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指定管理者制度の功罪 (1) ひとつの捉え方

2007-04-30 11:35:43 | NPOの現状と指定管理者制度の問題点
 指定管理者制度は、ここ数年とても広がってきた制度の一つです。
その中でも、行政業務の一部を代行するごとき業務目的型のケースでは、
(1) 任意団体であってNPOではないと言うことが、なかなか理解されていません。
 予算はほぼ全額行政側で組まれて、指定管理者側で執行されます。しかし、都内の一例では、まさに新たな出張所が出来たごとくで、年間数千万円の予算が区から支給され、事務局長はじめ複数の行政担当者や区が募集したアルバイトが指名され、その方々が実質的に業務を運用しています。
 従って殆ど行政べったりのスタンスになりかねません。絶えず行政側から監視され干渉され、人事を含めて介入されてしまいます。 まるで、財団法人や社団法人と同じ流れです。ただ、経理処理がとても明朗であるとは言えないようです。これは組織の法律的な形態がまるで固まっていない状況を反映しています。現状の形態では資産管理一つとっても、どうなるのかさっぱりと分かりません。

(2) 市民や任意団体(指定管理者を除く)、NPOは行政に対して不服の表明や、提言が出来ます。しかし指定管理者制度に加盟した先は、それがほぼ出来なくなります。あくまで、実質的な行政組織の一部門なのだとの認識が必要なごとくです。
 建前上は、行政ではなく議会に対して責任を負うという立場とされています。

(3) 現状、財団法人や社団法人等は行政上では整理・縮小される対象となっています。が、ご存じのごとくこれらは予算は削減されても、解散などで総数が減少しているとは思えません。逆にそこへ指定管理者制度が加わることで、官僚にとって典型的な焼け太りのごとく、これから人員整理等があってもその退職者の異動先、そして定年天下り対象先がとても増えたという事態と考えて間違いがなさそうです。中小の自立した商店や職人たち、企業経営者や株式会社等が苦況におちってどんど転廃業したりして苦しんでいる中で、 


(4) 同時に、有力なNPOが指定管理者制度へと移行したり、入札制度によってNPOとしての業務を継続しようとして、結果として行政側に取り込まれてしまうケース、それも、結果として行政の目的に添った協力を地域開発や河川管理などでの、地域の根回し行為をしてしまうと言う事がとても多いことが分かってきました。
 とても哀しい事だと思っています。
 
(5) 新しいタイプの行政介入の手法として利用されてしまっているとまで言う方もおられます

(6) その様な事態のなかで、若手も定年退職者も、善意のボランティアとして参加された方々も、この現実を見て、NPOや指定管理者制度などからどんどん距離を置き、さらに何らかの支援を求められたときに、まず日当や交通費を請求して、その割り切りの上で参加するという、NPOの立場からは”悪しき風習”がはびこり出していると考えているのは当方だけでしょうか。

(7) 欧米での市民社会が成熟した環境での"ボランティア"と、行政側の悪しき、お上意識がはびこっている日本国内での意識ギャップが引き起こす深刻な問題だと理解しています。
 このままでは、NPOや指定管理者制度などがもたらすのは、今まで以上に市民間と、そして行政との関係での冷え冷えとした関係が、さらに深まり続くと考えていいと思われます。
 最も恐れる事態は、いまでの危うくなりかけていると感じられる家族関係、地域社会が、一人一人の原体験を通じて、さらにモラル面からも崩壊する可能性を感じ取っているからです。




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