東南アジア、安倍外交を歓迎 「米の戦略補完、対中バランサー的役割担う」 

2013年01月29日 | 国際
日、豪、印、米で中国包囲網 安倍政権が掲げた「セキュリティー・ダイヤモンド構想」
2013.01.28
セキュリティー・ダイヤモンドのイメージ

 中国が、沖縄県・尖閣諸島強奪への野心をあらわにするなか、安倍晋三首相による“中国包囲戦略”が、関係者の注目を集めている。東シナ海や南シナ海における中国の覇権拡大を牽制(けんせい)するため、日本とオーストラリア、インド、米国ハワイといった民主主義国家・地域が連携して、中国を囲い込む「セキュリティー・ダイヤモンド」構想だ。その中身と実現の可能性とは-。

 政府は25日の閣議で、民主党政権が2010年に策定した防衛大綱の見直しと、大綱に基づく中期防衛力整備計画の廃止を決定した。年内に新しい大綱をまとめる。中国が尖閣強奪を視野に、領海・領空侵犯や軍備拡大を進めていることが念頭にあるのは間違いない。

 安倍首相は日本単独の防衛力強化だけでなく、海外との連携に向けた布石も着々と打っている。

 具体的戦略の1つとして注目されているのが、安倍首相が首相就任直後の昨年12月27日付で、プラハに本拠を置く国際NPO団体「プロジェクトシンジケート」に英語で寄せた、「Asia’s Democratic Security Diamond(=アジアの民主主義 セキュリティー・ダイヤモンド)」という論文だ。

 これによると、安倍首相は、中国が尖閣周辺の日本領海に公船を進入させて、東シナ海の領有権を既成事実化しようとしていると指摘し、自由航行が保障されるべき海上交通路(シーレーン)の一部である南シナ海についても、「北京の湖」とするために要塞化を進めていると警告。

 「南シナ海には核弾頭搭載ミサイルを発射可能な中国海軍の原子力潜水艦の基地とするのに十分な深さがある」「間もなく中国海軍の新型空母が頻繁に見かけられるようになる」「中国の周辺諸国を恐れさせる事態」などと記したうえで、中国の海洋覇権を防ぐために、日本とオーストラリア、インド、米国ハワイが、インド洋から西太平洋に広がる海洋権益を保護するダイヤモンドを形成すべきだ、と主張しているのだ。

 この構想を進めるためか、岸田文雄外相は13日にオーストラリアに飛び、同国のカー外相と会談。米国を含めた安全保障分野の協力を加速させる方針で合意した。

 さらに、安倍首相は東南アジア歴訪の最後に訪れたインドネシアで18日、法の支配と自由で開かれた海洋の重視などを掲げた「日本外交の新たな5原則」を発表し、中国を強く牽制した。

 注目の論文では、セキュリティー・ダイヤモンドを強化するため、英国やマレーシア、シンガポール、ニュージーランド、タヒチのフランス太平洋海軍との連携についても触れている。

 安倍首相の大胆構想は成就するのか。

 拓殖大学海外事情研究所の川上高司教授は「米国は国防費を削っており、同盟国に頼らざるを得なくなっている。(地域安全保障には)オーストラリアもインドも積極的とみられる。セキュリティー・ダイヤモンド構想は、実現する可能性は高いのでは。中国は、相手が強いと対話をし、弱いとみればかさにかかってくる国だけに、正攻法ともいえる。実現すれば硬いダイヤモンドになると思う」と語っている。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130128/plt1301281136002-n1.htm

なぜか報道されない安倍総理のセキュリティダイアモンド構想
http://kennkenngakugaku.blogspot.jp/2013/01/blog-post_10.html?spref=tw&m=1





東南アジア、安倍外交を歓迎 「米の戦略補完、対中バランサー的役割担う」 
2013.1.13 22:07

 【マニラ=青木伸行】安倍政権の東南アジア・オーストラリア重視の姿勢について、フィリピンなど東南アジアの多くの国々は米国のアジア太平洋重視戦略を補完し、中国に対するバランサー的役割を担うものとして評価、期待している。

 麻生太郎副総理のミャンマー訪問、岸田文雄外相のフィリピンなど4カ国歴訪、さらには16日からの安倍晋三首相のベトナムなど3カ国歴訪は、域内で驚きをもって受け止められた。

 ある東南アジア外交筋は「訪米日程の遅れという事情があったにせよ、アジアの雄である日本の首相が最初の外遊先に東南アジアを選んだのは予想外だった。日本の東南アジア重視、ひいては中国への対抗姿勢を肌身で感じる」と漏らす。

 同時に「安倍政権の波状的な東南アジア外交は、オバマ米政権のそれをほうふつさせ、米国と足並みをそろえ中国に対処する意思の表れだ」とも指摘する。

 「ほうふつさせる」とは、オバマ大統領が昨年11月、カンボジアでの東アジアサミットに際し、クリントン国務、パネッタ国防両長官と手分けし、東南アジア諸国とオーストラリアを訪問し、対中包囲網の形成に動いたことを指す。

 こうした日本の動きに最も強い期待を寄せているのはフィリピンである。岸田外相との会談後、ロサリオ外相は「(対中)均衡勢力としての『より強い日本』は、地域の安定を促進する一助になる」と明言した。

 南シナ海の警戒・監視能力を強化するフィリピンは、円借款で巡視船10隻を供与するよう日本に要請もした。日本の憲法上の制約を承知の上で「海上自衛隊との、より踏み込んだ直接的な協力と連携」(比政府筋)を求める声すらある。

 こうした期待にどう応えていくのか、安倍政権の真価が今後、問われる。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130113/asi13011322080005-n1.htm

