巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
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世界の清掃員

2017-02-22 03:31:33 | 
廻りくる毎日に疲れ果てた君は
いつの時も疲労をひた隠す雄弁な男
もうそろそろ休むべきではと思う
君は決して休まないけれど
(おそらく君はもう直ぐ壊れるよ)

夜の帳が僕達を夢の中に誘う
僕は過去を慈しみながら
明日への活力を得ようともがく
君の活躍の原動力は何?

僕は君の人生を肯定しないけれど

僕は万物に感動する
人間の営み
動物の尊さ
植物の儚さ
天空の眩さ
流水の美しさ
機械の精巧さ
街路の整然さ
山脈の雄々しさ

これが僕達が造り上げた世界
大多数の人々が素通りする間
僕は一瞬の躊躇の後に思考停止する
そしてこの現実を疑問視し、受容しない

時を止め、つぶさに観察する
君は脆さを孕んだ勇者のよう
僕は更に世界を凝視する
整理されたすべてが実は無秩序
鏡に映る僕は僕のようで僕じゃない
このままではすべてが破綻する

この世の誰もが知らぬふりを決め込む

魂がグングン加速する
僕は遥か日付変更線を越えて
過ぎ去りし昨日へ逆戻りする
抹消された昨日をやり直すため

何度でも、何度でも繰り返す
僕のレンズを通した世界の濁りが消えるまで

僕は君が壊れないことを切に願う
無秩序な世界の中でもまれる君は
このままではいつか崩壊するだろう
誰かが止めねば、君は止まらないから

僕は止まらず、進まず、後戻りする
皆が過去に置き去りにした屑を
綺麗に回収し、清算するために

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