へ通り過ぎる
空気をいくら吐いたって
肺にたゆたい燻す煙
白い白い燃えた跡を眺めていると
もうそろそろ地面が見えてくるはず
四つ目ではない二つの光
けれど無機物
少なくとも今のぼくには
巨きな鉄の蜘蛛に踏みつぶされる
そんなぼくを想像する
ばきばきと咀嚼の音
目に見える赤はぼくのあかし
だけどたばこの火を消す前に
そいつに道をゆずるはずだ
いつの間にか葉は燃え尽きて
だけど肺にはとどこおる煙
蜘蛛を殺すには足りないほど
白い息は排気ガスにまじり
空に浮かぶのはたった一つの星
蜘蛛よ、きみはなんのために
八つ足を捨ててしまったのか
前なら白く後ろなら赤く
目を光らせて威嚇する蜘蛛よ、
きみたちはなんのために
道を走っているのだろう
ぼくに光る目はない
ろうそくより小さな一個の火を除いて
だけどこれはたばこの煙
肺にたっぷり満たされて
ゆうらり波に揺られている
だけど手足は冷えきっていて
ゆうらり波に沈んでいくようだ
有機体といえばぼくくらいのもの
四つ目の光が
なんだか追いかけているらしい
それはどうやらぼくのようだ
ゆったり足を回らせて
横から前へ通り過ぎる
空気をいくら吐いたって
肺にたゆたい燻す煙
白い白い燃えた跡を眺めていると
もうそろそろ地面が見えてくるはず
四つ目ではない二つの光
けれど無機物
少なくとも今のぼくには
巨きな鉄の蜘蛛に踏みつぶされる
そんなぼくを想像する
ばきばきと咀嚼の音
目に見える赤はぼくのあかし
だけどたばこの火を消す前に
そいつに道をゆずるはずだ
いつの間にか葉は燃え尽きて
だけど肺にはとどこおる煙
蜘蛛を殺すには足りないほど
白い息は排気ガスにまじり
空に浮かぶのはたった一つの星
蜘蛛よ、きみはなんのために
八つ足を捨ててしまったのか
前なら白く後ろなら赤く
目を光らせて威嚇する蜘蛛よ、
きみたちはなんのために
道を走っているのだろう
ぼくに光る目はない
ろうそくより小さな一個の火を除いて