“対中国”で同志 東南アジア各国、日本の軍備強化に期待



海上安保の連携強化で一致…日比外相が会談

 【マニラ=伊藤徹也】岸田外相は10日、訪問先のフィリピンでデルロサリオ外相と会談し、海洋権益拡大の動きをみせる中国を念頭に、海上安全保障の連携を強化することで一致した。

 フィリピンは南シナ海のスカボロー礁問題で、日本は尖閣諸島(沖縄県石垣市)を巡る問題でそれぞれ中国と対立している。

 会談ではデルロサリオ氏が、中国に対する懸念を表明、岸田氏は尖閣諸島についての日本の立場を説明した。連携強化策として、フィリピン沿岸警備隊への巡視船供与などの協議を加速させることを確認した。

(2013年1月11日10時57分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130110-OYT1T01161.htm?from=popin





「日本」との言葉にポジティブな意味…東南アで良好なイメージ
2013/01/16(水) 13:56 

  2013年、日本政府は東南アジアの各国を訪問し、中国包囲網を作り上げようとしているが、中国メディアの環球網は15日付で「わが国と同じく日本による侵略の歴史を持つ国々は日本をどのように見ているのか」と報じた。

  東南アジアの国々において、歴史問題に関して日本と論争が起きることは少ない。また、現在にいたっても第2次世界大戦時の侵略について恨み事を言う国もほぼ皆無だ。記事は「それは日本政府が戦後、海外での自国イメージに注意を払い、侵略者としてではなく投資家としてのイメージを築き上げてきたからだ」と主張した。

  環球網の記者がミャンマーの人びとに対し、「日本がもたらした損失」を忘れたのかと問うと、ミャンマーの人びとは、「忘れたのではなく、許したのだ」と答えた。環球網の取材の結果、インドネシアやタイの人びとのあいだでも日本に対する評価は一様に高かった。

  さらに記事は、チェンマイ大学の教授の言葉として、「1970年代、タイ人は日本を嫌っていたが、その後の30年にわたって日本の投資がタイ経済の重要な柱となり、タイ人は日本を好きになった」と報じたほか、インドネシアにおいては「日本」という言葉にはポジティブな意味が含まれると報じた。

  中国や韓国と違い、東南アジア諸国における日本のイメージは良好だ。記事は、「これは戦後数十年にわたって日本が現地に深く入り込み、心を込めての現地経済に貢献したからであり、中国はこれを警戒し、深く考える必要がある」と報じた。(編集担当:及川源十郎)

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0116&f=national_0116_016.shtml



【中国ブログ】日本が東南アジアで良好な国家イメージを得た理由
2013/01/30(水) 10:49 

  中国メディアの環球網は15日付で、「東南アジアの国々は、わが国と同じように日本による侵略を受けたにもかかわらず、今では日本に対して良いイメージを持っている」とし、その理由として「戦後数十年にわたって日本が現地に深く入り込み、心を込めての現地経済に貢献したから」と報じたが、中国人ブロガーの程万軍さんは同報道に対する持論を自らのブログに綴った。

  東南アジアの国々において、歴史問題に関して日本と論争が起きることは少ない。また、現在にいたっても第2次世界大戦時の侵略について恨み事を言う国もほぼ皆無だ。環球網は「それは日本政府が戦後、海外での自国イメージに注意を払い、侵略者としてではなく投資家としてのイメージを築き上げてきたからだ」と主張した。

  一方、中国人ブロガーの程万軍さんは、東南アジアの国々が日本に対して良いイメージを持っている理由として、「日本のハードパワーに東南アジアの国々は心服している」ことを挙げた。

  中国製品はコストパフォーマンス以外で日本製品を上回ることができず、特に品質の面では日本製品に完敗している。しかし、中国人も日本製品の価値は分かっているはずなのに、「なぜ中国人の日本に対する好感度は低いままなのか? 」と問いかけつつ、経済以外にも理由があるはずだと主張した。

  筆者が挙げた経済以外の理由は「ソフトパワー」だ。日本は第2次世界大戦中に東南アジアの戦場において「東洋文明の主体国」として戦い、西洋諸国の植民地支配からの独立を援助したというイメージを確立。ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシアの国々は日本が西洋国家の支配を取り除き、希望を与えてくれたと感じている。

  筆者は、「日本はこのように思想上から国家のイメージを変えていき、東洋のリーダーとして受け入れられようとしている」と分析。以前は「白人支配からの自由」、今では「中国の侵略に対抗するため」、ともに闘う国家としてのつながりを持ちつつあると主張した。(編集担当:畠山栄)

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0130&f=national_0130_011.shtml





安倍政権誕生に沸く印 「強い日本はインドの利益」
2013.1.5 12:00
写真【国際情勢分析】2012年12月7日夜、首都ニューデリーのインド門で打ち上げられた日印国交樹立60周年を祝う花火。日本との関係を重視するインドは、安倍政権にいっそうの期待を寄せている=インド(岩田智雄撮影)

 インドでは、政府もメディアも、安倍晋三首相(58)の就任を日印関係を深化させる好機ととらえ、安倍氏に強い期待を寄せている。安倍氏を好感する大きな理由の一つは、安倍氏が首相として2007年8月に訪印した際にインド国会で行った演説が、強烈な印象を残したことにありそうだ。

■ 印象深い国会演説

 「2つの海の交わり」と題する演説で、安倍氏は「太平洋とインド洋は、今や自由の海、繁栄の海として、1つのダイナミックな結合をもたらしている。従来の地理的境界を突き破る拡大アジアが、明瞭な形を現しつつある」と主張。日本とインドの戦略的グローバルパートナーシップをユーラシア大陸の外縁に沿う自由と繁栄の弧の「要をなす」として、日印関係重視を明確にした。

