巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
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月の航路(推敲中)

2018-02-10 18:20:58 | 
「月の航路」

天空の星をぎゅっと握ったこの夜に
拳大の奇跡さえも潰えて
僅か一粒の呼気すら
出し渋っている満月

また永遠から遠ざかる
月の行方は月自身ですら知り得ない
だから毎日が必死なんだ
生きているんだ

芯の強さが必要だよね
あの頃の情熱や野心は何処へ
すべては友情の証だった
未来を信じていたかった

いつまでも繋がり続けるためには
情熱だけでは物足りないのかもしれない
それは、縁であり、運命であり
偶然かつ必然の出逢いであり
だからこそ二人でいようと決めたのだ

毎日をすり減らして生きる君はまるで
見る間に年老いていく龍宮帰りの漁師
過ぎ行く時を識らず無邪気に生きれば
いつまでも永遠の子供でいられるのに

毎日を消費していると気付く人ほど
皮肉なことに誰しも年老いてゆく
時の経過に気付かぬ愚か者ほど
いつまでも永遠の子供でいられるのだ


天を指差し、広げた翼
君は何を成し遂げるのか
それとも名ばかりの夢物語で
解体されるのを薄ら笑いして
単なるスクラップになるのか

何が本当かわからないまま
僕は君の問いかけに応じられない
首を縦に振れない
これ以上、君を待たせられない

季節はもう真冬だよ……

セーターだって マフラーだって
早く用意しなきゃ、もう手遅れなんだ

焦る君を横目に見ながら
僕は煽る、悩む、悲しむ
心から君を救いたい

生きなきゃ……


つらい日々が待っている……

遠くの空が霞んで見える
黄金の月の航路さえも
夜空に架けられないほどに



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