巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
【連絡先】
cosgyshow@gmail.com

愚かな勝ち戦

2017-09-03 21:41:18 | 
外はいつの間にか
夕空の顔色を変え
紫色した雲の後ろ姿が
遠ざかってゆく
あの頃の僕達ならば
何かをするために
遊び心なんて
必要なかったけど

季節の変わり目を
直に肌で感じながら
僕達の限りある時間は
時々刻々と塗り潰される
ここはどこ?
あれはなに?
きみはだれ?
探し物など頭にないけど
確実に冷たくなってゆく
季節の風が僕の心を冷凍する

終わりの見えない遊戯を
じっと見守り続ける看守達
なぜ奴等の大罪を咎めない
哀しみも切なさも
変わりないから
おせっかいな僕は
君が死亡した事実だけを
削除しておくよ

一体全体、僕達の何が悪いのか
校則違反の常習者なら他を当たれ
僕は知る人ぞ知る優等生
裏の姿を知る者を抹消し続ける
機密データならとっくに風化させた
僕を解剖しても何も出てこない

諦めが悪いんだ
僕の表の姿だけ見てれば
結構いいヤツじゃんか
裏側の姿なんてのは
僕がこの世界を鎮めれば
じきに不要になるんだ

あゝ、おかしな持論は聞き飽きた
誰もが君の惨めな末路を願ってる
腐りきった思考回路を寸断してやろうか

亡国の王者よ
思い残すことはないか
いざ勝負だ!

大地が揺らぐ、一瞬の不意打ち

ちょっとずつ接近中

2017-09-03 11:41:50 | 
夢見るアーティストのように
僕らは宇宙空間を漂う
天体は格好の題材さ
何ひとつ信じられない今
僕はドクターの施しを受ける
君はいつだって陽気
勘違いは危険だね
ポジティブとネガティブは表裏一体
壊すことなく
壊れることなく
本当は残念な気持ちでいっぱい
嘘をついたね
君は君ひとりで
ホントのことは胸の奥に
隠し持っているんだろう
心配してるんだ
君が君でいられるのか
僕はありのままでありたい
無駄に飾ったとしても
裏の素顔すら見えない君を
追いかけやしない
たくさんの理不尽と
薄っぺらな論理を持って
格好付けて、そのまま歩き出して
凡人は凡人を貫くんだ
街の灯がともったね
君はギリギリ線の上で
踊るように千鳥歩き
許されることならば
君をエスコートしたい
ただ今、渋谷へ向かう溜池山王

すべて歳月のせい

2017-09-03 10:39:14 | 
天気予報どおり今日も晴れ
ちゃんと予定どおりにしなきゃ
幸せが逃げて行く

原点に戻らなきゃ
僕はどこから来て
どこへ行くのか

許し合えない傷は
塞ぐのか
塞がるのか

季節は時を超えて
着々と姿を変える

僕は俗世に身を任せ
白痴のフリをして
ラクに生きようとする

君が汚した心のシミは
そう簡単に拭い取れやしない
僕達は人生を甘く見た

僕達が占領する心の領域は
いつの日も狭すぎるから
愛憎なんて陳腐な言葉は
洗い流してしまおうと思う

僕達がまだ僕達だった時に
この夜だけ戻ろう
あの頃の情熱はどこへ
歳月のせいだけじゃないはずさ

過ぎ行く時の中で君は眠りにつく
僕はそれを見届け、季節の扉を回す