 また、「強いインドは日本の利益であり、強い日本はインドの利益」と述べて、インド人の共感を得た。

 コロコロと変わる日本の首相と違い、当時も現在もインドの首相であるマンモハン・シン氏(80)は昨年12月26日、安倍首相就任を祝福。PTI通信によると、シン首相は、インドと日本の戦略的なグローバルパートナーシップの重要性を強調し、安倍氏がこのパートナーシップの重要な考案者だったと指摘した。

 そのうえで、日本経済がいっそう繁栄し、日本が安倍氏の指導の下で世界の諸問題で重要な役割を果たすだろうとの自信を表明している。

■ 各紙も称賛

 インド各紙も衆院選後、安倍氏の演説を何度も引用して安倍氏を紹介している。

 演説は当時、「中国外しだ」との中国の反発を買ったが、親中報道が目立つヒンズー紙でさえ昨年12月19日、「安倍首相誕生」に期待するサンジャヤ・バル元印首相補佐官の寄稿を掲載した。

 バル氏は、「安倍氏は日本で何度も交代してきた首相と同じではない。すぐれた家系と習得した勇気、先見の明を持っている」と称賛し、安倍氏が演説で、日本の首相として独立インドを初めて訪問した祖父の岸信介氏(1896~1987年)から、インドでの体験を「膝下(しっか)、聞かされた」と述べたことも紹介した。

 今後の日印関係については、「アジアで最も技術的に進歩した経済大国日本は、インドの経済発展を助けられるし、インドは10億人以上の成長市場、そして世界最大の若年層を蓄える国家として日本に市場と人的資源を提供できる」と指摘した。

 ただ、2007年当時、インドにとっての“誤算”は、安倍氏が演説の翌月に首相を辞任してしまったことだった。

■ やっと手に入る「主菜」

 このため、昨年12月17日付のタイムズ・オブ・インディア紙は、安倍氏の辞任を「インドは、とてもおいしい前菜の後で、メーンコースを奪われたようだった」と食事に例え、選挙結果を受けて「なかなか手に入らなかった主菜が今になってやって来る」と伝えた。

 また、安倍氏を「気持ちの上でインドとつながっていることで知られる」と紹介。対インド外交重視の発言を引用し、「日印関係に大胆な理想を描き、(首相)復帰は両国関係を急速に拡大させる絶好の機会になるはずだ」との専門家の意見を伝え、日印原子力協定交渉の再開にも期待を示した。

 尖閣諸島をめぐる日中対立については、「中国がアジア・太平洋地域で自己主張を強める中、世界の関心の的がこの地域に移ってきている時期において、安倍氏の中国に対するタカ派的な見解は、インドを害するものではない」と指摘した。

 バル氏もヒンズー紙で「安倍氏は先見の明を現実のものにする権限委託を得た」と結んで日印を軸とした「拡大アジア戦略」の実行を求めている。

 (ニューデリー支局 岩田智雄(いわた・ともお)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130105/asi13010512010000-n1.htm





中国の進出懸念…首相、NATO事務総長に親書

 安倍首相が、北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長に親書を送り、中国の海洋進出に対する懸念を伝えて連携強化を求めることが12日、明らかになった。

 首相は親書で、中国による尖閣諸島(沖縄県)周辺での領空・領海侵入を念頭に、「中国の海洋進出の活発化と北朝鮮の動向などにより、東アジアの安全保障環境は厳しさを増している」と指摘。日本が東アジア地域の安定と繁栄に積極的役割を果たす考えを表明する一方、東アジアの「戦略的環境の変化」について、NATO側に認識の共有を呼びかける考えだ。

 親書は、15~19日に英国、フランス、ベルギーを訪問する自民党の河井克行衆院外務委員長を通じてラスムセン氏に届けられる予定だ。

(2013年1月12日15時25分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130112-OYT1T00549.htm?from=popin





南シナ海問題、船舶航行の自由・安全ルール必要 日豪外相一致
2013.1.13 20:38

 岸田文雄外相は13日午後(日本時間同)、オーストラリアのカー外相とシドニーで会談し、アジア太平洋やインド洋周辺地域の平和と安定に向け、米国を含めた安全保障分野の協力を加速させる方針で合意した。

 中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部加盟国が領有権を争う南シナ海問題も協議し、「船舶航行の自由と安全に関するルールづくりが必要だ」との考えで一致した。

 双方がいずれも米国の同盟国であることを踏まえ、岸田氏は「戦略認識を共有し協力関係を一層推進していきたい」と伝達。カー氏は会談後の共同記者会見で「日米豪の3カ国の協力と連携が重要」と強調した。

 会談では、昨年12月の北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に関し、明白な国連安全保障理事会決議違反で安保理が断固とした対応を取ることが重要との認識も確認した。岸田氏は拉致問題解決への協力も求めた。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130113/plc13011320410006-n1.htm




“従軍慰安婦”河野談話見直しに否定的 豪外相(01/14 07:21)

 オーストラリアのカー外相は、岸田外務大臣との会談後の記者会見で、従軍慰安婦問題に関する河野談話の見直しについて否定的な考えを示しました。

 オーストラリア・カー外相:「’93年の河野談話は近現代史のなかでも最も暗い出来事の一つと認識している。豪州としては、見直しが行われることは望ましくないと考えている」
 この発言を受けて、岸田大臣は「慰安婦問題について、安倍総理は筆舌に尽くし難いつらい方々のことを思い、心を痛めている。この点は、歴代の総理と何も変わってない」と述べました。記者会見に先立って行われた日豪外相会談では、河野談話については話題に上らなかったということです。

http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/230114003.html

豪外相「河野談話見直し、望ましくない」 日豪共同会見
http://www.asahi.com/international/update/0113/TKY201301130138.html






