歴歩

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宮崎県えびの市・島内139号地下式横穴墓 平胡簶(ひらやなぐい)の底板を展示

2017年10月19日 | Weblog
 えびの市教委などが9月28日、同市島内地下式横穴墓群139号墓(6世紀前半)からほぼそのままの形状で出土した、弓矢を入れる道具の平胡簶(ひらやなぐい)の木製底板が、古墳時代の出土品としては国内最古級であると発表した。
 底板は平成26年に発掘された。幅33・4cm、奥行き3・6cm、厚さ2cm。織物や毛皮、銅や鉄の板が金具で留まっていた。推定高さ80cm前後。
 10月4日(水曜)~12月3日(日曜)の間、えびの市歴史民俗資料館展示ホールで公開される。
  銀象嵌鍛冶具、小刀群、金銅装馬具(五鈴杏葉、無脚雲珠、辻金具)なども展示される。
[参考:2017.9.29宮崎日日新聞、毎日新聞、2017.10.14 産経新聞]

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 島内139号地下式横穴墓
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キーワード: 胡籙、胡ろく、胡録
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宮崎県えびの市・島内139号地下式横穴墓 鮫皮を巻いた「銀装円頭大刀」と古墳出土品のなかで国内最長の大刀を確認

2016年10月26日 | Weblog
 宮崎県えびの市教育委員会は24日、同市の島内(しまうち)139号地下式横穴墓に副葬されていた古墳時代後期(6世紀前半)の大刀に、ヤマト政権で高位の人物のみが身に着けることができた鮫皮(エイの皮)や高級織物の経錦(たてにしき)が使われていたと発表した。
鮫皮巻は高位の人物の持ち物であり、被葬者は朝鮮半島との外交などで重要な役割を果たし、政権との密接な関係があったとみられるという。
 同横穴墓は2014年に発掘され、被葬者は男女2人で、甲冑や弓矢、馬具などの副葬品約400点が確認された。市教委はこれらの保存処理と科学分析を、奈良県の元興寺文化財研究所に依頼していた。
男性被葬者の人骨の左側に置かれた鉄製大刀2点を分析したところ、

1点は長さ約15cmの柄(つか)に細かな粒状文様が特徴の鮫皮を巻いた「銀装円頭大刀」(全長約85cm)と判明した。鮫皮はエイの皮で、幅5ミリほどの銀線で固定されていた。
 この大刀は柄頭や鞘(さや)口などに施された銀の装飾の技術や形態から、朝鮮半島・百済製とみられる。鮫皮を用いた大刀では、聖武天皇(701-756)の遺品とみられる東大寺金堂(大仏殿)鎮壇具(奈良時代、8世紀)が知られるが、今回の大刀はこれを約200年さかのぼり、国内最古の例となる。東アジアでも実物が確認できる最古の例となる。

もう1点は古墳時代の刀剣としては国内最長となる142cm(復元すれば150cm)の「木装長刀」で、奈良県の藤ノ木古墳の大刀(136.5cm)より長い。鞘口に高級織物の経錦(たてにしき)が巻かれていた。6世紀前半では全国に4例しか確認されていない高級織物で、刀装具では初めての例という。そのため、大和政権のもとで作られ、大王周辺から贈られたものとみられるという。

 これらの刀は11月1日~12月25日、えびの市歴史民俗資料館で展示される。
[参考:宮崎日日新聞、南日本新聞、西日本新聞、共同通信、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞]

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 えびの市島内地下式横穴墓


大刀2本の希少性判明 えびの・島内地下式横穴墓




キーワード:島内139号地下式横穴墓 、島内地下式横穴墓群139号墓、島内地下式横穴墓
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えびの市・島内地下式横穴墓群第139号墓 2014年に出土した鍛冶具に銀象嵌の波状文様

2016年07月15日 | Weblog
 宮崎県えびの市教委と元興寺文化財研究所(奈良市)、鹿児島大学総合研究博物館(鹿児島市)が12日、同市内「島内(しまうち)139号地下式横穴墓(6世紀前半)」から出土(注1)した、鍛冶具(5世紀末~6世紀初頭)2点に、繊細な文様に銀の象嵌が施されていたことがわかったと発表した。金属加工の技術に優れ、ヤマト王権と朝鮮半島の双方と深い交流があった有力者の副葬品とみている。
 出土品を保存修理するため、X線コンピューター断層撮影法(CT)で調査。熱した鉄を挟む鉄鉗(かなばし、全長約15cm、最大幅1.7cm)と、鑿(のみ)状の工具(全長約20cm、幅9mm、厚さ5mm)に、それぞれ2筋の線で表す波状文様を彫り、銀を嵌め込んだ文様があった。
 鍛冶具での象嵌例は全国で初めて。鉄鉗の接合部には日本独自の日輪文(注2)も施されていた。
 また、絹とみられる繊維片(注3)の付着も確認。被葬者のそばに織物を敷き、その上に置かれたらしい。
 同横穴墓では2014年、朝鮮半島製とみられる大刀や、ヤマト王権のものらしい甲冑など約400点が出土。当時はヤマト王権が九州の勢力を動員して朝鮮半島へ出兵した時期にあたる。
 
