自然を愛して

田舎暮らし

再興第100回日本美術院展覧会

2016-06-05 16:32:40 | Weblog
島根(西)展が5月13日(金)~5月29日(日)まで今井美術館で開催されました。
同人作品、受賞作品、入選作品68点が展示されました。島根県に住んでから91回~100回まで毎年鑑賞していましたので
同人の画家の名前、特徴も少々分かるようになり、記念すべき展覧会はどんな作品が鑑賞できるか楽しみに出かけました。

[好きな作品]
玄皎想(げんこうそう) (松尾 敏雄) 【日本美術院理事長】
水墨画基調とした作品。大観が「玄皎会」を開いたことに由来して「大観の意志である日本画の王道を歩こうと
新しい旅立ちを決意して描かれたそうです。「玄皎とは(黒と白)の手法」です。
画面いっぱいに描かれた白い牡丹は品格があって葉は墨の濃淡によって花が引き立っていました。

行間のよみ (宮廻(みやさこ) 正明)
イタリア・フィレンツェの街を流れる川にボートが水面を切って進む場面を藍色を基調に描いた作品。
水面に広がる波紋、行間に幻想的な光景が宗教的なものを感じました。行間には般若心経を描き込まれたそうですが、
近くで観ますと文字が薄らと見えました。般若心経の内容をよく知っていましたら奥深く読み取ることができたと思いますので
お経を聞く事があるときはじっくりお話を聴きましょう。
題名が「行間のよみ」行間の幅が違い発想が凄いと思いました。

森の住民(すみびと) (西田 俊英(しゅんえい)
巨樹が生い茂る屋久島(鹿児島県)の森をモチーフに、墨を中心に描かれた作品。
暗い洞窟の中から、太古の森を垣間見ている場面を表現したそうですが、住民は何かしらと思いましたら、
煌めく青空に子ザルでしょうか小枝に飛び移っている様子を観つけ自然の中の楽しみを感じました。

菊花 (那波多目(なばため) 功一)
全面に輝く金地着色(金箔押し地)の余白を十分に生かし、優美な糸菊が描かれている作品。
繊細で優雅な画風で四季の花をモーチフにしておられる作者は好きな画家です。今回は背景の金箔の輝きに目を見張りました。
華麗な糸菊が舞い、緑の葉はシンプルな構図ですが下に小菊が描かれたことにより、みずみずしさと凛とした清々しさを感じました。
院展91回の表紙に「きく図」が描かれていますがその花びらも素晴らしいです。

文部科学大臣賞  鉄線 (斉藤 満栄(みつえい)
初夏に白い花や紫の花が次々と咲き誇る鉄線はすっきりした花で庭を彩ります。
画の花は白色でしたが中心に紫の雄しべが描かれて花に力強さもあります。
画面全体にいっぱいの花が咲き、たくさんの葉っぱが爽やかで上品でした。

夕桜 (梅原 幸雄)
奈良県仏隆寺の望月桜(千年桜)作品
夕方の桜はうっとりする美しさとあやしさがあったそうですが、巨樹の側に一人の振袖を着た女性が描かれていました。
大和撫子の人物に魅力を感じました。
98回に展示された「旅の夕」作品はエキゾチックが漂う神秘的なインド女性が描かれていましたので対照的でした。

渦潮 (田淵 俊夫)
徳島県の鳴門のうず潮は、太平洋から入り込む海水と瀬戸内海からながれ出る海水が大量にぶつかって発生します。
春秋の限られた季節と時間に渦が大きくなると言います。その神秘性を海の芸術と捉えられて描かれた作品。
遠方の島々の瀬戸内海を描き、前方に渦潮を横いっぱいに描かれて柔らかい色彩によって神秘を感じます。
夫はもう一つのうず潮(松村 公嗣(こうじ))をじっと観ていましたがうず潮だけを大胆に明るく描いた作品でした。

[目に留まった作品]

内閣総理大臣賞
皇紀の一生 (宮北 千織(ちおり)

春三月(いこい) (鎌倉 秀雄) 宙と共に(郷倉 和子) 不忍 (手塚 雄二) 
緑映大和(後藤 純男)  山茶花(王(わん) 培(ぺい) 歩み続ける(伊藤 髟耳(ほうじ) 
白道(井手(いで) 康人(やすと) 雪月花(高橋 天山) 渡る風(小田野 尚之)
滝(大野 百樹(ももき)) 風の庭(北田 克己)集う(菊川 三織子(みおこ)
一葉(いちよう)の躊躇い(ためら)(染谷 香理) 伶(わざおき)(國司(こくし) 華子)

[夫がじっくり鑑賞していた作品]

日本美術院賞(大観賞) あずける (武部 雅子)  永遠の彩り(藁谷(わらや) 実)

行間のよみ(宮廻(みやさこ) 正明) 海霧(清水 達三) 鎮魂クトナーホラにて(吉村 誠司) 
中3とタンポポの頃(村上裕二) 帰還(清水 由郎(よしろう) 宵い刻(とき)(福井 爽人(さわと)
松樹千年(今井 珠泉(しゅせん) 雲上朝暘(うんじょうちょうよう)(下田 義寛)  
朝陽(あさひ)の中で(福王寺 一彦) うず潮(松村 公嗣(こうじ) 浄土須弥(大矢 紀) 
三原山(川瀬 麿士(まろし)

今井産業本社ビルの日本庭園 

今井美術館に隣接する今井産業本社ビルの特別応接室では会期中期間限定のカフェがあります。
大きな窓ガラスからは、松やサツキ、巧みに配置された庭石などが一望できます。
鑑賞後夫婦でコーヒーを頂きましたがレアチーズケーキが美味しくケーキ皿にはケーキの周りにきれいに
小さな果物、絞りクリームが配色良く飾ってあって至福のひとときを過ごしました。
許可を得て撮影しましたが、青空と新緑のコントラスが綺麗でした。


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