NYタイムズ、安倍首相を酷評 河野談話見直し「重大な過ち」「恥ずべき衝動」
2013.1.4 10:05

 【ワシントン=佐々木類】米紙ニューヨーク・タイムズは3日付朝刊の社説で、「歴史を否定する新たな試み」と題し、旧日本軍による慰安婦募集の強制性を認めた「河野談話」に関して、有識者による再検討の必要性に言及した安倍晋三首相を「重大な過ち」と強く批判した。

 社説は、12月31日付産経新聞1面などに掲載された安倍首相へのインタビュー記事を引用し、安倍首相について、「右翼の民族主義者」と決めつけ、「朝鮮などの女性を強姦、性奴隷にし、第2次世界大戦で侵略したことへの謝罪の見直しを示唆した」と非難した。

 また、「戦争犯罪を否定し、謝罪のトーンを弱めるどのような試みも、韓国や中国、フィリピンなど、戦時中の日本の野蛮な行為で苦痛を受けた国々を激怒させるだろう」とした。

 最後に、「安倍首相の恥ずべき衝動は北朝鮮の核開発など地域の重要な協力態勢を脅かす恐れがある。こうした修正主義は、日本にとって恥ずべき愚かなことだ」としている。

 ブッシュ前政権の国家安全保障会議(NSC)でアジア上級部長を務めたマイケル・グリーン氏は、ニューヨーク・タイムズなど一部米メディアによる「安倍たたき」について、「安倍氏を危険な右翼だと憎む朝日新聞や一部毎日新聞の見立てを輸入したものだ」との見解を示している。

 安倍首相は産経新聞とのインタビューで、河野談話について、菅義偉官房長官の下で有識者へのヒアリングなどを通じて検討する考えを示している。

 河野談話は平成5年、宮沢政権総辞職前日に閣議決定しないまま公表された経緯があり、第1次安倍政権は慰安婦問題について「政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見あたらなかった」との答弁書を閣議決定した。

 インタビューにおける安倍首相の見解はこうした経緯を踏まえたものだが、ニューヨーク・タイムズ社説は物証を挙げないまま、強制性を前提に見直しの動きを批判している。

 一方、戦後50年の節目に当たる平成7年8月、村山富市首相が、「植民地支配と侵略」への「心からのお詫びの気持ち」を表明した村山談話。安倍首相はこれに代わり、歴史問題への立場を示す未来志向の「安倍談話」を新たに出す考えを示している。これについても社説は、村山談話を不明確な未来志向の談話に置き換えたがっている、などとと否定的に伝えている。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130104/amr13010410070004-n1.htm

池田信夫 blog : 「慰安婦問題」の確証バイアス
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51836186.html
従軍慰安婦問題、いわゆる「河野談話」の訂正は可能か?
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/01/post-514.php




【外信コラム】ポトマック通信 「談話」のツケ重く
2013.1.11 03:13

 米紙ニューヨーク・タイムズがひどい。一党独裁で言論の自由がない中国や北朝鮮ではあるまいし、民主国家日本の首相を「右翼の民族主義者」呼ばわりし恬(てん)として恥じないのだ。

 同紙は今月3日、「歴史を否定する新たな試み」と題し、旧日本軍による慰安婦募集の強制性を認めた河野談話に関し、有識者による再検討の必要性に言及した安倍晋三首相を口を極めて酷評した。

 当時、官房副長官として河野談話作成に深く関わった石原信雄氏は、証拠はないが謝罪した方が得だと判断したと私にかつて語った。韓国政府が非公式に「強制性を認めれば事を荒立てない」と伝えてきたからだ。だが韓国政府がその後も態度を変えなかったため、石原氏はだまされたと悔やんだが、後の祭りだった。

 証拠もなく、閣議決定も経ないまま、河野談話が発表された平成5年8月4日の翌日、宮沢内閣は総辞職している。前年の1月13日には、慰安婦問題への軍の関与に言及した加藤紘一官房長官談話が発表されている。3日後、首相の宮沢喜一氏が訪韓し、談話は手土産にされた。事実より政治決着を優先させたのだ。ニューヨーク・タイムズは経緯をどこまで調べて批判しているのか知らないが、談話は日本叩(たた)きに利用され続けている。(佐々木類)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130111/amr13011103140000-n1.htm




「 米国一部に根強い対日歴史批判 」
『週刊新潮』 2012年1月17日号
日本ルネッサンス 第541回

新年早々、『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』紙が安倍晋三首相批判の激しい社説を掲げた。「日本における修正主義」の見出しで「もし首相が戦時の性奴隷(sex slavery)に関する公式謝罪を修正(modifies)するなら、地域の緊張を激化させるだろう」という書き出しだ。

これは昨年12月31日の『産経新聞』紙上の安倍首相の単独インタビューを報じたロイター電を基にした批判である。『産経』で首相は95年の村山富市首相の談話に代えて「21世紀にふさわしい未来志向の談話を発表したい」と語った。対してNYT社説はこう書いた。

「アジアの安定のために日韓関係ほど重要なものはない。にも拘らず、安倍晋三日本国首相はその任期を過ちでスタートするかに見える」、「彼は朝鮮や他の国の女性を性奴隷としたことも含めて第二次世界大戦の侵略(aggression)への謝罪を修正するかもしれない意向を示した」

安倍首相を社説子は「右翼の民族主義者」と断じ、「性奴隷として奉仕した女性たちが強制された(coerced)証拠はないと主張している」、「(日本国の)犯罪の如何なる否定も(日本国の)謝罪の如何なる希薄化も、日本の残忍な(brutal)戦時支配に苦しんだ韓国、中国、フィリピンなどを激怒させるだろう」と書いている。