(注1)2014年に同市教委の発掘調査で見つかった。
(注3)二重丸の同心円模様のことか
(注2)高級織物の綾織りや経錦(たてにしき)
[参考:宮崎日日新聞、奈良新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞]

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 島内地下式横穴墓


古墳時代の鍛冶具に銀の波状文様象眼 宮崎の地下式横穴墓 全国初 


キーワード: 島内139号地下式横穴墓、島内地下式横穴墓群139号墓
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えびの市・島内地下式横穴墓群第139号墓 5~6世紀頃の未盗掘横穴墓から大量の副葬品が出土

2015年01月20日 | Weblog
 宮崎県えびの市教委は19日、同市島内の島内地下式横穴墓群第139号墓(5〜6世紀頃、未盗掘)で、銀で装飾された朝鮮半島製の「銀装円頭大刀」など武器、武具を中心とした大量の副葬品を納めた有力者の墓が見つかったと発表した。 墓は道路工事に伴う調査で昨年10月に見つかった。
 「玄室」は奥行き約2.25m、幅約3.1m、高さ94cm。墓群約160基の中で最大級。
 男女と見られる被葬者2体の人骨が見つかった。
 副葬品は甲冑一式のほか、剣1点、刀3点、矢200点以上、弓5点、金銅製馬具、銅鏡など。
 刀のうち1本は朝鮮半島製の銀装円頭大刀で、長さ約80cm、刃部幅約3cm。
 矢羽根に黒漆装飾などがある矢200点以上、金銅製の装飾付き馬具2組、銅鏡(直径15.5cm)なども見つかった。
 大和政権からの甲冑が含まれ、朝鮮半島とも直接交流のあった有力首長墓と見られている。
 同墓群からはこれまで計約1500点の副葬品が見つかり、うち1000点以上が2012年に国重要文化財に指定されている。
 現地説明会が25日に開かれる。
[参考:宮崎日日新聞、毎日新聞、えびの市HP]

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 2010.4.21 島内地下式横穴墓群 銀で細工された龍が刀身に描かれた「龍文銀象嵌大刀」が出土
 島内地下式横穴墓
 


キーワード: 島内139号地下式横穴墓、島内地下式横穴墓群139号墓
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宮崎県えびの市・島内地下式横穴墓群 銀で細工された龍が刀身に描かれた「龍文銀象嵌大刀」が出土

2010年04月21日 | Weblog
 えびの市教委は20日、6世紀前半の島内地下式横穴墓群(同市大字島内字平松/杉ノ原)から、銀で細工された龍が刀身に描かれた鉄刀「龍文銀象嵌大刀(りゅうもんぎんぞうがんたち)」が出土したと発表した。
 全長98・2cm、幅3・6cmの直刀で刃の長さは78cm。龍は、長い胴で首を曲げ、角と4本の足があり、尾が生えている。刃の根元の両面に対になるように1体(長さ8~9cm)ずつ、溝に銀を嵌め込んで描かれている。
 市教委が2008年2月、地方豪族を埋葬したとみられる114号墓(長さ約3・8m、幅約2・5m、深さ約1・9m)で5体の人骨とともに見つけた。50~60代の年長男性とみられる人骨の頭の左側に平行して置かれていた。ほぼ完全な形で鞘に収まり、状態は良かったが、錆びで覆われていた。X線撮影で龍を確認し、錆びを除去するなどの復元作業を行っていた。
 6世紀代の墳墓ではこれまで龍の描かれた刀が、奈良県の新沢327号墳(橿原市)と吉備塚古墳(奈良市)で2例見つかっている。今回の龍は、新沢327号墳の龍と酷似しているという。
 えびの市歴史民俗資料館で5月3日まで展示されている。4月23日午前10時からは、同資料館で説明会が開かれる。
[参考:読売新聞、産経新聞、宮崎日日新聞、西日本新聞]

龍の象眼 古墳期の大刀 えびの市で九州初出土(西日本新聞) - goo ニュース




キーワード:島内139号地下式横穴墓 、島内地下式横穴墓群139号墓
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