巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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人生のプロフェッショナル

2018-02-11 12:20:10 | 
「人生のプロフェッショナル」

僕は無力な存在だけれど
無限の可能性を信じていたい

零れ落ちるように
産まれ堕ちたとき
裸体のまま何も持たなかった

ゼロから始まった僕の人生
今はもう心臓が蠢いて、脈打って
スタートラインを切ってしまった



誰にも自分の人生は自分にしかないから
操舵するのは自分しかいない
それぞれの人生は白地だから
好きなように描くことができるはず

だから人は生まれつき誰しも
人生のプロフェッショナル

ここで立ち止まることはできないし
ここで立ち止まることはない

無から有を創り出せ
走って、走って、また走って
目の前の空白を埋めるべく、ただ走って

有限と無限の狭間で
東の空から西の空へ
超高速で陽が翔ける

僕は無力な存在だけれど
有限の時間を生き抜こう


月の航路

2018-02-11 10:08:27 | 
「月の航路」

空の星をぎゅっと握ったこの夜に
拳大の奇跡さえも潰えて
僅か一粒の呼気すら
出し渋っている満月

また永遠から遠ざかる
月の行方は月自身ですら知り得ない
だから毎日が必死なのだ
誰もが今を懸命に生きている

芯の強さが必要なのさ
あの頃の情熱や野心は何処へ
すべては友情の証だった
未来を信じていたかった

いつまでも繋がり続けるためには
情熱だけでは物足りないのかもしれない
それは、縁であり、運命であり
偶然かつ必然の出逢いであり
だからこそ二人でいようと決めたのだ

毎日をすり減らして生きる君はまるで
見る間に年老いていく龍宮帰りの漁師
過ぎゆく時を知らず無邪気に生きれば
いつまでも永遠の子供でいられるのに

天を指差し、広げた翼
君は何を成し遂げるのか
それとも名ばかりの夢物語で
薄ら笑いしながら解体されて
ただのスクラップになるのか

何が本当かわからないまま
僕は君の問いかけに応じられない
首を縦に振れない
これ以上、君を待たせられない

季節はもう真冬か……

セーターだって マフラーだって
早く用意しなけりゃ、もう手遅れだ

焦る君を横目に見ながら
僕は煽る、悩む、悲しむ
心から君を救いたい

生きねばならぬ……


悩ましい日々が待っている……

遠くの空が霞んで見える
黄金の月の航路さえも
夜空に架けられないほどに