首相の意向を、「安倍氏の恥知らずな衝動(shameful impulses)」と決めつけ、「日本が過去の歴史のごまかしではなく長年の経済停滞の改善に集中すべきときに、修正主義は当惑以外の何ものでもない」と結論づけている。

全文で35行の社説には「性奴隷」「右翼」「民族主義者」「修正主義」「恥知らず」などの〝修辞〟が多出する。昨年秋、徹底した取材で中国共産党の凄まじい腐敗問題を暴いたジャーナリズムの雄、高い国際的評価を勝ちとってきたNTYらしからぬ感情論の目立つ社説である。

日本の主張や説明を無視

ジャーナリズムの基本は取材である。社説は事実に基づいた洞察でなければならない。

だが、安倍首相批判の社説からは歴史の事実関係を調べた痕跡は読みとれず、むしろ知識の欠落が目立つ。当該社説子は安倍首相に突きつけた「衝動」という言葉を自らにこそ重ねて省みてはどうか。

かつて慰安婦問題に関して強調された日本非難は女性たちを日本国政府や軍が強制連行したという点だった。しかし、多くの調査にも拘らず強制連行を示す資料も文書も見つからず、複数の証言もむしろ、強制連行の否定に行きつくものだった。軍命で朝鮮半島の女性を強制連行したと嘘をついた吉田清治氏も、当の韓国側によって商業主義のでたらめと批判された。

こうして強制連行非難が成り立ちにくくなると、この点についての日本の主張や説明を無視して、韓国も中国も、米国の一部のメディアや要人も女性に性行為を強制したことを非難するのだ。その点を意識したのか否かは不明だが、 NYTの社説も強制連行と言わず、「性奴隷」の「強要」だと非難している。

私も慰安婦を存在させたこと自体が悪いとする価値観を否定はしない。性の売買などさせないほうがよいと私も思う。しかしそこまで主張するなら、では一体どの国とどの軍隊に日本非難の資格があるのかと、問わなければならないのも事実だ。

敗戦の日本を占領したとき、米国はまっ先に「女を用意せよ」と要求した。このことは『毎日新聞』の政治記者で東京本社編集局長、副社長まで務めた住本利男氏が『占領秘録』(中公文庫)に書き残している。

『占領秘録』は昭和27年4月、日本の主権回復と同時に開始した連載をまとめたものだ。それまでは米国の占領下で、新聞、雑誌、ラジオ、演劇などすべてが厳しい検閲を受けており、日本人には表現の自由も報道の自由もなかった。住本氏は占領終了を待ち侘びていたかのように記者としての体験と取材を世に問うた。そこにはこう書かれている。

「米軍が横浜に進駐したその晩に、早くも佐官級の人々がジープを飛ばして東京にきた。そして丸の内警察署を警視庁とまちがえてか、入ってきて、女を世話しろ」と迫った。丸の内警察が「そういうものはないと答えると、あの辺に大勢いるではないかといって、日比谷あたりを歩いている女の人たちを指さした」と。

これは昭和20年夏のことだ。絶対的権力を握った占領者が有無を言わさず女性を要求した様が浮かんでくる。その後各地で起きたことは多くの日本人が心の中にいまも生々しい記憶としてとどめているはずだ。私たちは忘れてはいない。だが敢えて口にすることもしない。戦いに負けるとはこういうことなのだと自らに言いきかせ、同時にその時代の価値観と背景を考慮するからだ。

現在の常識で過去を裁く

日米両国の歩みには共通の失敗とより良い未来への共通の志がある。戦時中の慰安所における売買春と同様の事例が戦後もあったことは、すでに前述した。NYTや韓国や中国は戦時中の行為をいま、「性奴隷」として非難するが、奴隷制度の本家本元は米国である。アフリカ大陸から人々がどのように強制連行されたか。人間としてではなく物として運ばれ、売り捌かれたのではなかったか。黒人奴隷に多くの子供を産ませた大統領も存在していたのではなかったか。

とは言え、私は米国のもうひとつの側面を高く評価する。奴隷制度を作った米国は歴史の経過の中で、あらゆる差別をなくそうと極めて真摯に取り組んできた。性差別も人種差別も含めた差別撤廃に、他のどの国よりも熱心に取り組んできた米国に私は深い敬意を払っている。

このような国柄を創った米国人だからこそ、日本人が米国人と同じ価値観を守るべく、過去も現在も努力していることを、最もよく理解できるはずだと確信もしている。たとえば日本は1919年、第一次世界大戦後の国際社会の秩序構築に寄与したいと願い、人類で初めて人種平等の原則を提唱した。人種差別の苦しみを知る日本国の提案を取り上げなかったのが、パリ講和会議議長を務めたウッドロー・ウィルソン米大統領だった。

そして現在、日本人は戦前の売買春が当時の常識であったとしても自省し、米国同様、普遍的価値に資するべく努力を重ねている。にも拘らず、実態も調査せずに決して奴隷的扱いではなかったその制度を「性奴隷」と決めつけ、日本は反省していないと非難し続けることには、名誉をかけて異議を唱えるものだ。

米国の良識を代表するNYTはなぜこのような実態を調査しないのか。なぜ事実の検証を疎かにするのか。同盟国日本をなぜもっとよく見詰めないのか。日米は多くの価値観を共有する。こうした事実を米国に伝え、双方で学び合うための情報発信に国家プロジェクトとして取り組むことを、安倍首相に望むものだ。

http://yoshiko-sakurai.jp/2013/01/17/4498

日本の危険な内閣
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130109/242006/?bv_rd
日本の新内閣:未来に背を向けて
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36873

「右傾化」批判の誤り ワシントン駐在編集特別委員・古森義久
『俺が安倍を辞任させてやる』と息巻くマスコミの人間たち…再び始まるマスコミの“安倍晋三バッシング”
米メディアは総じて左傾化している
米国民のメディア不信、最高の60%に 大手メディアの民主党支持で
「慰安婦」の政治利用を許すな ~ 河野談話は見直しが必要だ
もう朝日新聞に逃げ場はない ~慰安婦についての大誤報を謝罪することが関係修復の条件
慰安婦決議案 米上院議員が反対書簡
「組織的強制徴用なし」「女性基金受け取り、韓国政府が脅して阻んだ」等 慰安婦問題 米議会調査局が報告書
慰安婦「契約の下で雇用」米陸軍報告書、大戦時に作成~「民間が慰安婦集め」「日本軍は利益得ず」
韓国教授(88)が告白「殺される覚悟で言う。韓国人は強制従軍慰安とか歴史捏造をやめるべきだ」





元駐タイ大使・岡崎久彦 「安倍日本」どこが右傾化なのか
2012.12.26

 安倍晋三内閣の成立を迎えて、内外に、日本の右傾化を懸念する声があるという。

 ≪まだまだ平和ボケを脱せず≫

 私にはどうもそれが理解できない。客観的に見て、日本は右傾化どころか、まだまだ、世界の常識からはずれたパシフィスト(日本語の平和主義者より、やや悪い意味がある)国家だと思っている。

 それは国際的に比較してみればすぐわかる話だと思う。冷戦期、ソ連の脅威が厳しかったころ、「あなたは日本を守るために戦いますか」という世論調査とその国際比較があったように記憶する。

 記憶に頼る古い話なので不正確かもしれないが、世界の平均が80%ほどだったとすれば、日本の場合は50%をはるかに下回っていた記憶がある。

 現在もう一度世論調査をすれば、おそらくは50%を超えているかもしれない。それでも、国際水準より遥(はる)かに低く、右傾化というよりも、正常化、あるいはまだパシフィストから抜けきっていないという結果が出るであろう。

 同時に、私が年来日本の政治学者に解明してほしいと思っているのは、右傾化ではなく、日本における右翼運動の凋落(ちょうらく)現象である。

 日本における右翼運動の歴史は長い。明治の頭山満、昭和初期の大川周明、北一輝からの伝統があり、戦後も、本命右翼といわれた大東塾、赤尾敏の大日本愛国党などは六〇年安保、七〇年安保の頃に活躍していた記憶がある。

 私は情報関係事務に関与してきたこともあり、ある時期まではその種の情報にも絶えず接してきた。それが途切れて既に久しい。もう今は、注視を怠れない、ある程度の社会的影響力のある右翼団体は存在しないらしい。

 ≪右翼思想とはもう無縁の社会≫

 2006年の加藤紘一邸放火事件後、「今や30年代の右翼テロ時代の再来」という警鐘を鳴らそうとしたテレビ番組で、私は、「挫折した老右翼の単独犯」とコメントして、参加者たちを鼻白ませたことがあった。それも右翼凋落情報を知っていたからである。

 ヨーロッパでは、外国移民排斥などの右翼思想を掲げる政党が、今でもかなりの影響力を持っているが、自民党周辺、安倍内閣周辺には、そんな匂いもしない。今回の総選挙では、小政党が乱立したが、ヨーロッパの右翼に相当するような党はなかった。一つぐらいあってもよさそうなものなのに皆無だったということは、日本が右翼思想から無縁の社会だということを示している。

 右傾化でないとすれば、正常化への過程であろうが、国際政治の現実においては、日本はまだとても正常といえない状態である、バランス・オブ・パワーのパートナーとして必要とされる場合その期待を満たしてきていない。

 1978年の日中平和友好条約の際の中国側の関心は対ソ包囲網の形成であり、当時中国側は日本に対して国内総生産(GDP)3%の防衛費を期待していた。日本にその気があれば、尖閣問題などはとうに解決していただろう。台湾問題も、当時はまだワシントンに五星紅旗と青天白日満地紅旗の両方が立っていた時代でもあり、対ソ防衛協力を梃子(てこ)に台湾関係の改善もあり得た時機であった。

 79年のソ連のアフガニスタン侵攻後、アメリカが同盟国に軍備増強を呼び掛けたときは、日本はよくそれに応えて中曽根-レーガン時代を築いたが、高度成長期でありそれでもGDP1%程度にとどまった。それが冷戦後、GDPの4%を使った米国に比べられて、「冷戦は終わったが、儲(もう)けたのは日本だ」と、「勝利にタダ乗りをした」日本たたきが行われた。

 当時の日本バッシングの激しさは、あの頃日本経済をになった世代の忘れ得ない経験である。

 ≪米国には日本の協力が不可欠≫

 時は移って、今は、米国は対中戦略に軸足を移す「アジア・ピヴォット」を呼号しながら、財政の赤字に悩み、同盟国、友好国の協力を強く望んでいる状況である。

 安倍自民党圧勝直後の米国の論調を見ると、マイケル・オースリン氏は米紙ウォールストリート・ジャーナルで日本は少しも右傾化などはしていないと論じ、ジョン・リー氏はニューヨーク・タイムズで右傾化などは一言も論じず、安倍内閣が中国に対して毅然(きぜん)として立ち向かう姿勢を歓迎すると述べている。日本の右傾化については、ジャーナリスティックな報道や解説記事の中では、1、2パラグラフ触れているものもあるが、社説の類いで正面からこの問題を論じたものはあまりない。

 中曽根康弘政権、小泉純一郎政権のような長期政権は、強固な日米信頼関係の上に立っていた。佐藤栄作長期政権は米国の信を失って、ニクソン・ショックを受けて転落した。

 アメリカは、今やその国策であるアジア・ピヴォットのために日本の協力が不可避となっている。

 日本としては、防衛態勢を強化し、集団的自衛権の行使を認めて日米協力関係を強化することによって、日米関係を強固なものとするチャンスである。(おかざき ひさひこ)

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121226/plc12122603160002-n1.htm

「右傾化」批判の誤り ワシントン駐在編集特別委員・古森義久





中国の激しい攻勢で「日本の消極平和主義は終わった」 米調査機関報告書
2012.10.6 00:24

 【ワシントン=古森義久】米国の中央情報局(CIA)の元専門家集団が運営する民間研究調査機関が、尖閣諸島をめぐる中国の激しい対日攻勢のために日本は憲法を改正し、自国の防衛を固めるようになるだろうという予測を公表した。しかし日中の本格的な軍事衝突の見込みは小さいとしている。

 国際的な安全保障問題を主に分析する同調査機関「リグネット」は3日、「中国との紛争は日本に消極平和主義の再考を余儀なくさせる」と題する調査報告を発表した。

 同報告は、中国がこんごも日本に対し尖閣の主権を果敢に主張する攻勢を主に外交面で続け、尖閣自体へも艦艇を接近させていくだろうと予測し、その結果、「日本は緊張を緩和する措置をとるだろうが、国民の間に自国の防衛にはこれまでよりも強い対応が必要だという意識が急速に高まった」と診断している。

 同報告はさらに「中国における最近の反日デモでの日本側の経済的被害によって、国益の擁護には従来の『経済外交』というような方法を変えて、もっと積極果敢な対応をしなければならないという認識が国民レベルで広まった」として、自民党の安倍晋三総裁が主張するように憲法を改正して自国防衛を強化する動きが進むだろう、と述べた。

 また、「憲法第9条の改正による自国防衛の明確化への動きが起きて、左派が国民感情を利用して改正案を自動的に抑えるようなことはもうできなくなるだろう」との予測をも明らかにした。

 同報告は、こうした動きは東アジアの新しい政治や軍事の情勢の結果であり、「日本は第二次大戦終了時からの長年の消極平和主義の姿勢の放棄を迫られるだろう」との見通しをも強調した。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/121006/amr12100600250000-n1.htm





『「世界情勢の変化に対応を」(中野剛志 評論家)
毎日新聞 1月7日朝刊

 第2次安倍晋三内閣は、民主党政権下で混乱した外交・安全保障を立て直すべく、日米同盟の強化を打ち出した。それ自体は正しい。ただし、第1次安倍内閣の頃の外交戦略を復活させるだけでは不十分だ。なぜなら、当時と現在とでは、世界情勢は大きく変化しているからだ。

 第一に、世界経済の構造が全く異なる。2008年のリーマンショック後、米国は世界経済を牽引できなくなり、欧州はユーロ危機に陥り、欧米への輸出に依存していた新興国の成長も著しく鈍化した。この変化に伴い、各国は経済戦略を大きく転換している。

 例えば、第1次安倍内閣当時、米国はドル高を容認していたので、日本は円高による輸出主導の成長が可能だった。しかし、現在の米国は輸出拡大と製造業復活による雇用創出を掲げ、ドル安を志向している。第2次安倍内閣が円安の誘導による輸出主導の成長を目指すなら、それは米国の方針と対立することになる。

 第二の変化は、米国の覇権国家としての地位の喪失である。

 昨年末、米大統領の諮問機関である米国国家情報会議は、報告書「メガトレンド2030」を公表し、中国が20年代に米国を抜いて最大の経済大国となり、米国は覇権国家ではなくなり、「世界の警察官」たり得なくなると予測している。米国政府機関自身が、米国が覇権国家としての地位を失う可能性について言及したことの意義は大きい。ところが政治学者のプレマー氏は、世界はすでに覇権国家も主要国の国際協調(G7やG20)も存在しない「Gゼロ」になったと論じる。確かに、米国は不安定化する中東情勢から手を引き、北開鮮のミサイル発射実験すらも阻止できない。G20体制は、気候変動問題やユーロ危機など、グローバルな課題を全く解決できない。かといって代わりとなる覇権国家や国際体制はない。国際政治経済学の覇権安定理論によれば、開かれたグローバル経済は、秩序を守る覇権国家のリーダーシップがなければ、存続し得ない。19世紀にはイギリス、20世紀後半以降はアメリカが覇権国家として君臨し、開かれたグローバル経済の秩序を維持した。1930年代の世界恐慌は、英米が覇権国家としての役割を果たさなかったために起きた。今日の世界が、斬権国家なき「Gゼロ」だということは、グローバル経済の200年の歴史が終わったことを意味する。プレマー氏や米国国家情報会議は、食糧、エネルギー、水を巡る地政学的な争奪戦を予告している。この事態に対し、安倍政権はどんな戦略で対処しようとしているのか。

 第三の変化は、米中の軍事バランスである。複数の安全保障の専門家が、この10年で中国の軍事力が飛躍的に強大化したことで、アジア太平洋地域における米中の軍畢力が拮抗しつつあると指摘している。尖闇諸島を巡る中国の挑発も、この米中の軍事バランスの変化を反映したものだ。

 オバマ政権はアジア回帰の外交戦略を打ち出したと言われる。だが、11年のクリントン国務長官の論文は、米国が中国市場に輸出し、中国が米国市場に投資するという互恵的な米中経済関係の構築を提唱している。「アジア回帰」は、中国封じ込めという趣旨では必ずしもないのだ。

 著名な国際政治学者のキッシンジャー氏は、米中は経済的な協力関係を構築して安全保障面での衝突を回避すべきだと主張する。オーストラリア国立大学のホワイト氏は、米国が中国と戦ってでも守るべき利益はアジア太平洋地域にはないと論じる。米海軍大学のホームズ氏は、厭戦気分にある米国の世論が、尖閣諸島を巡って中国と戦う選択肢を選ぶことは政治的に困難だと言う。ランド研究所は、10~20年以内に米国が台湾海峡から後退せざるをえなくなる可能性すら示唆している。米国国家情報会議も、米中の協力関係の構築が最善のシナリオだとする。ホワイト氏は、もし米国が中国と共存しようとするなら、日米同盟は邪魔になると指摘する。国際情勢が大きく変わったのだ。戦後日本の外交・安全保障戦略は、米国の軍事力に依存し、日米関係を悪化させないためには米国の経済的な要求でも呑むというものだった。しかし、米国の覇権的地位の喪失や米中の軍事バランスの変化により、日米同盟の有効性が低下し、米中が接近するのだとするなら、日本は大きな方向転換をしなければならない。日米同盟の強化は確かに必要だが、それは日本が防衛力を強化し、米国と対等な関係になることによってでなければならない。米国の経済的な要求を呑んでも、もはや安全保障の見返りはないのだ。

 日米同盟の無効化や米中接近など、想像しがたいかもしれない。しかし、40年前にもニクソン大統領(当時)が中国を電撃訪問する「ニクソン・ショック」があった。当時も、米国の国力の低下や世界経済の変化といった転換期だった。世界情勢の大きな変化をつかみ損ね、従来の対米依存路線を怠惰に続けるなら、日本は再びショックを受けることになろう。』 

http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/





日本の輸出先、米国が最大に OECDなど新統計公表
2013/1/17 3:00

 経済協力開発機構(OECD)と世界貿易機関(WTO)は16日、付加価値の流れを追う新しい貿易統計を公表した。これによると、日本の輸出先は米国が最大となり、輸出総額に基づいた従来の統計で最大だった中国を上回った。対米の貿易黒字は従来の6割増となり、日本経済における米国市場の重要性が一段と鮮明になった。

 新たな「付加価値貿易」の統計は、複数国に生産拠点が分散する国際分業の浸透を踏まえ、通商関係の全体像を把握できる。例えば、日本から中国に60ドル相当の部品を輸出し、中国で完成させて100ドル(40ドル分の価値増)で最終消費地の米国に渡った場合、日本が60ドル、中国が40ドルそれぞれ米国に輸出したと計算する。従来は日本が中国に60ドル輸出し、中国が米国に100ドル輸出したと計上される。

 日本企業は部品などの半製品などをアジアの新興国に輸出する。アジアで組み立てられた最終製品が欧米に輸出され、最終的に消費されることが多い。新統計ではどの国で生み出された付加価値が、どの国で最終消費されたかが分かる。

 2009年の実績を付加価値に基づいて計算すると、日本の最大の輸出国は米国。全体の19%を占めた。従来では中国が24%で首位だが、付加価値でみると2位の15%に下がり、逆転した。3位の韓国は、9%から4%にシェアが落ちる。

 貿易黒字は中韓向けでほとんどなくなり、米国向けでは360億ドルと6割も増えた。中韓への半製品などの輸出が米国の最終消費に行き着いていることを示している。

 従来は、中国など最終製品を輸出する国の国際競争力が過大に評価される面があったが、付加価値に基づくとこうした傾向が是正される。新統計が浸透すれば貿易収支の構図が塗り替わり、各国の対外政策も大きな影響を受ける可能性がある。

 永浜利広・第一生命経済研究所主席エコノミストは「日本の輸出が米国など先進国の需要に支えられていることを示した。先進国で売れるのは高品質品であり、日本は付加価値の高い技術開発に注力すべきだ」と話している。(パリ=竹内康雄)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1602H_W3A110C1EE8000/






イケアのアーモンドケーキから大腸菌群、23か国で提供中止
2013年03月06日 06:50 発信地:ストックホルム/スウェーデン

スウェーデン・マルメ(Malmo)のイケア(IKEA)店舗の駐車場に掲げられたミートボールやホットドッグの看板(2012年2月25日撮影、資料写真)。(c) AFP/SCANPIX SWEDEN/JOHANNES CLERIS
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【3月6日 AFP】スウェーデン家具大手イケア(IKEA)は5日、中国当局が行った検査により、店内レストランで提供するアーモンドケーキの一部から大腸菌群が検出されたことを受け、23か国の店舗で同商品の提供を中止した。

 上海日報(Shanghai Daily)によると、中国国家品質監督検査検疫総局(General Administration of Quality Supervision, Inspection and Quarantine)が行った検査で、スウェーデンで製造されたアーモンドケーキから「過剰な量の大腸菌群」が検出された。

 イケアによると、汚染が確認された商品は、店舗に届く前に全て処分された。同社広報担当は「検出値は低いことが示唆されているが、正確な数値の把握と、原因究明を進める必要がある」と述べている。

 スウェーデン食品庁の微生物学者によると、大腸菌群は「ふん便汚染の可能性を示唆するが、必ずしもそうとは限らない」。また、通常は消費者にとって無害だという。

 イケアは先週、チェコ当局の検査により1キロ入り冷凍ミートボールから馬のDNAが検出されたことを受け、25か国の店頭から同商品を撤去している。(c)AFP

http://www.afpbb.com/article/economy/2932412/10390418
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